作者であるわたなべあじあさんが「自分の描きたいものを自由に描く」と決め 不定期に同人誌発表している作品を、ジュネットコミックスがまとめて単行本にしているシリーズです。単行本化により多くの人が作品を知り人気に火がついた今も、本編は同人誌にて発表し続けています。(番外編は雑誌掲載されているものもあります)
ROMEOはあじあさんが練った広大な世界観のほんの一部を切り取りBLにした作品だそう。その世界設定は、単行本に掲載されているデータベースやイラスト集に掲載されている設定資料からも緻密に作り上げられてるのがわかります。
人類強化獣種(ライカン)と呼ばれる彼らは死ににくい体を持っています。死ににくいというのはどういうことか。痛みや情緒が鈍くなり、快楽重視になっていくのか。そんな中で「オンリーワン」の恋はどう始まるのか。という点を作者自らポイントとしてあげています。後の展開でライカンの進化の第一人者となる光陽とジェイド。彼らの両片想いが切なくすれ違うところから物語は始まります。
強靭な肉体を持つ獣人種族の肉体美も見所の一つであり、戦闘シーンにおいて肉体強化させる際にケモ耳と尻尾が生える設定はケモ耳好きには堪らない設定となってます。又、性欲に素直でハードルが低いため、快楽に興じる色っぽいシーンも盛り沢山です。
思春期の子供のように意地を張り、何度も心無い言葉で光陽を傷つけてきたジェイドでしたが、ようやく自分の重ねた罪を知ることとなり。誤解が誤解を生み、長い間すれ違っていた両片想いに光が少し見え始めた2巻です。しかし次なる展開は誰も予想だにしなかった事態を招いていてました。
2巻の見所は何と言ってもジェイドと光陽の体がようやく繋がるシーンです!心を通わせるキスと溢れる「ダイスキ」の気持ちが深く印象に残ります。しかし誤解は解けておらずまだ両片想いのまま…。光陽の健気さを窺わせるモノローグは切なく涙を誘います。3巻が待ち遠しいです。