kurinn
koi wo shiteita koro
本編で仁科と一葉の関係に気がつくならば、一葉は妹の華だろうと思ってました。
そして文庫あとがき後の掌篇「一緒に散歩を」でも、華はなかなか鋭いところを披露していました。
こちらの書き下ろしペーパーの時系列は、本編書き下ろしの「帰る家」での仁科の親戚が所有する別荘に行く前に、一葉の実家に食事に呼ばれた時のお話でした。
一葉の家族に受け入れられている仁科にホッコリしました。
父親や華の夫などは若手有名建築家の仁科に構えるところがあるようですが、華の娘のほのかや母親などは仁科を気に入っているようでした。
そして何となく2人の関係に気が付いている華が、勝手に2人の未来を想像したりするところや、家族の誰かがうるさく言ったら説得してやろうと思っているのが微笑ましかったです。
やはり先に味方に付けるべきは女性陣ですよね。
本品は『恋をしていたころ』のフェア書店特典ペーパーです。
本編後、一葉の妹視点での後日談です。
華の兄一葉には仁科という友人がいます。
仁科は少々アクの強い個性的な顔立ちをしていて
業界内では名の知れた若手建築家らしく
人見知りの激しい華の夫は
遠巻きにしていているだけで
後からどんな話をしたか聞いてくるので
少々面倒くさく思っています。
今回も本人曰くの南国版健康ランドの仕事を
終えて帰国したと聞き、いつものように
みんなで宴会をすることになります。
仁科さんの親戚が所有している別荘に
2人が行くと聞いて・・・
B5サイズ4つ折り片面にて華視点の後日談となります。
「2人で」「別荘に」と
華は内心引っ掛かりを覚えました。
兄は高校時代からよくモテていたし
彼女もいたので家族の誰も変だとは思っていませんが
華だけは「もしかして」と考えていたのです。
娘のほのかをかまいながら
兄と仁科さんが笑い合う笑顔が幸せそうで
「本当に結婚しちゃえ」と心の中けしかける
・・・というちょっと妄想入りつつも
兄と友人の関係に思いをはせる小話でした。
妹視点でも2人が幸せな日々を送っている事が
伝わってくるSSでした (^-^)v