人の心の声が聞こえてしまう男のラブストーリー。
三年前から突然人の心の声が聞こえ始め、以来人間不信気味の余村。ある日彼は、自分に好意を持っているらしい同僚の長谷部の心の声を聞いてしまう。罪悪感を覚えつつも、言葉で、“声”で、一途に注がれる愛情が心地よく、余村も長谷部を好ましく思うようになる。そしてついに長谷部の告白を受け入れるが、余村が心の声を聞けると知った長谷部の反応は意外なものだった……。切なさ200%!! 胸に迫るスイートラブ☆
ある日突然、人の心の声が聞こえるようになってしまった余村。 それが原因で、恋人と別れ、前の会社を辞め、エリートコースからも外れ、電気販売員の契約社員として勤めながらひっそりと暮らします。
「心の声」が聞こえる事で、不安と恐怖に苛まれ、どんどん人間不信に陥っていく中で、同僚の長谷部の「声」を聞いてしまいます。
それは、余村に好意を持っているという心の声でした。
長谷部はいつも仏頂面で無口なので、怒っているように見られがち!
実際は、真面目で一途な年下のいい男でした。
心の声にも裏表がなくて、余村も一緒にいて心地がいいんです。
「言ノ葉」シリーズ2作目。
といっても続編ではなく、全く違うCPのストーリーです。
設定は同じで、「声」が聞こえる人間と、聞こえない普通の人間が出会い、惹かれて求め合うのだけれど、能力につまずいてギクシャクし、また許しあう……というような展開です。
今回は攻めの方が「能力者」しかも生まれつき「聞こえる」人間です。そして、受けがゲイという設定。
ノンケの攻めが、受けに興味を持つきっかけは、心の声と言葉に出す声が一致していた事。その「声」はまるでカノンのような美しい輪唱に聞こえる。
攻めは前作「言ノ葉ノ花」の余村と違い、能力を受け入れて、自称孤独な老人を言いくるめてる、でも実際は困っているところを察して手助けしたり。
「言ノ葉」シリーズ3作目。
本作も全く新しいCPのストーリー。ですが、2作目「言ノ葉ノ世界」に登場する人がこちらの作品にも出てきます。
本作での「能力者」は、生まれつき能力を持ち、しかもお母さんも「聞こえる人」だった、というカンナ。
カンナはその能力を人に役立つように使いたい、という気持ちを強く持っていて、そのためにいつも自分は貧乏くじ。関わった人が気味悪がったり怒らせたりで、全く上手くいかない。
そんなカンナが出会ったのは、「空っぽの男」ガクタ。なにも考えていない、空洞の心。
ガクタとカンナが想いを通わせ、恋人になってから、「ガクタ」「カンナ」が「額田」と「栞名」という表記になったのも良い。紆余曲折を経てお互いが唯一の存在になったのだと。とても素敵でした。
長谷部修一×余村和明のリーマンものです。
「言ノ葉」シリーズ第1作、「言ノ葉ノ花」の同人誌・小冊子・ペーパー・全サ等々のまとめの一冊となっております。
内容は、長谷部x余村の、巡る季節と共に深まる甘々な、切実な、そして激しく濃いH、が中心です。
前作では心の声が聞こえるがために孤独の世界に生きていた余村さんにとって、今回のような当たり前の恋人同士としての毎日がどんなに幸せであるのか。
そしてその孤独を知ってるからこそ笑顔で寄り添って生きたいと願ってくれる長谷部。
2人のこれからの幸せを心から願うお話でした。