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labeled tightrope knot retie
非常に丁寧にドラマを魅せてくれる良作です。
もちろん、それにはまず原作がしっかりしているという前提ありきです。
それが音声化されたことで、より、作品の世界の奥行きや色味が豊かに感じられるものになっていました。
今回、特筆したいのは増田さんのお芝居です。
彼のファンとしてその芝居を聴き続けてきた中で、特に今年に入ってから発売された作品を聴く度(全てを聴けているわけではありませんが)、目覚ましい成長を感じていました。
そして、この作品も例外ではありませんでした。
奇しくも、と言いますか、この『ラベルド』のシリーズに関しては、増田さん演じる榛臣くんは、無印の、夏生くんと想いが通じ合うまでは、感情を自身の中に抑制し、ミステリアスで痛々しいキャラクターで、時を経て、関係性の変化と共に、人間味を帯びてきた所があります。
その変化と、増田さんのお芝居の変化がちょうどうまく噛み合ったというような所もあるかもしれません。
特に素晴らしいと感じたのは涙ぐむ(言いにくいことを言う)お芝居です。
お母さんに夏生くんのことを伝えようとしてうまくいかず、夏生くんに電話をするシーン、夏生くんに嘘を見抜かれて白状するシーン、お墓参りのシーンと、主に三つありましたが、いずれも、自分の腹の中に本音を抱え、言葉にして表に出すのは扱いが難しく、バランスを崩せば涙腺が決壊してしまうような、非常に危ういギリギリの所で、自分と夏生くんに同時に対峙している、そういった不安定さが見事に表現されていて唸りました。
弱さを表現する芝居というより、どこまでも生々しい人間の感情のドキュメントでした。
間をたっぷりと使った言葉の運び方は、絵の無い音声作品だからこその良さかもしれません。
息遣いまで、しっかりとイヤフォンをして聴いていただきたい。
元から芝居の“正解率”の高い白井さんも、安定したお芝居で寄り添ってくれています。
相変わらず、とても自然に台詞の中の核をしっかり押さえてくれる方だと感じました。
お二人ご自身達の共演経験と、シリーズに携わってきた時間と、双方の積み重ねによって、とても滑らかに、タイトルのフォントのようにスルスルと絡まって結ばれるようなお二人のお芝居は耳馴染みが良いです。
番外編の『happy assort』のように、コミックス発売時の各特典を音声化してくれたのもとても嬉しかったです。
特に『phase after2』の差し込み台詞は心の底からスタオベを送りました。
漫画で読んだ時に、これはあの時の……と思っていたので、夏生くんにセルフ再現台詞を言わせるという演出は大☆天☆才です。
キャストトークとなっているトラックで全くトークしていなかったことだけが唯一非常にショックでした。
あれはトラック名を『キャストコメント』としてほしかったですね。
尺の都合か、大人の都合か(?)わかりませんが、もっとしっかりとお二人の『トーク』が聴きたかったです。
作品自体には本当に満足しています。