沙野風結子さんのレビュー一覧

神の囲い人 小説

沙野風結子  梨とりこ 

オムニバスであり、一つの物語でもある

ガイゼル帝国に制圧されていくラカン神国ーーその混沌の数ヶ月間を3組のカップルの視点から描いています。オムニバスであり、一つの物語でもある、なんとも不思議で爽快な作品でした。お話も然ることながらアイディアが素晴らしいと思います。

そして、色々なキーワードに「重くて暗いお話なのでは…」と躊躇している皆さんにお伝えしたい!重い・暗い場面も一部確かにありますが、それだけではないので、安心して萌えるつ…

2

幼馴染み~荊の部屋~ 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

過去編は良かった

過去編は★4、現代編は★2、中間をとって評価は「萌」です。

雨音が聞こえてきそうなしっとりとした雰囲気の中で二人の過去の確執を予感させる導入部から、二人が幼馴染としては少し歪な関係ながらもすぐ傍で過ごしてきた七年間の月日が淡々と描かれていて、惹き込まれました。舟視点で物語が進むため能登の心情は言動からしか窺い知れないのですが、それがまた切なく、不器用な舟がもどかしいほどでした。

それが…

3

処女執事~the virgin-butler~ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

執事モノ大好き

読み始めは、アンドロイドや人造人間的なストーリーに抵抗がある私には「うーん…」だったものの、話が進むにつれて引き込まれました。
遺伝子に組み込まれた主人に対する忠誠心、それ以外に何もなかった己裕がサイによって人間としての感情を取り戻し、愛する心や、嫉妬する心、軽蔑する心、それから欲望なんかをさらけ出していく様は感慨深いものがありました。
また笠井あゆみさんの絵がとても美しく、特に表紙のインパク…

4

獣の月隠り 小説

沙野風結子  実相寺紫子 

睦月はもっと甘やかされるといいよ

新書版既読でSS目当てで購入。
本編はあまり手を入れていないとのことでしたが、再読のせいかそれぞれのエピソードがより鮮明に感じられました。
書き下ろしは「獣のおとぎ話」(月貴×睦月)9Pでした。

たった9Pでしたが、堕ちた睦月が再び人の姿を取り戻したその後のお話。もちろんラブラブなので、わかってはいたけれどほっとしました。一度睦月が人の姿を失ったことで、月貴が自分の気持ちに素直になってい…

4

処女執事~the virgin-butler~ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

ロマンチックでした

こちらを店舗で購入してお金払った後、息を長く吐いてしまいました。
表紙が過激で…
しかし内容は私の好きなSFチックな特殊設定の内容でした。
それから、まさしく純愛です。
一気に読了して、設定の世界観を余すことなく堪能しました!
己裕はストイックな執事でひたすら二条につかえていたのに
サイに横取りされてしまいます。
横暴なサイに翻弄されるうちに
本当の自分を取り戻す・・

サイの…

7

視淫に溺れる 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

内容もさることながらイラストが神!!

面白かったです!!
視線を合わせると人を意のままに出来る「天人」の能力を有する受けと、その能力が通じない攻め。
受けが性に奔放なのがあまり好みではなかったのですが、そんな能力を得てしまったら他人に対して無関心というか無感動にもなってしまいますよね。
後半は力を持つが故の孤独感がヒシヒシと伝わってきました。
対する攻めは一直線で力でゴリゴリいくタイプですが、反発から好きに変わって懐柔されてく…

3

輝血様と巫女 小説

沙野風結子  高階佑 

おおっっ!!そういうルーツだったのか!!

海神さまをもてなす為に輝血様、巫女様を奉るという習慣を持つ小さな島を舞台にした因習もの。
ぶっちゃけ、これを読んでいる最中は「う~ん、これは趣味じゃないな…」となるはずだった。

まず、いきなり男巫女となった水哉(受け)の性格だが、前代巫女の役目を終えた姉に対してのコンプレックスが強すぎ!!
戒滋(攻め)の事を密かに恋い焦がれている一方で、自分が女だったら…なんてくよくよ悩みだすので、読ん…

3

視淫に溺れる 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

静寂に轟く雨音

邸宅の雨は、この作品で印象的なシーンだと感じています。
彼らの心に、自身の想いが染み渡る、また互いの想いが共鳴する場面を印象付けられていると感じました。
このシーンは短いですが、回想として用いらていることから、印象に残るのかもしれません。

特殊能力者とその能力が効かない者、という馴染みのある設定のカップルではありますが、惹かれた背景も説明されていて、成る程という感じ。
ライバルの設定も…

4

つる草の封淫 小説

沙野風結子  朝南かつみ 

めくるめくエロスの世界

もの凄く熱い感想書いたのに、全部消えてしまい心が折れたので色々省いてお送りします。

表紙買いです。
正直そんなに期待していなかったというか、タイトルからしてただのエロエロ中身無し系かなと思ってたんですが土下座して謝りたい気分でした。
エロじゃなくてエロスでした。
好き嫌いは激しく分かれると思いますが、私は大好きです。

江戸時代に忍者だとか特殊能力だとか、なんちゃって戦国風になんち…

5

視淫に溺れる 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

サイキックファンタジー

他人の精神を操作する能力を持つ、弁護士の受け。能力を使って目撃者や被疑者の記憶を探るため、裁判は敵なしで百戦百勝だった。
その受けと裁判で闘い、煮え湯を飲まされている強面の検事・西賀(攻め)は、あまりの戦績の不自然さに受けの不正を疑い、絡んでくるようになる。しつこさに負けて交流を持ち、ある事情から攻めの精神を探ることになったが、なぜか攻めには能力が通じず、それどころか性交渉を持つ事態に。
身体…

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