てんてん
nijiiro no ykuou wa kujaku ni hanayomeihou wo matowseru
本品は『虹色の翼王は黒い孔雀に花嫁衣装をまとわせる』のコミコミ
特典小冊子です。
本編後、リヒトが飛行訓練をするお話です。
鳥人の中で空を飛べるのは特権階級と上層階級だけです。特に特権階級
の飛行能力は飛びぬけて優れていて、飛行時間も長く高い位置まで飛ぶ
事ができ、その姿は誰もが憧れます。
翼の大きさが重要なのは確かですが、飛行するだけの体力や翼を動かす
筋力なども関係している様で、リヒトは低危険種として貧民街にいた時
から大きな翼を持っていましたが、未だに飛べません。
1度飛ぼうと目論んだ時は真っ逆さまに地面に突っ込みました。あれが
ふかふかの土の花壇でなかったら大怪我を負っていた事でしょう。その
代わりソフィアが大事に育てていた植物を台無しにして大目玉を食らい
ましたが(笑)
今日はソフィアと飛行訓練の予定でしたが、部屋でいちゃつく2人を見た
ソフィアに遠慮されてしまい、ルークの指導を受ける事になったのです。
しかし、元はソフィアに言われてしぶしぶ始めようとしていた訓練なの
に、ルークと一緒に訓練しているうちに「今日中に必ず飛んでやる」と
宣言する羽目になっていました。
ルーク利用にいきなり地面から飛び立つなんて無謀なので、バルコニー
のある2階から庭に降り立つ事から始めますが、それすらも上手くいき
ません。前回同様、翼をばたつかせながら落下するという具合です。
これだけ大きな翼を持っていても飛べないなんて悔しいやら、情けない
やら。白い翼が立派なだけに、不甲斐なさにも拍車が掛ります。
そんなに翼をばたつかせたら風邪を味方にできない。
ルークの抽象的な言い方は参考になるとはいいがたいですが、なんとな
く空を飛ぶ醍醐味はわかったような気がします。そして自分に暗示を
かけるようにルークの言葉を心の中で繰り返したリヒトは・・・
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)2段組12頁のボリュームでリヒト
とルークのラブラブなお話になります♪
両方の翼にしっかりと空気を抱き、身体を浮かせて空気を押し出しす。
それ繰り返して風を待てばきっと飛べる・・・
リヒトは膝を大きく曲げて勢いよく宙に飛び出します。身体がふわっと浮
く感覚に今までとは違うと思うリヒトでしたが、バランスを崩しつつも庭
の隅まで飛んだものの、結局は大きな木の枝に突っ込んでしまいます。
立ち上がる気力もなくルークから隠れるように芝生の上に俯せになったま
まふて寝を決め込みますが、リヒトの上から「下手くそだな」という冷静
な声が降ってきます。
ルークは植え込みをかき分けてリヒトの前まで来ると怪我を見せろとせっ
つきます。すると「血が出ているぞ」と怪我した所を次々と舐められてし
まうと、それが愛撫になって神経が高まり、そのままルークに美味しく
頂かれてしまう
・・・という飛行訓練のはずが、ついの間にやらラブイチャ一直線♡な短編で
した。
コミカルなテンポで進んでいたのに、接触し始めたらいつの間にやら甘々
モードに突入してラブラブですよ (^m^)
ルークのお屋敷なのでお庭も広いから大丈夫なのかしら!? とかとか、ちょっ
と気になってしまいましたよ(笑)
本編がとても面白かったので、その後が読めるのは嬉しいですね。
想いが通じ合った2人はとても甘々です。
視察の帰りに暴漢に出会したルークを心配して寝付けなかったリヒトと、遅く帰宅して気配を消してベッド側に佇んでいたルーク。
熱い一夜を過ごした翌日も甘い雰囲気になってた2人に、ソフィアは遠慮して立ち去ります。
リヒトの話ではソフィアはリヒトとルークで妄想して楽しんでるらしいです。
リヒトが絶滅種だと判明してからルークは遠慮が無くなった様で、ソフィア達に甘い場面を目撃される機会が増えたとリヒトは憂慮していました。
ソフィアと飛ぶ練習するはずが、急遽ルークが見てくれる事になりました。リヒトは低危険種の時も大きな翼を持っていましたが飛んだ事は無く、どうやらセンスも無いようです。
それでも意地になってルークの抽象的なアドバイスに従って何とか庭の隅まで飛んで、大木の枝に突っ込みます。
低木の植え込みに落下して芝生にうつ伏せで不貞腐れているとルークがやって来ます。
怪我が無いか心配するようで、リヒトの身体を弄り出すルークです。何故か潤滑剤持参でそのまま始まってしまってます。とうとうお日様の下でもするようになってしまいました。
鳥人の姿になると裸のお尻の上に上尾筒と言う羽が現れるのですが、そこの付け根を鷲掴みにされる描写がとてもイヤらしくて大好きです。w
コミコミスタジオさんで購入するといただける、おなじみの特典小冊子。
A5サイズということで、奈良さんの描かれた表紙が大きいサイズで堪能できる、というのも素晴らしいのですが、表紙+裏表紙合わせて12P。SS部分は2段で書かれているので分量も多く、読みごたえたっぷりな素晴らしい小冊子です。
さてさて、内容ですが。
SSのタイトルは「庭の片隅で」。
時系列は本編終了後。
リヒト視点のお話です。
偵察に行ったルークが悪漢にケガを負わされたと聞いたリヒトは心配で眠れない。うとうとしかけたときにルークが帰ってきて、それからさんざん抱きつぶされてしまった。
その翌日、ソフィアと飛ぶ練習をしていたリヒトだがそのままルークと練習することになり…。
というお話。
黒かったリヒトの羽がなぜ白くなってしまったのか。
ルークに対して素直になれずツンツンしてしまうリヒトの姿。
そんなリヒトの心の中はマルッとお見通しでリヒトを愛でるルークの深い愛情。
本誌を踏襲しながら、「リヒト、空を飛ぶ練習をルークと行う」といった内容なのですが、めちゃめちゃ甘ーい!
飛ぶ練習をする二人、なのですが、この小冊子に描かれているのはリヒトとルークの優しくそして温かな二人の生活と愛情。ツンデレのリヒトの可愛さも、そんなリヒトを愛でつつ滴らんばかりの男の色香を漂わせるルークの姿にも萌えが滾る。
中原さんらしいコミカルに進むストーリーですが、そこに甘々とエロのスパイスがぎっちり詰まってました。
奈良さんの描かれた表紙も素晴らしい。
リヒトが身にまとったレースとか、彼らが来ている服装とか、細かいところまでぎっちりこの作品の持つ世界観を描き切っていて、しげしげと眺めてしまいました。
これから買われる方には、ぜひとも手に取っていただきたい、素晴らしき小冊子でした。