冬木真魚さんのレビュー一覧

Platinum 小説

冬木真魚 

「一つあれば、十分。――本当に大切なものって、一つだけでいいんだよ。たくさん持ってたら、大変だろ?」

最初はお互い都合のいい関係でいただけなのに、少しずつ染み込むように感情が変化していく様子がとても好きです。
なぜか無意識に指輪を眺めてしまう葵。出世のための結婚を割り切っているはずなのに葵のことがよぎる直人。
大切なものは一つだけで、代わりなんていらないという葵の言葉は今までのことを思うと本当に感情を持っていかれます。
冬木先生の場面の見せ方と言いますか、決め手のシーンはそこに行き着くまでの…

0

fragile 小説

冬木真魚 

「そうして、いつか命が尽きるとき、最後に口にするのは、——君の名前。」

持っている側が持っていない側に全て差し出そうとして置いていかれちゃうんですよね。
普通であったら交わらなそうたふたりが惹かれあって行く様子が幼さもあって危うくて。離れてもふたりともずっと忘れられなくて。
脆くて壊れやすかった恋心がしっかりと根を張った強い想いに成長していく様子から別れていた時間きっとふたりには必要な時間だったんだなと思えます。柿本さん目線の話が最後にあるのも良いんですね。

0

きれい。 小説

冬木真魚 

『綺麗』に、基準や定義なんてない。

この作品、私の中では読み返すのが他作品に比べて気合いがいるなと思います。(不眠症のいばら姫もですが)
それは冬木先生がそれだけ丁寧にこのテーマを扱い書かれているからなのかなと思っております。
冬木先生作品は心理描写が本当に丁寧なんです。
少しずつ心を通わせる剛毅と村野。剛毅とお姉さんの過去。人を愛することで生まれた悩み。トラウマとの向き合い方。切なくて、でも読み終わると心があたたかく感じます…

0

Seventeen years later.: Reset 続編 小説

冬木真魚 

「神様の首根っこ掴んで待ってるから。」

Resetの続編、読むことができてとても嬉しいです。
卒業後のふたりの話。
今度こそ何があってもふたりでいることを諦めない、強い決意がありました。
隠すことなく真正面に親御さんと向き合う優悟。
周りからどんな風に思われてもそばにいてくれたらそれでいいと……。
未来を語り合うふたりがとても眩しいです。
そして、晴日の見送りたいという気持ちが本当に前に進めているんだと、このふたりなら絶対に…

0

Reset 小説

冬木真魚  青城硝子 

変わらない気持ちと想いがあるなら、いつか必ず道は重なる

幼馴染みの恋人同士の留加と優悟。
わがままで嫉妬がちの留加と優等生で周りの目を気にしていた優悟があの日あのタイミングですれ違ってしまってからまた始まる、そんなお話。

あの時こうしていれば、お互いそんな後悔を悩みながら乗り越えるまでは切なくて苦しくて…でもハッピーエンドで安心しました。
これから新たな二人の関係が始まるんだなと思えるラストでとても良かったです。

こちらの作品、ネタバレ…

0

Platinum 小説

冬木真魚 

切なさたっぷり甘々たっぷり

切なさをたっぷり味わえる表題作と、甘々たっぷりのその後のお話。最後の二人は交際歴九年のカップルになっており、これからもきっと大丈夫と安心できる雰囲気で、幸せな気持ちで読み終えることができた。

冒頭一言目から、とても辛い始まり。そしてわざと泥酔した葵は、真夜中の冬の河原で意識を手放す。そんな葵を拾って持って帰ったのが梶原という、運命なんだか気まぐれなんだか分からない出会い。で、なし崩し的に同居…

1

gift 小説

冬木真魚 

忍耐力を試されているような

千尋と並木、すでに六年付き合っている二人のお話。両視点で、並木視点では浮気二股に至る様子が描かれる。千尋視点から始まり、千尋に感情移入しやすい構成なので、並木視点は忍耐力を試される読書になるかも。結末が気になりすぎて読むのを止められなかった。

千尋はBLだと健気受けといわれそうなキャラ。多くを望まず、常に先回りして並木の希望を叶え、従属的で都合の良い彼氏になっている。そうした性格に育つ背景ま…

2

fragile 小説

冬木真魚 

お互いに一途すぎる二人

駆け落ち・身分差・再会などなどの萌え要素が盛り込まれ、少々の懐かしさも味わいながら楽しめる作品。序盤の展開が微妙に感じたが、そこだけスルーすれば以降の展開は全部好き。ラブラブな後日談や、脇役視点のおまけもとても良かった。

住む世界が違う、と言われてしまった二人がメイン。瑞穂は大企業の跡取り息子で、まだまだ親の庇護下にいる高校生。航平はアル中母のネグレクトの末、自活している。なんとかして航平に…

1

きれい。 小説

冬木真魚 

高校生とは思えない溺愛彼氏

姉の彼氏に強姦された過去を持つ主人公が、恋人ができてから自身のトラウマに気付き、克服していくお話。剛毅の彼氏村野の見えない熱さと奮闘も良かったし、友人たちの温かみもとても良かった。

容姿端麗な剛毅は、幼いころから変質者に狙われながら生きてきた。そうした視線には慣れていると言い、かつて強姦された記憶も、自分の中では忘れたものだと思っていた。人見知りで、友人付き合いは狭く深くなタイプ。

村…

1

Seventeen years later.: Reset 続編 小説

冬木真魚 

本編の余韻に浸れる続編

「Reset」本編直後のお話で、優梧が三崎の両親に交際の許可をもらうあれやこれや。宣言通り、三崎が卒業してすぐの4月1日に三崎家を訪れた優梧は、母親にブチ切れられる。終始ドタバタした雰囲気の中、確かな温かみを感じられて良かった。

交際の報告だけでなく、いきなり同棲まで切り出した優梧にブチ切れるのは、三崎の親としては当然かと思う。卒業後に付き合い始めたはずの17歳上の元担任教師が、激重感情をぶ…

0
PAGE TOP