『最後の愛犬』コミコミスタジオ特典小冊子「最後のその日まで」

saigo no aiken

『最後の愛犬』コミコミスタジオ特典小冊子「最後のその日まで」
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
8
評価数
2
平均
4 / 5
神率
50%
著者
 
媒体
特典
出版社
発売日
付いてきた作品(特典の場合)
最後の愛犬

商品説明

新刊発刊記念・コミコミスタジオ特典書き下ろし小冊子
A5サイズ全12頁(内小説7頁)、ネコ型配膳ロボットになったアウグスティンのお話です。

レビュー投稿数2

No Title

本品は『最後の愛犬』のコミコミスタジオ特典小冊子です。

本編幕間、アウグスティン達のその後のお話です。

アウグスティンは
世界最大企業アムリタの創設者で総裁であり
メドゥサ病に侵された躰は半分以上が石化し
自由に動かす事ができなくても
ネットワークを介してアムリタに君臨し続けました。

しかし今は猫型配膳ロボット「アッテン」として
中華系ファミリーレストランにて奉仕しする身となり
今現在は身動きが取れない滋養体に陥っていました。

アツアツの黒須酢豚やチンジャオロースなどを
乗せたメタリックボディは小さな子供達に
取り囲まれて動けなくなっていたです。

顔面モニターの目をぱっらして弱って忌めと
厨房から出てきたもう1台の猫型配膳ロボット
「リアン」が電子ボイスを響かせ・・・

A5サイズカラー表紙(カバー同イラスト)2段組12頁の
大ボリュームにて悪役2人のその後になります。

子供達は白いボディの配膳ロボットに
顔を輝かせて駆け寄っていき、渦巻き模様になりつつも
リアンの目は「今のうちに!」と訴えています。

特効薬が完成するまでの間
労働型ロボットを使って昼夜を問わず肉体労働する事が
パパからの条件をアウグスティンは迷わす受け入れますが
ユリアンもアウグスティンを少しでも支えたいと
ともに働くと申し出てくれたのです。

派遣されたのが危険な工事現場でも海底鉱山でもなく
ファミリーレストランだったのはなぜか
考え続けていますが、答えは出ません。

こんなアウグスティンが
少しづつ変わっていく様子が描かれています。

過去は変わらず、犯した罪も消えませんが
アウグスティンは死を迎えるまで考え続けていく事になる
・・・という幕引きでした。

寄り添ってくれるユリアンの存在とともに
アウグスティンが求められている者に気づく日は
遠くないのかなと思いました。

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読んで絶っっっ対に後悔しない小冊子。アウグスティンのその後

こちらの小冊子、読む価値ありありです…!
このお話があることで、より深く作品世界に浸れると思います。

保管場所等問題なければ、こちらの小冊子付きをぜひぜひ!
おすすめします。

この小冊子、なんと日秋でも烈でもなく、
ネコ型配膳ロボット”アッティン”となったアウグスティン視点のお話。

◯ーミヤン…じゃなかった、某中華系ファミレスで働きながら、
新たな感情を覚えていくアッティン(配膳ロボットの名前)の物語です。

熱々の酢豚や青椒肉絲を運び、子どもたちに
「アッティン!アッティン!」と囲まれ大人気、
「ニャアアーン!」と鳴くアッティンの仕草、描写が可愛くて可愛くて(*´艸`)

子どもたちに囲まれ身動きできなくなるアッティンを救おうと、
厨房から出てきてアッティンを救う
”リアン”ことユリアンとの関係性も 微笑ましく、
前半はひたすらほのぼのとするお話。


なんですが!!!

話は”ほのぼの”では終わらない。

小さな女の子の隣のテーブルで、別れ話のもつれから
騒ぎ出した巨漢の男。
違法ナノマシンの投与によって興奮状態になった彼が、
振り返って目にした小さな女の子にナイフを振り上げーー


いや、この時のアッティンの咄嗟の行動!!
読みながら情景が目に浮かび、手に汗握って大応援です。

「ニャーーーーーー!!!!!」とロボの目を三角にさせ、
男の突進するアッティン。
愚直にぶつかるアッティンだけれど、ナノマシンの力を借りた
男には到底及ばず、回し蹴りによりひっくり返されてしまい...(泣)

自力では起き上がれず焦るアッティンですが、
その時!

…烈ーーーーー!!!! お店に来てたのね!!
頼りになる男。。

「猫型ロボット」に堕ちた自分のことを嘲笑っていると
思っていたのに、どうして自分を救ってくれたのか。

モニターの目をはてな?にするアッティン。

そして、そんなアッティンのもとに飛び込み、
抱きついて「ありがとう、ありがとうアッティン…!」と
泣きながら呟く女の子。

…なんかなんだか、書きながら思い出して泣けてきてしまう( ; ; )


そしてそんな体験を通して、アッティン、いやアウグスティンが
思い出した、”本当に自分が欲しかったもの”。

ナノマシンによって、人々を難病から救うー
という当初の思い…

最期の時が訪れるまで、懺悔の思いを抱え
このお店で働くことになるアッティン。

彼のしたことはもちろん、到底許されるものではないのだけれど…

初めて過去を悔い、心から懺悔する彼に、
”赦し”の気持ちを持ちたい、と思わされたお話でした。

どうか”その時”が訪れるまで、
アッティンに温かい子供たちの言葉や態度がかけ続けられますように。

(ちなみに...水を差すようで本当に申し訳ないのですが、
ヨーロッパでは既に死刑ってほぼ廃止されていると思うので、
アウグスティンは死刑ではなく終身刑になるのではないか?と
個人的には思っていたりします;)


悪者が退治され、めでたしめでたし!で終わるのではなく、
”その後”の姿、改心して生まれ変わる様子まで見ることができ、
切なさ噛み締めながらも満足感で心満たされる、そんな小冊子でした。

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