愛憎極まる義兄弟インモラルドラマ、開幕。
義兄の心情に感情移入するも美しさで人の幸せを奪っていく悲しい弟にまた同情してしまい、重苦しいテーマなのに心が沸いてついつい読んでその重さと緊迫感にエネルギーを消費して脱力してしまう。
読者すらも巻き込むこの漫画の悪循環はとても楽しいです。
もしかしたら読み手を選ぶ作品かな、と思います。甘い話ではないし、ハピエンが想像しにくいです。
光が、なぜそこまで春樹に固執するのかが分かりにくい。けれど、それがかえって光の異常性っていうのかな、ホラーチックな怖さが増して面白いです。
美しい容姿であるがゆえに周りから望みもしない熱のこもった目で見られ続け本音を晒せる相手もいない光。
13歳の時に母が再婚し、10歳年上の春樹が兄になりその春樹だけがなんの含みも無い優しさで包んでくれいつしか恋心に変わります。
体調を崩してしまうほどに憔悴した春樹が気の毒でした。弟が出来て嬉しかっただけなのに。
裏切られた憎しみと悲しみが、これからどこへ向かうのか。