俺様キャラの真矢がスパダリへ、そして眠傘の懐の深さに感動
勉強ばかりで友達ゼロ。あだ名は「メガネ君」。
そんな眠傘は、次の試験で順位が下がれば、奨学金をはく奪されてしまう。
一方、試験で赤点だと留年決定の真矢。
正反対の2人が不思議な共通点で急激に接近!
強引にHしたがる真矢の誘いに混乱しつつも、
無料の家庭教師というエサに釣られて、
ついつい真矢の部屋に通ってしまう眠傘なのだが…?
ガリ勉地味メガネの眠傘くんが、不良で荒っぽい真矢な弱味を握られ身体の関係を強要される...といった形でスタートします。
真矢の意地悪ぶりと表情が最高です。
こういった形で始まる二人の関係ですが、決して重すぎる雰囲気ではなく、読んでいて嫌な気分になることもなかったです。
真矢の真意こそこの1冊ではつかめないものの、彼は眠傘目当てで迫ったのは確か。
この時既に眠傘を好きなのが分かりますが、眠傘がそうではない為か、まだまだ激モエにならないのですよね。
徐々に眠傘も絆されてはいくんですが、気持ちはぼやけています。
ただ、体が物凄い勢いで開発されていきます
一巻では、脅迫から始まった関係で、真矢がその関係からねむねむに興味を持っていき、メロメロになっていく様子が描かれていましたが今回はその自分の気持ちに全く気づかないねむねむと真矢の話でした。
元々眠傘を好いていた真矢は、勉強勉強ばかりの彼に腹立たせながらも繋がりを切らないように追い掛けます。
言葉は威圧的でも、好意は真正面から。
でも相手が相手なだけに全く伝わらず、そこに従兄弟の彰と十太も絡んで来て、苛立ちはピークに。
そんな時、大事な模試に遅れそうになった眠傘が、「これ以上僕の人生をめちゃくちゃにしないでくれ」と怒鳴り――と進んでいきます。
三巻まで読むとねむねむの可愛らしさがようやくわかってきます。
物語全体としては恋人同士にもなってお互いの気持ちも通じあったし、あとは受験というハードルを乗り越えるくらいなので取り立てて大きな感動はないのですが、受験生特有の時間のない切羽詰まった様子やイライラして口をついてしまう台詞などが細かく描かれていて、優等生設定のねむねむとやる気になった真矢の高校生活が楽しめます。
また、この巻では、恋人になったねむねむがかなり素直に甘えてくるので読んでいてにまにまが止まりません。家に帰ってからの電話やメールは待ってしまうから禁止と言う可愛い理由も鼻の下がびろーんと伸びちゃいますね。
いよいよ大学生編が始まります。
主人公2人とも大学へ進学したものの、大学が違うのでキャンパスは別々、その上真矢はバイトもしているし2人一緒の時間は高校時代と比べるとかなり減っている状況。
こまめに電話やメールをしたり、2人一緒の時間を作ろうとお互い努力しているのが、恋人としてはほんっとに普通なんですが、この2人で見るとすごく萌を感じます。
今回は新キャラも何人か登場して、これからまた色々あるんだろうな、と予感させます。
特に気に入ったのはネムネムの友人になった沖野君。とっても健気で可愛い子です。小動物系ですね。
メインは真矢x眠傘カップルのお話ですが、この前に出た『酷くしないで 小鳥遊彰編』と一部パラレルになっている所があるので、小鳥遊編を読むとまた違った楽しみ方が出来ます。
大学生になった2人ですが、このシリーズが始まったころと比べると、ほんと真矢の成長ぶりは目を見張るものがあります。
ネムネムも恋愛初心者なりにすごく頑張っていると思います。真矢を傷つけるとも分からずにバシバシ思っていたことを言っていた頃を思うと、思いやりが出てきましたというか、普通っぽくなってきました(笑)。
これからも2人の成長が楽しみです。
脇役もキャラがちゃんと立っているし、中でも笑いをくれる沖野君がお気に入りです。
真矢はやっぱり私服もカッコイイ。
マヤは益々イケメンになりモテるし、それに対してネムちゃんのヤキモチ、独占欲がはっきり出てきてます!
ネムちゃんからの愛情がだだ漏れでもう萌との戦い(笑)
マヤは相変わらず、他人や他人から見た自分には興味なくネムちゃんにしか興味ない。
この一貫した愛情がこれまたただ漏れで 萌との戦いは続く(笑)
ひたすら萌えっぱなしの一冊でした。
両思いになってからはときめきと萌えに上書きされてしまった2人の関係ですが。
ド天然で感情に雑な眠傘がピクリとも反応せず、真矢だけが過去の行いにちくりと痛みを感じてくれたことにすこしだけ胸のつかえが取れました。
真矢パパ登場でかなりピンチな二人でしたね。パパってば物腰は柔らかなんだけど、カードを止めたり、学費も払わなかったり、きっちり反対したり、やることはやってますね。でも、真矢が堂々とねむちんのことを紹介して真剣に付き合ってるんだ!と宣言したシーンは男気ありました。
縞川の家に居候して、何だかんだと男同士でうまくやってるのもちょっとウフフってなりました。でも、居候の身なのでねむちんとエッチできないのが二人の、そして読者の悩み。最後の縞川がいないときのエッチはその分濃厚でしたね。
思わせぶりな朝チュンもどきにざわつくこともなく。
その後の真矢の気遣いや眠傘の不信感も、一周まわってる感じでそれほど感情移入できなかったのですが。
ルカの言動、そして態度が。
ようやく。
本性を出し始めたのかとワクワクしたりゾワゾワしたり。
あからさまになっていくにつれ、眠傘のコンプレックスが刺激されていきます。
コミュニケーション能力が高く、人をコントロールするのに長けている分、敵に回したらどれほど恐いか。
想像しやすいだけに、楽しそうな真矢を見る度に「この鈍感」と毒付きたくなるばかり。
あの真矢がこんなにボロボロになるなんて! とビックリした巻でした。眠傘に「少し距離を置きたい」と言われてからの真矢は「濡れた野良犬」「魂の抜けた人形」とか周りの人に表現されるくらいの廃人っぷり。でもそんな姿から真矢にとって眠傘がどれほど大切で、なくてはならない存在なのかが伝わってきて……早くいつものイチャイチャに戻ってほしい! とハラハラしながら思って読み進めると、真矢が眠傘へ自分の気持ちを伝えに会いに行きます!! 想いを確かめ合う2人に感動します。その後の眠傘の誕生日のやり直しに、すれ違いの原因であるルカも誘うところが、真矢個人を尊重しようと努めている性格が出でいて、ほんとに優しいなあ、とほっこりします。喘息で「他人の半分の力でしか生きられない」と感じているルカが今後どんな風に生きていくのかも気になります。ホテルでの2人のイチャイチャはエロいっぱい幸せいっぱい! 真矢ネムカップルが帰ってきた! って感じの9巻でした。