沙野風結子さんのレビュー一覧

隠し神の輿入れ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

世界にはお互いしかいないふたり

幼い頃に神隠しに遭い、異界を長く経験した人間は、もとの世界に戻っても違和感と疎外感を抱き続けるらしい。依冶のベースにあるのは、ここは本当の自分の居場所ではない、という感覚。
そこへ昔、自分を連れ去った山の神、藍染が現れたために、依冶は二度と失いたくないという一心で、身も心も全て捧げてしまうような状態に。

藍染も神様というわりに決して万能ではなく、人々の生活が豊かになった代わりに、信仰心も失…

1

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

年上のムッツリ攻めが敬語で眼鏡、しかも執事

予知夢を現実にする力を持つ一族の暁と、その力を操る一族の伊織の、歳の差愛の物語。歳の差にも萌えたけど、主従愛でもある。大好物な設定がてんこ盛りで、もうどうしよう。

前半部分は能力の設定を理解するのに、ちょっと戸惑ってしまった。まだ受けが少年だった頃から、アレコレ致しているのは萌えるのだが、この特殊能力が微妙にそれを阻む。
伊織を好きな自覚がある暁は、彼を自分が夢で操ってそうさせているのだと…

3

チェンジリング~妖精は禁断の実を冥王に捧げる~ 小説

沙野風結子  奈良千春 

BL的な観点で言えば初恋拗らせがめっちゃ萌えました////

表紙に一目惚れして購入したものの、
世界観が難しそうだなぁと…と積んでしまったのですが
BLアワードにノミネートされていたので開いてみました。

「チェンジリング」も「ケルト神話」も知らない私でも
わかりやすく展開されていてとっても面白かったです!

詳しい内容は素敵なレビューが沢山あがってますので
ファンタジー慣れしてない無知な視点で感想を。。。


さて。メインになる2人…

6

視淫に溺れる 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

これは受けがTバックを履いているのが悪い

一風変わった検事×弁護士。サイキックもの。
冒頭、勝ち確だと思っていた裁判をひっくり返され、証人に偽証させただろうと食ってかかる西賀は、弁護人の灯に激しい怒りを抱いている。おっ、これはケンカップルだな?とワクワクして読み始めたんだけど、結構あっさり懐柔されてしまう攻めに、ちょっと拍子抜け。
実は灯は天人と呼ばれる不思議な一族に生まれ、人の気持ちを操作する力を持っている。ただし、西賀が灯にオチた…

11

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

このセックスは夢ですか?現実ですか?

予知夢が現実化してしまう特殊能力を持つ伏見一家に生まれた暁。
8歳からは世話係兼夢の調教師であり14歳年上の久城伊織と過ごすようになった。
信頼が恋心へ変わる頃、二人は夢か現実かもわからぬ中でのセックスを重ねるようになった。
しかしある日、伊織の優しさは全て久城家で暁の能力を利用するために計画された手段でしかなかったことを知る。
裏切りに絶望し暁は伏見の家を捨てて失踪する。
だが5年後の…

6

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

複雑テーマもロジカル展開でさくさく読める

意外や意外、拗れているのに読みやすい!
沙野風結子作品の中でもお気に入りの一つになりました。

タイトルそのまま兄弟ものです。
スタントマンの弟・要斗は、医師である兄・總一郎に思いを寄せている。
怪我をすれば心配してくれるが、それはあくまで弟として。
そこに俳優の式見が現れ、要斗の兄への思いを見抜かれてしまう。
弱みを握られ式見と交際を始めた要斗だったが…

登場人物たちの心情や…

4

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

強い関係

先生買い。シリアス話はあんまり盛り上がれないかなと思ってたら最後の方で泣きそうになったので萌2にしました。受け兄が気になるので、スピンオフが出ると嬉しいです。本編260Pほど+あとがき。

5年間、短い期間での引越しを繰り返し何とか逃げてきた暁(あきら)。その日も朝に予兆があったので夜には引っ越さなければと思っていたのに、バイクで転倒。目覚めると8歳の頃から育ててくれた伊織が側に控えていて、5…

5

青の淫影 小説

沙野風結子  天城れの 

ヤンデレガチ兄弟

2005年の作品。愛人の子の弟と、正妻の子の兄の腹違いガチ兄弟モノ。兄攻め。
二人は弟が10才の時に初めて出会い、実の弟とは知らなかったらしい兄が、弟に手を出してしまう。それから6年経って再会し、一緒に暮らすことになるのだが、弟には中学のときからつき合いのある教師がいた。それを知ると、兄は弟への執着がいっそう強くなり…。

兄の方が兄弟だと知らずに恋い焦がれてたという設定で、ガンガンいくのに…

2

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

これ、親子ものですよね?違う?

沙野さんの新作は『予知夢を操作して現実を変える能力を持つ一族』と『その能力を最大限引き出すことの出来る一族』が関わるお話。
この2つの家が日本の政財界を大きく動かして来たという設定なんですけれども、相変わらず虚構を現実に引き寄せるのがお上手。
例えばですね、155pに下記のような文章があるのです。
『雰囲気というものは曖昧なようでいて、時代を作っていく基盤でもある』
「まさに!」ですよ。

4

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

深い愛情ゆえにこじれる二人に萌えと切なさが滾る

作家買い。

沙野さんの新刊はファンタジーもの。
沙野さんらしい、と言っていいでしょう。「リアル」「と「ファンタジー」の境目が非常に曖昧。実は現実でもこういうことがあるんじゃないのかな…?と思わせる設定、そして文章力。あっぱれとしか言いようがない。




主人公は伏見暁。
夢を見ることで、それを現実にすることができるという「夢生み」と呼ばれる特殊な能力を持っている青年。
彼の…

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