沙野風結子さんのレビュー一覧

幼馴染み~荊の部屋~ 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

いびつなのに甘い関係

幼馴染み同士でご近所さんなのに、10年ぶりの再会ものなのです。
それも出会いは小学4年生で、小学生の出会いにしてはかなりシリアス。
受けになる舟の家族は実父の不貞で既に崩壊し、母親はそのせいで
少し精神的に病んでいて異常な行動をすることになり舟にとっては
安らげる居場所がどこにもない状態なんです。

粘着質で執着具合が重い舟の母親と気が向いた時にだけ帰ってくる
無責任な父親とのことで…

10

獣の妻乞い 小説

沙野風結子  実相寺紫子 

ひたすら飛月が可哀想で切ない

高評価の作品なので、心苦しいのですが、うちには犬がいるもので、こういうお話はやっぱりダメでした。
悲しいとか泣いちゃうとかではないのですが、気持ちが激しく上下すると言いますか。


受けの尚季は幼い頃に母を亡くし、高校生となった今は父が海外赴任で一人暮らし。

攻めの飛月は尚季にまとわりつく不思議で一途な青年。


父親が仕事で留守がちだった子供時代。
そんな尚季の淋しい心を救…

1

幼馴染み~荊の部屋~ 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

名前のない関係

「幼馴染み」なんて甘酸っぱい言葉が似合わない歪な関係。
小学五年から29歳までの関係を追った作品ですが、
自分は彼の「友達」ではなく「愛人」だと
苦悩しながら過ごす青春の何と暗く閉鎖的なことか。


主人公の舟は、母の葬儀で幼馴染みの能登と十年ぶりに再会。
能登との出会いは小学五年のとき。
学校では話しかけてこないのに、家には頻繁に訪ねてくる能登。
女の子と付き合い、舟より気の合…

13

幼馴染み~荊の部屋~ 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

終盤までもやもや

「萌え」という感覚ではないものの、話としては面白かった。
ほぼ終盤まで攻めの心情がいまいち明確に表現されていないので、
その間ずっとモヤモヤ、イラっが続きました。
受けに対する言動だけでなく、私生活、交友関係全般において。
歯痒いという表現すら当て嵌まらない。靄がかかった様に
攻めの思考は明確に表現されません。

受けは攻めの言動に悩み苦しみます。
攻めが恋人を作り、別れてしまえば…

7

つる草の封淫 小説

沙野風結子  朝南かつみ 

隠密とか忍者とか陰謀とか

甘さ皆無。
妖術や怪しげな薬とかはあまり読むことのないものでしたが、沙野風結子ということで手に取ってみました。
葛と指南役の珀が、この後どうなっていくのか不思議な関係でした。
さすが沙野先生なだけあってよくできてるし文章も読ませるけれど設定や内容になじめませんでした。
でも朝南先生の絵はとっても素敵です。
内容は大好きってほどではありませんでしたがイラストは大変よかったです。
続編があ…

2

秘恋は咎に濡れ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

痛かったり甘かったりエロかったり…

沙野風結子らしい濡れ場が多くて楽しめました。
入れ歯ぷれいには萌えは感じられませんでしたが、引くってほどでもありません。
痛いシーンもありましたが、四堂の愛や嫉妬が感じられて良かったです。

2

幼馴染み~荊の部屋~ 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

いびつな関係

出会ったのは小学四年生。自分を傷つけたところ、攻に見られて、お守り袋に入ったカッターの芯を取られた。それを取り戻すためにびくびくしながら仕方なく中学と高校も一緒にいる。受にとって攻の存在が落ち着く場所。攻に捨てられたくないから自分から離れて北海道大学に進学した。10年後、受の母の葬儀に再開した。

ストーリーは受の視点で進む。攻の視点を読めるのはコミコミスタジオさんのSS。攻は受の小学校に転校…

1

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「従者にあらず」・「くろねこ屋歳時記」番外編

プラチナ文庫&CannaComics応募者サービス小冊子「ANNIVERSARY BOX」です。小説11編、漫画19編を収録。そのうち、本編既読の『従者にあらず』と『くろねこ屋歳時記』の番外編を読みました。

【小説】『従者にあらず』番外編「魔法使いと小さな呪い」椹野道流
疫病の流行から半年後。パン屋のホルガ―と魔法使いのロテールは毎日のように夕食を共にしています。しかし今日のロテールの様子…

3

吉原艶情 小説

沙野風結子  北上れん 

閉ざされた時代を照らす火

ちるちるで評価が低いので、興味があったものの購入を迷っていました。しかし読み終わった後は思い切って買って良かったと思える本でした。沙野風結子先生の本を読むのは初めてでしたが、楽しめました。

時は昭和初期。外国を排除する国粋主義の時代。特高警察の桐守青一郎は反国家の思想犯たちが頻繁に出入りする吉原地区の担当になります。友人の政治家・三田村徳重とともに吉原を訪れた日、桐守は大見世〈鳴葉楼〉の売れ…

3

秘恋は咎に濡れ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

美麗な文章と挿絵で読ませる王道エロス

主人公の椋一(りょういち)は、三世議員・藤末彰良(あきら)の政策秘書。
幼いころ両親を亡くし藤末家の居候として育った椋一にとって、彰良は恩義ある藤末家の人間、かつひそかに想い続けている存在でもあります。そのせいで、彰良に政治の具として蹂躙されながらも、彼に逆らうことができず、むしろ献身的に尽くそうとします。
一方、藤末と同じく代議士で、藤末と政策問題で対立する四堂匡鷹は、椋一に興味を持ち始め……

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