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今市子
むつこ
素晴らしい作品でした。 家族モノです。といっても普通の家族じゃなくて、施設で育った男の子が、ずっと自分を援助してくれてた五人の「あしながおじさん」たちを探す、というお話。 作風としては、『大人の問題』に似てると思う。 たくさんの登場人物が、それぞれに一生懸命生きてます。人を愛して、人を傷つけて。 コミカルなんだけど、じんわり胸があたたかくなって、きゅーんと切なくなりました。 今市子作品にはよくあ…
老舗高級味噌屋の若旦那と、吉原でタイコモチとして働く与三郎のお話、二巻目。 どっちも人間らしい弱さも強さもずるさも可愛げもあるキャラで、つくづく今市子さんのキャラ造形が好きだなァと思わされます。 連作短編集で、短編ごとに違うゲストが登場し、その人たちのドラマが濃縮されたストーリーで語られる。 ホラーなので、必ず幽霊(アヤカシ)も登場します。 主役ふたりはキス止まりで、毎回くっつきそうでくっつかない…
藤棚
花街を舞台に、あやかしと人間の欲が引き起こす不思議な事件に、 いつもいつも巻き込まれる若旦那と与三郎。そんな二人の仲は?! 1巻よりも積極的に迫る若旦那に、満更でもない様子の与三郎。 しかし、なかなか二人の仲は、進展しそうでそうでもない。 思わせぶりな態度を取るけれど、ハッキリしない与三郎。 与三郎からのサインを、あっさり見逃す若旦那。 デキてしまいそうで、デキない。この寸止め…
連作短編集。 エロ無しです。でも、それがイイ。 攻めは味噌屋の若旦那。 受けは吉原遊廓でタイコモチの仕事をしてる男。 タイコモチに惚れた若旦那は、吉原に通うたびにタイコモチを呼び出してはお酒を飲み、口説き。タイコモチはそれを交わして…。 この二人の掛け合いが妙におかしくって萌えました。 メインストーリーは短編ごとに変わります。 どの短編も、怨念のある幽霊が登場するシリアスなもので、読み応えがあり…
ついに3巻目となった、鬼塚と吉野の、ほのぼのリーマンラブストーリーです。 今市子さんの漫画を読むと、心の底からジワジワと優しくてあたたかい気分になれます。 大好きです。 今回は、鬼塚の浮気をめぐるいろんな騒動。 酔って、吉野と間違えてエッチしてしまった相手が、弟の恋人だったから大変なことになります。 隠そうと必死になり、嘘に嘘を重ね。 ストレートに告白して頭を下げるほうがカッコイイんだろうけど、…
今市子さんのファンで、作家買いに執念を燃やしてる最中の私なんですが、お世辞にも彼女の絵が好きとは言えません。 最初のころはとくに、イケメン設定であるはずの男の顔がどうしようもなく不細工に見えるときがあって、『これはじっくり見たらダメだ、私の中の萌えが削られる』と顔から目をそらしつつ読んでたりしたんですが。 でも最近変わってきました。 ストーリー萌えしてるうちに、顔の不細工さなんてまったく気にならな…
借金まみれの旅行会社『楽園企画』社長の川江と、サラ金会社に勤める浅田の、コミカルタッチなラブストーリーの二冊目。 なかなか結ばれてくれない二人です。キスで寸止め、お約束のように邪魔が入ります。 ただ、今市子さんの漫画はラブにはあまり重点を置いてないので、恋が進展しなくても楽しく読めました。 家族、ヤクザ、元嫁、愛人etc、人間関係が入り乱れて、くんずほぐれつの大騒動。みんな精一杯たくましく生きてま…
全3巻のシリーズ、感動?のフィナーレです。 寸止めばかりだった主役二人ですが、やっと!やっと結ばれてホッとしました。もっと早く結ばれても良かったような気がするけどw 面白かったです。 ただ、このシリーズは、いままで読んできた今市子さんの作品のなかでは、そんなに好きなシリーズではありませんでした。 元嫁のためにあそこまで色々と尽力するっていうの、最後まで腑に落ちなかったんですよね。 赤字まみれの旅…
短編集です。 今市子さんらしい、どれも心の深い場所に染み渡ってくるお話ばかりでした。 出会って恋してセックスしてやきもちやいて誤解してまたセックスして…みたいなありがちなストーリーに飽き飽きしてる方にオススメです。 表題作の『笑わない人魚』とその続編の『廻遊魚の孤独』が、やはり一番面白かったです。 オジの恋人のことを好きになってしまった男の、長い長い片恋が切ない。 『真夏の城』は、のちに長編漫…
今市子さんの初期短編集です。 箱をテーマにした連作が5つ、読み切りが4つ、合計9つの短編が入ってます。 絵はさすがに古いんですが、どれも何とも言えない味のある魅力的な作品ばかりで、とても面白かったです。 改めて今市子さんの魅力を実感しました。人間の心のヒダをほじくり返すようにして描くのが巧すぎる。 最近の今市子さん作品は切ないストーリーを描いててもどこかコミカルでほのぼのしたタッチなんだけど、こち…