kurinn
jonetsu no tomoshibi
佳人がちょっと駅前のスーパーまで買い物に出かけてレジを済ませて袋詰めの作業台まで来ると、天候が急変して傘なしでは躊躇われるほどの本格的な降りになってました。
夕飯まで時間があったので佳人は店先の庇で様子を見ることにします。
雨で視界が悪い中に遥が歩いて来るのを見つけた佳人は、びっくりしたのと同時にありがたさと嬉しさが込み上げたのでした。
佳人に傘を渡すと遥は佳人の手から買い物袋を取り上げて持ちます。
そして佳人にコーヒーでも飲んでいくかと誘うのです。
2人が入ったのは路地裏でひっそり営業しているレトロで味のある雰囲気で落ち着いて過ごせる店でした。
自宅近くの最寄駅近くの喫茶店で遥と一緒にコーヒーを飲む機会はめったに無いので、佳人は雨に降られて得した気持ちになりました。
2人は気持ちが通じ合っているので無理に話題を探さなくても、沈黙も穏やかで居心地も悪くなかったようです。
雨音を聞きつつコーヒーを飲み、遥の端正な顔を見て佳人は眼福だったようです。
佳人の遥のことが大好きだという気持ちがあちこちに、これでもかと書かれてて読んでてこそばゆくなってきます。
雨が上がって帰宅する途中に青空になったので、佳人が遥に謝りましたが
「来たかったから来ただけだ」
「たまにはデートしたっていいだろう」
って言ってました。
それを聞いた佳人がどんなに嬉しがったことか!
佳人はたまにじゃなくてもいいと言って、遥に次はお前が誘えと言われて喜んでました。
帰宅すると冬彦が出迎えて西瓜を買って来て貰った事に喜んでました。
冬彦は雨が降り出した時に佳人を迎えに行こうかと考えて、遥が出かけて行くのを見かけて遥に任せておけばいいかと気持ちを切り替えて勉強を再開した聡い少年でした。
佳人が遥の事がどれだけ好きかが分かる文章に読んでて恥ずかしくなって来て困りましたww