ぴれーね
キスをするのに、唇を開かなければならないと気付いたのはいつだっただろう。
「その唇をひらけ」というタイトルとは、言葉を紡いで欲しいという事もきっとあるんだろうけれど、もっとダイレクトに、このキスを、この俺を受け入れろって事なんだなぁ。
ずっと好きなんだけど、素直にそれを言えないたまきと、俺を構えとワンコな慎司。
たまきが美人さんで、人当たりも良いので。心配のあまり強引になってしまう慎司。
…
章生の兄、貴成は総司郎の仕事の補佐をしていた。
彼は何故、死んだのか。兄の死に総司郎は関わっているのか。
本作では、気難しい総司郎に焦点を当て、過去に遡り謎を解き明かしていきます。
久世は総司郎の父の妾の子だった。父の愛人は、幼い総司郎にも優しく、日向の様な女性。
総司郎は、久世とその母が住む別邸で過ごす事が多くなっていった。
ところが、久世の母が亡くなった事で、久世は本邸に引き取ら…
子供の頃に読んだ、バーネットの「秘密の花園」は、どんな話だったかな、と想いを馳せる。
アンダーと呼ばれる、貧民層の暮らす街で、両親にも兄にも先立たれ、独りで生きてきた章生は、ある日、栗須という男に拾われる。
栗須はただの使いだと言い、豪奢な屋敷へと連れて行かれる。
屋敷には、若くして世捨て人の様な暮らしをして、広大な庭の植物の世話をして、日がな一日暮らしている久世という男。
たまに屋敷…