砂原糖子さんのレビュー一覧

メランコリック・リビドー 小説

砂原糖子  ヤマダサクラコ 

悲しみを分け合う仲だから恋なんてできない

切ない片思いのお話。

二十歳になった千夏史には、十一年思い続けている男がいる。出会いは九歳、相手は九歳年上の兄、由多夏の同級生で現在はカメラマンをしている日和佐明。

日和佐は自らも色情狂上等!とばかりに、男女構わずセックスがお盛ん。彼自身が魅力的なのはもちろん、綺麗な人間がひしめく華やかな業界に身を置いているせいもある。出会った頃から子供は嫌いだと豪語している日和佐は、二十歳になっても…

1

愛になれない仕事なんです 小説

砂原糖子  北上れん 

脇役の少年時代に萌えた

前作から二年後。
公私ともにパートナーである彼らなんだけど、二年も一緒にいる感があまり感じられないなぁ‥‥と思いました。
確かに「あいつを失えば……」というところまでに到達してるけど、二年かかってようやくそこ?と。
でも本名だから、恋愛感情が増幅していくスピードが普通の人の三倍かかるのかもしれないです。

正直言うと、彼らのラブ面に関してはあまり萌えがなかったです。
前作はあまりにも酷…

2

心を半分残したままでいる(3) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

二人の未来にたくさんの希望を感じました

衛と真文が恋人に戻って終わりではなく、二人の未来についても想いを確かめ合えたことが、良かったです。真文が記憶障害で思い出を失う切なさよりも、たくさんの希望を感じました。

衛のことを忘れたくないと涙する真文に、衛は約束をします。「これからもずっと『カナリー』はここにあるから。もし迷子になっても安心して帰ってきて」と。何度真文が記憶を失っても自分たちはお互いを好きになると、衛は確信しているのでし…

1

ミスター・ロマンチストの恋 小説

砂原糖子  桜城やや 

恋するオトメン

千野はテニス部の王子様で元生徒会長という文武両道の長身イケメンなんだけど、実は夢見る乙女キャラで……というギャップ萌えが楽しい一冊です。

幼馴染から「男らしいのは見かけだけ」と言われてる千野の思考回路は本当に乙女で、何度読んでて乙女か!と突っ込んだことか。

有坂に一目惚れした日の夜に、ラブレター三枚を書き上げるも結局出せずに机の奥底にしまったままとか、星占いのチェックを欠かさずラッキー…

2

心を半分残したままでいる(2) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

終わりのない約束が切ない

衛と真文に、こんなに眩しく、悲しい過去があったとは。
中学生の衛と高校生の真文。ご近所になった二人は、やがて互いにかけがえのない存在になっていきます。
「何度忘れられても絶対に傷つかないから、安心して。」
衛を強くし、真文を支えた約束が、二人の恋の始まりだったのでしょう。大人へと近づいていく二人がいつもキスした河原のキラキラとした光、衛の部屋で初めて体を重ねた朝の二人を包む陽の光が、眩しく鮮…

2

「心を半分残したままでいる」全3巻連動応募者全員サービスプチ文庫 グッズ

5年後の二人

当初ペーパーの予定だったのに、応募者が多かったのかシリーズが大変売れたのか不明ですが、小冊子本文59Pになったお話。二人で暮らし始めてから5年後のお話です。

3年半後に静良井は一度スーパーで倒れて、記憶を失いました。その時は連絡先などのメモを持っていたため、無事衛に連絡がつき、なんとか元の生活に。そこから1年半たって、再びカナリーで働いています。書き溜めていたエッセイを本にすることになったり…

10

「アンダーエール!」電子限定書き下ろしSS「隣のエール!」 グッズ

隣から聞こえてくる怪しげなアノ声について

本編では壁の薄い寮でやっちゃってて大丈夫なのかなぁ、この子たち……と思ってたんだけど、電子書き下ろしSSのテーマはまさにそれ。

桝木の部屋の右隣に住む彼、井上君が壁の向こうから聞こえてきちゃった「女の啜り泣きのような声」についてあれこれ思い巡らせちゃってます。
絶世の美人・折川が、桝木の部屋を出入りするようになった事に気付いた井上くん。

特に共通項のなさそうな二人の友人関係に奇妙なも…

6

心を半分残したままでいる(1) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

大切な部分が欠けた恋の行く末は

BL AWARD 2019年・ベスト小説トップ10にランクインの本作。遅ればせながら読んでみました。

記憶障害を起こしやすい青年・静良井は、日記に綴っていた恋人『M』を探しながらも、喫茶店のマスター・中上と恋に落ちます。そして、再び記憶を失ってもまた、中上に惹かれていきます。薄幸な静良井が二度も同じ人に恋しては、その大切な記憶を失う、切ないお話です。
でも、静良井は中上との思い出を失いはし…

3

アンダーエール! 小説

砂原糖子  小椋ムク 

青春だわ

硬派な剣道男子と、二度見どころか三度見、四度見されちゃうほどのイケメンくんとの何とも不器用な青春ストーリー。

攻めの剣道男子の佇まいがまるで武士(もののふ)のようなので、読み始めて早々、勝手に「もののふ君」と命名しちゃいました。

受けは、母親が勝手に出した「ダイヤモンドボーイコンテスト」(ジュノンボーイみたいなもん)でグランプリ候補になっちゃうほどの容姿の持ち主で、それなりに女の子とも…

3

「恋愛できない仕事なんです」電子版書き下ろしSS「恋愛できちゃう仕事なんです」 グッズ

相変わらずの恋愛音痴ぶり

本名が相変わらず恋愛鈍チンなのに無自覚の煽りがパワーアップしてて、攻めの塚原が気の毒になるほど振り回されている様子が楽しいSSです。

相変わらず仕事に明け暮れている二人だけど、ひょっこり突然暇が出来た夜。
滅多にない時間が出来たというのに、本名はとっとと帰ろうとするんです。

「有り得ない!!」と憤慨する塚原をよそに、そんな事言われても約束もしてないし、誘われてもいなかったし、責められ…

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