紺野けい子さんのレビュー一覧

恋愛の条件 小説

金田えびな  紺野けい子 

愛が足りない

 予備校教師の浅倉は、教え子である篠原と付き合っていた。
 彼を組み敷き、屈辱と快感が混ざり合った表情を見ることで、自分の欲望を吐き出していた。
 篠原は、浅倉によって開発され、他の男を知らないせいもあってか、浅倉の思うがままに喘がされていた。

 そんな篠原を愛しく思う一方で、浅倉は「自分が喘がされる立場になるなんて考えられない」と胸のうちでは考えていた。

 ところがある日、浅倉は…

0

つめたい花 小説

榊花月  紺野けい子 

会話の軽快さと過去の重さの対比は面白い

近未来じゃないのに近未来的な感覚を呼び起こす不思議な作品でした。

テーマ的に非常に重いのに、少年二人のナンセンスな会話を書き連ねることで、
軽薄さといえるほどのライト感を持たせています。
しかし、一方でときどき古典的語彙が混じってくる。
ちょっとしたカオスを感じる作風です。
その極端な対比はアンソニー・バージェスの「時計じかけのオレンジ」を彷彿とさせ、
へんな未来感さえ感じます。

2

放蕩長屋の猫 小説

榎田尤利  紺野けい子 

こんな男とは 別れてしまえ!!

腹立ちました。
怒り新党ですよ!!怒!!
有吉クンとマツコに話を聞いてもらわないといけません。
夏目ちゃん お手紙読んでください!!
おっとっと!話ずれてるよ!
話 戻します。
攻めが ダメ男。
どうしようもないグズ。
女と浮気は当たり前。
なんで?こんなグズを受けは好きなのだ??
私ならスパーンと勢いつけて別れますけど。
受けは優しいから許してしまうのです。
ダメな男ほど…

4

あなたの花になりたい 小説

高岡ミズミ  紺野けい子 

追い詰められる先生編

シリーズ3作目の完結編は教師と生徒、それも16歳差だから出会いがなんと
受け様が小学生の時になります。
初めてのキスが中1で、受け様から隙をつく一瞬の出来事でなんです。
今まで小学生で、毎日中学生になっても母校へ遊びに来ている受け様なのですが、
先生だって懐かれれば嫌な気はしない、でも相手が幼いなりに本気だったら・・・
教職の身であり、諭さなければならない教師が、情熱だけで真っ直ぐに向け…

0

あなたの花になりたい 小説

高岡ミズミ  紺野けい子 

16歳の年の差も中学1年とだとちょい驚愕

旧版に新たに書き下ろし【それぞれの花~前島&金田】を加えた新装版。
この本自体が【夜ごとの花】と【花のように愛は降る】のSS番外編で構成されているものなので、正直、前作2冊を読んでいないと意味のない本かもしれません。

表題になっているカプは、【夜ごとの花】の主人公・吹雪を好きだった同僚の小学校教師・前島と、吹雪の教え子で母親と義父のセックスを見てしまいショックを受けていた金田という生徒の組…

4

猫はいつでも甘やかされる 小説

榎田尤利  紺野けい子 

萌えって難しい

身を引いた春彦が、幸せになれたスピンオフですが、これがまたねぇ…なんというか……。
春彦は以前にも増して良い男なのですよ。短髪に着流しで粋で色気があって大人で繊細で男前で自制心があって…褒めるとこいっぱいあってキリがないです。
そんな春は地元の商業高校の特別講師をしていて、そこに英会話の特別講師として、金髪碧眼の美しいハーフのシュウが赴任してきます。
大人手前の仔猫のようなシュウ。日本…

1

放蕩長屋の猫 小説

榎田尤利  紺野けい子 

どうしても許せない!

下町の「放蕩長屋」と呼ばれる古い家屋に一緒に暮らす、イラストレーターのまひろとサラリーマンの遊真。
失恋したての遊真はまひろに一目惚れし、口説き倒して付き合うようになって早3年半。
自分から猛アタックしたくせに、バイの遊真はまひろに隠れて女の子をしょちゅうつまみ食いしているのですよ。
優しくて面倒見がよい菩薩のようなまひろに甘えて、やりたい放題。会社の後輩の女の子を口説いてクリスマスイ…

5

純情な恋人 小説

成宮ゆり  紺野けい子 

一途なのに傲慢??

「恋愛なんて面倒」
 で、適当に遊んでいる大学生の春樹。
 彼は過去の苦い経験から、本気で恋をしないことを信条としていた。
 男でも女でもとっかえひっかえ。決して自分に対して本気にならない人間を選んで付き合っていたつもりだったのだが。
 あろうことか、付き合っていた男に監禁され、慌てて逃げ出す。
 けれど、実家に帰りたくない春樹には他に行く場所もなく、おまけに雨まで降り出して、仕方なく公…

1

花のように愛は降る 小説

高岡ミズミ  紺野けい子 

傷ついた心を甘やかすナイスミドル

前作の「夜ごとの花」の続編で前作の受け様の兄が受け様として登場してるお話。
前作で、彼を弟に取られた感じになって、失恋してしまった受け様。
シリアスで切ない傾向のお話でしたが、今作は切なさに攻め様からの甘い愛情を
目一杯感じさせてくれる年上の攻め様の懐の大きさを感じさせるストーリーになってます

弟と元カレの事がどうしても許せなかった受け様は、二人を酷い言葉で傷つけ
その事が更に自分を…

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花のように愛は降る 小説

高岡ミズミ  紺野けい子 

攻め様の力量ありき

03年リーフの旧版に、新しく書下ろしの短編「チョコレート」とリーフの冊子に入っていた短編「それぞれの花」を入れた新装版。
『夜ごとの花』の続編にあたり、その話とリンクしています。
恋人が本当は過去に弟との関係があり、まだ互いに気持ちを残したままなのを知り弟と恋人を責め、激しく傷付いた兄の話となります。
弟編のお話を読んでいた方がよくもありますが、これを読んで弟編では何があったのか興味を持てば…

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