てんてん
gokudousan wa unmei no papa de aisaika
本品は『極道さんは運命のパパで愛妻家』の初版限定挟込ペーパーですが
内容は9月刊行するスピンオフ『インテリヤクザは不器用な策略家』の
前日譚にもなります。
伊勢崎は次巻を確認するふりをしながらスマホの待ち受け画面にしている
思い人の写真に視線を向けてました。今頃は夕飯でも作ってくれているだ
ろうかと考えるだけで胸が熱くなります。
ところがそんな伊勢崎の幸せの時間をここしばらくの間、邪魔し続けた
張本人に「気持ちの悪い顔してんじやねぇ」とうんざりとした顔を向けら
れてしまいます。
伊勢崎は手に持っていた最後の書類を賢吾に渡して、サインを確認したら
帰宅する旨を告げますが、賢吾から「今日は泊っていけ」とお願いされて
しまい、うんざりしてしまいます。
伊勢崎にとって今夜のオフは久しぶりなのです。よくもそんな台詞が言え
るとうろんな目を向けると、佐知が散々心配をかけたからと豪勢な夕飯を
つくるらしく、付き合ってやってほしいというのです。
賢吾が佐知に甘いのはいつものことですが、賢吾の記憶喪失中、伊勢崎に
プライベートはほぼなかったと言ってもよく、ようやく取り戻した日常に
潤いを取り戻したいと思うのは悪い事だろうか?
とにかく何が何でも帰ろうとした伊勢崎でしたが、「あいつも来るぞ」と
言う賢吾の言葉に即座に前言を翻し「ありがたくお受けいたします」と
返し、賢吾に馬鹿にされますが、伊勢崎も賢吾にだけは言われたくないと
思うのです。
賢吾が意味深に笑う中、佐知と史がいる中庭が一層騒がしくなり・・・
B5サイズ四つ折り両面ペーパーはシリーズ本編の後日談でもありますが、
9月刊行予定のスピンオフ作の番外編で伊勢崎視点でのSSになります。
やってきたのは舞桜と碧斗でした。楽しそうに笑う顔が伊勢崎の目に映り、
花がほころぶようにふんわりと笑う本心からの笑顔に伊勢崎は目が離せな
くなります。
賢吾は「あいつならお前をもっと人間らしくするだろうって期待している
んだ」と言いますが、伊勢崎はただ幸せを願うだけなのです。
そんな伊勢崎に焦れたのか賢吾は佐知に向かって「伊勢崎が一緒に飯を
食いたくないと言っている」と言い放ち、慌てた伊勢崎が否定しようと
しますが、賢吾はさっさと伊勢崎の不参加を決定してしまうのです。
賢吾としては伊勢崎が関わらない未来を見せつけようとしたのですが、
伊勢崎には参加しないで正解だったのだと帰っていく
・・・という伊勢崎の恋の前途多難ぶりがうかがえるお話でした。
たぶん賢吾の見立てが正しいのだと思いますが、伊勢崎って賢吾ほどには
強くないと思うのですよね。
来月の番外編と後日談だそうな初版ペーパーが楽しみです (^m^)