ぱるりろん
kyuuketsuki to yukai na nakamatachi
忽滑谷刑事と柳川刑事の日常勤務、第4弾。
4のゲストは酒入さんでした。強引に周囲を巻き込んでいく完全マイペース型の人。
酒入さんからの電話をガン無視決め込む忽滑谷さんですが、5回目にやむを得ず電話に出ます。出るまで電話を鳴らされることを怖れて出たのでしょうが、反対に酒入さんは忽滑谷さんが無視してることを分かってる節がある。完全に食えない者同士の化かし合いです。
暁は押しに弱いので、なんだかんだ二人の方がうわてだと、これを読みながら思いました。
二人とも食えないけど、厚かましさから酒入さんが忽滑谷さんを凌ぐ感じです。
「4」のポイントは、柳川さんの成長ぶりと、「おまえ相棒に似てきたなあ」という外野の評価、そして忽滑谷さんからの褒め&御褒美です。
こんなに短いお話なのに、全部が詰め込まれていてまさにお得。
それにしても読めば読むほど忽滑谷さんのパーソナリティは謎です。
コミコミ限定SS小冊子のお話は、毎回柳川視点のお話です。わずか7Pの中で事件解決までとその中で人間模様が描かれていてよく出来てるなぁと思わずにいられません。
今回は、遺産狙いの殺人容疑のある人物がいて決定打が無い為逮捕できずに焦ったい思いをしていたところ別件での依頼と点と線が繋がって解決に進むお話でした。
その中で、『君らは名コンビだね。忽滑谷の信頼を得てる、心で結ばれている、阿吽の呼吸。君は男前だ、男が惚れるタイプのイケメン刑事』だなんだと言われた直後、忽滑谷から普段気に入って飲んでる缶コーヒーを貰ったもんだから意識しまくり。
もしかして、忽滑谷さん俺の事好き?!どうしよう男同士だし、上司と部下だしって心の中で大騒ぎする柳川。
忽滑谷さん絶対そんな気ないのに、一人相撲過ぎるだろ柳川。
本編のアルと暁はアメリカですが、こちらのショートストーリーの舞台は日本。
忽滑谷の相棒・柳川視点のお話も4作目。
毎巻毎に忽滑谷の刑事としての姿が見られるので、もうコミコミさんでしかこのシリーズが購入出来ない体になってしまいました。
今回はなんといっても、柳川の成長が見られるのが今までの事件簿シリーズとの大きな違いではないでしょうか?
そして、忽滑谷ともなかなかに良いコンビになって来ていますし、事件関係に関しては刑事の勘も徐々に鋭くなっていて見応えありです。
ただ、その他の思考については…やや的はずれな斜め上の勘違いをしたままだというのが、柳川という男をなんだか愛嬌のある魅力的なキャラクターにしているポイントかなと思います。
しれっと嘘をつく忽滑谷も、若干鬱陶しがられている酒入も、忽滑谷に褒められて浮き足立つ柳川の図も面白かった。
勘違いをしたままの柳川は、果たして今後忽滑谷にどんな感情を抱いていくのか?
この辺りを楽しみにしつつ、次巻の特典でも2人に会えることを願います。