コミカル・シリアス・サスペンス!異世界ファンタジーの世界観に引き込まれる
高校生の海老原樹里にはコンプレックスがあった。それは黙っていれば完璧と言われる外見の美しさだ。男で綺麗だなんて、いいことはなにもない! そう考えて幼い頃から武道を学んだ結果、同年齢相手の喧嘩なら負けない自身がついた。ところがある日、学校の行事として湖に落ちた樹里は、見知らぬ世界に連れていかれてしまう。そこで、特別な存在である神の子として、王子や神官たちと一年過ごすことになり!?
夜光花&奈良千春による壮大な物語、ついに開幕!
架空の世界、キャメロット王国を舞台にした壮大なファンタジー、シリーズものです。
主人公の高校生樹里は、ある日突然異世界のキャメロット王国に召喚され、そこで呪いにより死んでしまった、神の子と崇められる自分とそっくりな少年の身代わりになることを要求されます。神の子の役目は、魔女により国にかけられた呪いとくこと、その方法がその国の王子と結ばれ子供を作ること。この問題をどうクリアしていくのか、まだ始まったばかりなので謎が多すぎて続きが楽しみです。
前の巻で強引にやっちゃったランスロット。樹里はぷんすか怒ってというか怒らざるを得なくてランスロットを避けているのですが、王都の様子を見るためにやむなくマーリンやランスロット等と共に王都へ向かいます。そして王墓で出会ったのが同盟国エストラーダのトリスタンという金髪碧眼の青年で・・・と続きます。
樹里の葛藤する心理描写が実に秀逸です。
受け入れるべきではないとランスロットの求愛を跳ね返しつつも、それでもランスロットに惹かれている樹里の感情の機微が、細やかな描写でもって描かれています。
何より、ランスロットの樹里への深い愛情が、なんとも萌えるのです。
今回の急展開と言えば、なんと言っても騎士団隊長ランスロットです。マーリンに操られ樹里を殺そうとし、けっきょく樹里は事なきを得たのですが、ランスロットを責めることなく許したことで、ランスロットが樹里を愛してしまいます。ランスロットは樹里の正体を知って、神の子じゃないなら自分のものにしてしまいたい……想いが叶わなくてもいいから国に残って欲しい……なんて、健気すぎて泣けます。
樹里が氷の上でお姫さまだっこされた瞬間、私も心を奪われました(笑)。
今編は、魔術師マーリンの過去の回想から始まり、終わりもマーリンで締めらます。
この部分で、ガルダ、マーリン、ジュリそして魔女のモルガンの関係性が語られています。
そして、どうしてマーリンがアーサー王子に忠誠を誓っている。
今回もランスロットは男前でした。
あんなに高潔で、忠誠心の強いランスロット、もう最高です!しかも、真面目なだけに面白い所もあるし(笑)
私個人は、樹里にはアーサー王子よりランスロットを選んで欲しかったのですが、いやいやまだわかりませんね(笑)期待しています。
出だしは前作『少年は神の生贄になる』の終盤の部分を、アーサー視点で描かれています。ああ、なるほど、あのシーンはこういうわけだったのね、と解明されていてすっきり。2冊に分けて真相を解き明かす夜光さんのテクニックに痺れつつ読みました。
そしてもちろんアーサーとランスロットの男気にも。カッコよすぎです…。
キャラも多いし、複雑に絡むストーリーをうまくまとめ、そこかしこにちりばめられた伏線を回収しながら進むストーリー展開はさすが。先がどうなるのか気になって、一気に読みたいのだけれど、読み終わるのがもったいなくて少しずつ読みたい。という葛藤を感じながら読み終えました。
前作『少年は神を裏切る』の終盤と、今巻の『少年は神の子を宿す』というタイトルからも分かるように、樹里、ご懐妊の巻でした。
樹里が自分のアーサーへの想いを自覚していること、アーサーの誤解と、マーリンの樹里への不信が払しょくされたこと、そして樹里が妊娠したこと。
モルガンの指示によって動かされたガルダの策略によって、ランスロットの「反乱」の危険はあったものの、『少年神シリーズ』の中で一番甘々で、そして優しい巻だったように思います。
今回はランスロット不在の中、幽閉されていたモルドレットの自分勝手な思いがモルガンに上手く付け込まれ、反旗を翻すことがきっかけとなり話は大きく展開していきます。
北の部族の屍体を依り代にした最強の兵士を従えたモルドレットにより、エクスガリバーを持つアーサーさえも絶体絶命のピンチに立たされてしまい、樹里の必死の処置によりなんとか一命は取り留めますが、これこそがモルガンの張った二重の罠で、助けた樹里とお腹の子の命が危機的状況になります。
物語も佳境に入ってきて目が離せない様相になってきたしたが、最後にやっぱり語らなければならないのは、今回もエロ、すごいです…匂い立つようなエロさがあります。
毎回すごくドキドキするエロを展開してくれる二人ですが、今回はさらに濃厚。
7作目にして完結編。
生き生きとした、魅力のあるキャラクターたち。
良いところも、そして悪いところも、人間味にあふれている。そして、根底に、「愛」がある。
前作『少年は神と愛を誓う』を読み終えた時点でまだ問題点はかなりあった。
ランスロットの記憶障害。樹里の命の危機。
アーサーと樹里の、まだ生まれてきていない赤子のこれから。そしてもちろん、モルガンとの対決。
1冊で終われるのかと思いつつ読み進めましたが、収まるべきところにきちんと収まり、最後は大団円になるストーリー展開はさすが夜光さんといったところか。樹里たちとともに、闘い、冒険しているかのような臨場感。
ランスロットが主役となっている、アナザーストーリーです。以前に樹里がマーリンと共に飛んで行った未来。その世界軸のお話です。 本編はハッピーエンドに進んでいきましたが、こちらは…? 読み始めたいなーと思った方は、ひとまず「神の子を宿す」までは読んでいただきたいです。
少年神シリーズ好きな方必見です!本編同様とてもワクワクします。ただ、本編のハッピーエンド以外受け付けないという方は注意が必要です。分岐点から別の軸へ進んだパラレルワールドとなっています。大丈夫な方には全力でオススメします!