砂原糖子さんのレビュー一覧

ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

ノスタルジックな夜の光と影、そして朝。

ファンタスマゴリアって何?と思った人も多いと思うが、私もその一人。
そのタイトルのちょっと不思議な響きが気になっていた作品は、
ファンタスマゴリア……「走馬灯」がキーにもなり、
全体の雰囲気を作ってもいる作品だった。

くるくると回るファンタスマゴリアのように、
8歳で出会った束井艶と永見の物語は、
現在と過去が入れ替わりながら回りながら進んでいく。

全体には明るくない物語なの…

7

言ノ葉ノ使い 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

童話、幸福の王子とは違う未来に向けての成長

『言ノ葉』シリーズ、第三巻です。
個人的には一番好きなタイプのカップルでした。
わたしは二巻の攻めが苦手でしたので。

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受けは、『心の声』が聞こえる20歳のカンナ。
同様に『心の声』が聞こえた母親を幼い頃亡くし、その後親戚の間を転々として育ちました。

攻めの額田は、カンナの引っ越してきたアパートの住人で26歳。
実像は無口、そして『心の…

11

恋のつづき 恋のはなし2 小説

砂原糖子  高久尚子 

続編の難しさ

前作が、とても綺麗にまとまった話だけに、
続編にそれ以上のものを求めてしまうのは、難しいんだなぁという感想。
彼らに会えて、彼らのその後が見られて嬉しかった……
くらいの気持ちで読むのがよし。

あて馬が出て来て……という展開も、想定内。
多和田は線が細く見えて、実は芯が強くて揺らがないので
よほどの大きな事件でも起こさない限り
話としては盛り上がり様がないのかなぁ……と思う。

3

恋のはなし 小説

砂原糖子  高久尚子 

恋にめぐりあって

恋に憧れながらも、生まれて29年間、ゲイであることに罪悪感を感じ
一度も恋をしたことがなかった背筋の伸びたホテルマン・多和田。
彼があるきっかけで放送作家の新山に出会い、恋に落ちて幸せを掴むまで。

ストーリーに目新しさはないが、丁寧な心理描写、素敵な挿絵、
気持ちよく物語に入り込んで読む事ができる。
恋に慣れない多和田が、おずおずと恋に踏み出していくさまは
切なく愛おしい。

6

高潔であるということ 小説

砂原糖子  九號 

罪を憎んで人を憎まず

高潔であろうとするあまり人から疎まれて利用されまくった男の恋物語。読んでいる間は受に同情して泣きっぱなしだったのですが、感想を書こうとしたら受の不幸っぷりが笑えてくる不思議な作品です。萌えたかと聞かれると微妙ですが、心を揺さ振られました。

攻は感受性が強い青年(転職前の臨時アルバイト)。
受はコミュニケーション能力の低い税理士。

攻は幼い頃親しくしていた老人の命を奪った相手(受)に復…

1

湯の町茜谷便り 小説

砂原糖子  花小蒔朔衣 

ゆっくりじんわり沁み渡る

時代の流れに乗り遅れた山間の温泉地。
きっとそういうところはたくさんあるのだろうなあと、ちょっと淋しくも感じさせる、西条八十の詩がすんなりハマるお話です。
数年前に行った温泉地もそうだったなあなんて。

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受けの穂積遥来は中卒で苦労して働き、今は出版社の編集をする26歳。
小柄で大人しく、日々の糧と眠れる布団があるだけ幸せと感じることのできる…

6

イノセンス ~幼馴染み~ 小説

砂原糖子  陵クミコ 

癒し系

良かったです!プ◯さんとク◯ストファー・◯ビンみたいなカップルに癒されました。優しさに飢えている時に読むといいかもしれません。

受は天使のように可愛い子です。攻は賢いわりに生き下手なので、まあまあ可愛い奴です。砂原先生の作品に共通する魅力ですが、攻の素の言葉遣いが少し乱暴でトキメキました。職場では社会人らしく敬語を使う男性が親しい相手に対しては乱暴な言葉遣いになるギャップに個人的に激しく萌え…

8

ラブストーリーで会いましょう 上 小説

砂原糖子  陵クミコ 

下巻は2~3年後に読みたい!

 最初から最後まで気持ち良かったです。普通ではない自分を受け入れてくれる、たった一人の相手に巡り合う―。どこかで諦めていて、自分はこれでいいのだと思い込ませながらの生活。それがひっくり返されて戸惑い、かき乱される気持ち。泣きたくなったり不安になったり、落ち着かないけれど甘酸っぱく何かを期待してしまう初体験の気持ち。

 小説を読んでいるとキャラクター説明や状況説明がまどろっこしくHシーンまでの…

2

センチメンタル・セクスアリス 小説

砂原糖子  ヤマダサクラコ 

頑張るダメ人間

天然お馬鹿さん受視点がツッコミどころ満載で面白かったです。

受は売れない美形モデル。

攻は勤勉な大学院生。

受は高校卒業と同時に攻からプロポーズされて嫁入り(同棲)します。

甘やかされて育った受は攻に対してもつけあがり、わがまま放題します。

攻も受が可愛いくて散々甘やかしますが、他の男と関係を持ったと聞いてさすがに許すことができず受に三行半をつきつけます。

攻の…

5

メランコリック・リビドー 小説

砂原糖子  ヤマダサクラコ 

死んだ恋人を忘れられない攻

攻は亡くなった恋人を忘れられずに遊びまくっているカメラマン。

受は攻の亡くなった恋人の弟で、小学生の時から攻に片想いしている大学生。

死んだ恋人を忘れられない攻という設定がかなり苦手なんですが、崎谷先生の「静かにことばは揺れている」が面白かったので、この際一気に苦手を克服しようと手にとってみました。

結果は...やっぱり苦手でした。

英田先生のDEADLOCKシリーズで感じ…

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