つめたい花

つめたい花
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×20
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
25
評価数
7
平均
3.7 / 5
神率
42.9%
著者
榊花月 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
紺野けい子 
媒体
小説
出版社
成美堂出版
レーベル
クリスタル文庫
シリーズ
つめたい花
発売日
価格
¥476(税抜)  
ISBN
9784415088853

あらすじ

その人と出会うまで、弘毅は自分の居場所がわからず夜の街で投げやりに生きてきた。
家族から虐待を受けたせいで感情を喪い、気に入らないと狂犬と恐れられるほどにあばれ…けれど恩田の雰囲気の心地よさに触れて初めて恋を知った。
玉砕が怖くて身動きがとれない弘毅だが…小心者同士のヒーリング・ラブ。

表題作つめたい花

恩田(養護教諭)
弘毅

レビュー投稿数4

うまい!!

最後まで一気によんでしまいました(≧▽≦)
榊センセイお上手!

弘毅は、幼少期から兄と父に肉体的暴力と性的虐待を受けて育ったんです。そのために、感情がなくなってしまった。
リストカットも数知れず。
母親が気づき、病院入院の上、親戚に預けられて落ち着いたものの、一人暮らしを始めてからの、セックス依存は激しかった。
そんな弘毅が今恋をしている。こんなに気持ちを揺さぶられることもない。
いつも優しくて気をつかってくれる人。
けれどそれは実らない恋なのだと……


性的虐待、暴力、感情欠落。
背景はちょっと暗めに描かれておりますが、今回ホントにピュアに恋する青少年なお話。
恋に悩む少年はいいね(^-^)
いいと言えば恩田さんの性格も良い。
優しくて温和。めんどくさがりや。
誰にでも優しくて…という表面的な弘毅からの印象。
実は、案外これがうまい作用してて面白い。
弘毅視点で描かれているからこそかなと面白います。
脈なんて無いよ~と切なくする弘毅の反面、あれ?これ…脈ありじゃね?って想わせてくれるバランスが良い。
あからさま過ぎないナチュラルさがいいのですww

途中の変態オジサンもいい味だしてました。エロ濃くてナイス


激白から~のシーン
これまでとことん穏やかだった恩田が怒り狂うシーン
ラストとの絡み
うまwwす

最初ヤンキーもの?
と思って読みましたがピュアボーイ今日和でした
「真夜中の匂い」という作品のサイドストーリーのようですね。
あとがきまで読んでから気づく真実
単品でも十分たのしめる作品だと思います。機会あればぜひ

2

「真夜中の匂い」で、続きが気になっていた

ヒロキとオンちゃんのお話です。

子どもの頃の虐待のせいで、感情を失っていたヒロキが、
恩田の優しさに触れ、
恩田に恋して
ピュアな心を取り戻していく。

そんな、ピュアラブなストーリーです。

恋するヒロキが、どんどん感情を取り戻して、どんどん臆病になっていく。
なんて、かわいくて、甘酸っぱい。

でも、かわいいばかりじゃない。
恩田への思いに行き詰まってしまったヒロキは、クラブで出会った危険オーラ満載の顔に傷持つ男、芸能プロの社長・鷹羽の待つホテルへ行ってしまいます。
鷹羽は、意外な性癖の持ち主で、このエロシーンが、「甘い」。

結局は、この、「鷹羽に抱かれたこと」が決め手になって、ようやく、ヒロキと恩田は結ばれて、ハッピーエンドを迎えます。

作者の榊さん、特に意識してご本を読んだことがなかったのですが、なかなかスカシっていうか、ハズシの入った展開で、設定と展開のギャップがおもしろいです。
こういうのも、ギャップ萌っていうんでしょうかね。

2

会話の軽快さと過去の重さの対比は面白い

近未来じゃないのに近未来的な感覚を呼び起こす不思議な作品でした。

テーマ的に非常に重いのに、少年二人のナンセンスな会話を書き連ねることで、
軽薄さといえるほどのライト感を持たせています。
しかし、一方でときどき古典的語彙が混じってくる。
ちょっとしたカオスを感じる作風です。
その極端な対比はアンソニー・バージェスの「時計じかけのオレンジ」を彷彿とさせ、
へんな未来感さえ感じます。
家族に虐待、性的虐待を受け、自らの存在理由を実感できなくなった少年・弘毅は夜の街をさまよいながら、男女かまわずのセックスやリストカットを繰り返す――典型的な境界性人格障害なんですが、ひょんなことから養護教諭・恩田と出会い、彼の飄々とした温かさに恋心を覚える。

残虐で感情のかけらもない行為がまるでジョークのように語られていくわけですが、
嘘くさい世界の中で、恩田の温かさや優しさを求めている弘毅がかわいらしくも美しくも見えます。

一方で、やけくそに芸能プロダクション社長に金で買われてしまうあたりは、
性的虐待経験者にありがちな「自己喪失感」があって、なまなましくイタイ。

唯一、いただけないのは弘毅が恩田を誘い受けするような形でセックスに至る点で、
自分自身をキタナイ「モノ」としてしか見られない弘毅がああも大胆になれるとは思えませんが、それ以外は軽さ・重さの対比が非常にいい。
欲を言えば、感情を失ってしまった少年がどう心動かされていくのかのプロセスをじっくり追っていきたかった。少々、ダイジェスト的な運びが残念。

2

失速感…

『真夜中の匂い』のスピンオフ。

未明の学校外のお友達、弘毅(漢字表記はこれなのね)のお話です。

前作に登場した際のヒロキのイメージは、人を人とは思わない、冷めた狂犬。未明のピンチを毎回救ってくれる影の立役者みたいな感じでした。お話の最後の方で、未明が執着していた棚橋の友人でもある保健室の先生「オンちゃん」に惹かれていくんです。

中卒でもうすぐ18歳になるヒロキは子供の頃に壮絶な虐待を受けていて、PTSDのために自傷行為を繰り返して入院していた背景があります。未明きっかけで知り合った恩田の優しさに触れて死んでいた心が少しずつ息を吹き返していき、自分には恩田に恋をする資格がないと卑下して落ち込みながらも、もし恋人になれたらと期待する様子が恋するオトメなのです。

恩田は誰にでも優しく接する配慮に長けた人物ではあるけれども、実はプライベートなことを詮索されるのがめんどくさいから予防線を張っているふしもある。しかもそういう自分をわきまえていて、おおらかに受け入れているから、他人のことも否定しません。未明やヒロキに敬語を使うところとか、自分からは電話やメールを絶対にしない大人としての節度とか、恩田がキャラ的にはオレ様じゃない方のタイプだったので期待値が上がりまして。

初っ端からヒロキが急に乙女キャラに変貌した時点でなんともいえない気持ちになったんですが、すぐに片思いのキュンキュンモードに気分を切り替えて、オンちゃんがどんなふうにヒロキを翻弄してくれるのかワクワクしていたんですけれども。

え?なにそのオチ〜!っていう悲しみ…

もっと焦らして欲しかったなぁ。ページ残数の感触で薄々感じてはいたけどさ…。

ヒロキ、なんでいつもヒマで夜遊びしてるんだろうと謎だったんですけど、その辺もキャラの魅力度が更に降下した要因。

それと…スピン元の未明があんまり刺さらない受けだったとはいえ、本作で嫌いになりました笑

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