てんてん
pheromone tantei mitsugetsu no Russia
本品は『フェロモン探偵 蜜月のロシア』初版限定挟込ペーパーです。
本編後、バル視点での映への思いが語られるお話です。
映が依頼された襖絵を完成させて帰国してからというもの、バルは暇さ
えあれば日本庭園の四阿に来て外から離れを見ていました。ここで映と
過ごした時を何度も反芻しているのです。
そんなバルを何度もみかけているマリヤは、寒い外ではなく離れの中で
思い出に浸ればいいのにと言うのですが、離れの中で映があの男に抱か
れていたのかと思うと切なさと悲しさと悔しさと憤りとともに、あの夜
見せつけられた情景が蘇り頭に血が登ってしまうのです。
夏の休暇にはずっと日本ので映の近くにいたかったけれど、必ずあの男
がいると思うと複雑です。日本人としてはマシな部類だけど、映の隣に
いる存在としては認められません。
バルは子供の頃に初めて映と出会った日の鮮やかな記憶が蘇り・・・
B6サイズペーパー両面中折り2段組3頁と長めの番外編は、映に恋する
バルが思いをはせるお話です。
父に紹介された「絵を描くのが上手なお兄さん」を最初バルは男か女か
わかりませんでした。「お兄さん」なのだから男なのでしょうが、男女
どちらにも見え、これまでバルが見た事の無い美しさだったのです。
鼻も口もで精工で愛らしく、垂れた目は猫の目のようによく動き、甘い
微笑みを向けられたい、甘い香りをもっと嗅ぎたいといつも彼に抱きつ
いていたものです。
マリヤはバルが欲しいと思ったら誰のモノでもとってしまう我儘坊やだ
と知っているので、映との初キスを大事にしていないでさっさとしてし
まえば良かったのにと言いますが、バルはあの男に底知れない怖さも感
じていたのです。
それでもこのまま大人しくするつもりはありません。バルはいつかまた
映にキスしてもらうまではと思い出のを中の香りを反芻する
・・・という意外に一途なバルの恋が描かれたお話でした。
映の番犬くんの素性はバルの推測通りだけど、まだまだバルは映を諦め
そうもないので波乱は必須な様で、今後も楽しみです (^O^)/