剛しいらさんのレビュー一覧

人のかたち 小説

剛しいら  小笠原宇紀 

明治時代の人形をめぐる話・読み応えアリ

人形を作る側と人形になった側の2カップルの話です。この作者様の作品は、全体的に自分好みで読み応えのある作品が多いのですが、こちらもその一つでした。

丸ごと1冊表題作ですが、4部に分けられています。

「一」
三次(受け・16歳)が主人公です。でも三次の目線だけではありません。
舞台は明治4年の東京。三次は喧嘩っ早くて仕事が続きません。何故か三次に親切な才蔵が、次に紹介してくれたのは、…

4

「猫を愛でる犬」番外編SSペーパー「犬を愛でる猫」 グッズ

SSにも犬猫

「猫を愛でる犬」番外編「犬を愛でる猫」です。B5ペーパーで、裏面には義月粧子様の「からまる嘘と誤解」番外編「恋に生きる男」が印刷されているという贅沢な仕様です。そちらの話は甘いのですが…。

ロバートが男に色気を感じるのは、シャツにネクタイ姿で料理をしている姿を見るとき。ロバートのリクエストに応えるため、東陽はネクタイも解かないまま、キッチンに立って料理をしてくれる。身長も体つきもほとんど変わ…

2

猫を愛でる犬 小説

剛しいら  東野海 

犬と猫の駆け引き

犬を飼っている犬タイプの薬師寺東陽(攻め)と、猫を飼っている猫タイプの神流木・ロバート(受け)の大人な恋の話です。

丸ごと1冊表題作です。
東陽はいやいやながらですが、仕事のパートナーのうえ同居することになった二人。恋の攻略を楽しむロバートは、さっそく東陽に狙いをつけて…という話です。

東陽とロバート、両方の目線でストーリーは進んでいくので、お互い惹かれていく過程や動揺している状態が…

4

薔薇の王国 小説

剛しいら  緒笠原くえん 

散らない薔薇もある

 オスカル様の時代から、気高く咲いて美しく散るのが薔薇のさだめ。でも本作のアーネストは散ることはありません。だって戦わないんだもん。薔薇は薔薇でも、じぶんの身を守るトゲすらもたない薔薇なのです。

 舞台は架空の王国オルランド。オルドマン公爵の嫡子アーネスト(23歳)は国王の従兄弟にして幼い王女ハンナの婚約者でもある。貴族の中でも抜群の毛並みの良さ。それに加えて見事な金髪と澄んだ青い瞳。王国の…

5

見知らぬ男 顔のない男2 小説

剛しいら  北畠あけ乃 

シリーズで一番好き

全3冊シリーズの2冊目。私は一番好きな作品です。

前作「顔のない男」で恋人同士になった二人。飛滝と音彦が知り合うきっかけとなった映画の監督は、その頃すでに飛滝に執着し、音彦を邪魔者扱いしていたのですが…音彦にきたドラマの裏の糸を引いてました。役になりきる飛滝だから、敵役の音彦と、現実の関係でも亀裂を入れさせようともくろんだのですが、飛滝が一枚上手だったという話です。

見事でした。飛滝が…

4

白銀の虜囚 小説

剛しいら  海老原由里 

現在から過去、そして現在へ

丸ごと1冊表題作です。

警視庁の国際窃盗犯担当刑事である前川が、かつての同僚である杉浦を失った3年前を回想するところから物語は始まります。
捜査に来たところが、杉浦はマフィアのトップ・ユアンに気に入られ、死んだことにされて捕らえられてしまいます。
そして3年後、再びロシアを訪れた前川の前に、ユアンの片腕かつ愛人として杉浦が姿を現します。

という内容です。
前川(現在)→杉浦(過去…

1

相棒 小説

剛しいら  石田育絵 

強引な展開にビックリ

1冊丸ごと表題作です。
連続殺人犯を捜査する1か月間で、二人は恋人同士になります。

拓人(受け)にとって、川崎(攻め)は交番勤務の頃からの理想の刑事。ペアを組むことになり、喜びます。川崎の同期・鈴木から、川崎は男子高校生に手を出したという過去を聞かされても、鈴木に憤りは感じても、川崎を避けようとしません。一方、ウォーカーと名乗る少年・歩は連続殺人犯に遭遇していて…。

という内容です。…

3

戀人 小説

剛しいら  石田育絵 

拓人がどんどん男前になっていく

1冊丸ごと表題作です。「相棒」の続編になります。

川崎が抱いてしまった被害者・篤弘の登場に、拓人は動揺します。
継父に性的虐待を受けていた過去がある篤弘。そんな継父の姿を見かけ、篤弘はトラウマに苦しみながらも母親を守ろうとします。それと同時期に川崎の娘が誘拐されます。川崎が容疑者の一人に、篤弘の父親をあげたところから、拓人は篤弘と二人きりで会うことになりますが…。

という内容です。篤…

1

欲望の狼 小説

剛しいら  桜城やや 

シリーズ最終巻にふさわしい

教育取締官・月島竜司シリーズ3冊目、最終巻です。
2006年にプリズム文庫でも発売されています。表紙も同じなので、どちらを購入されても問題はありません。書き下ろしもありません。

月島(攻め)は、教育取締官。人権侵害の内部告発があった泰明山学院に、武道のインストラクター兼整体師として潜入捜査を開始した。生徒を様づけで呼ぶというおかしな現状に憤る中、水無月という新入生が、初事件で恋人になった高…

1

反逆の狼 小説

剛しいら  桜城やや 

シリーズ2冊目!

教育取締官・月島竜司シリーズ2冊目です。
2006年にプリズム文庫でも発売されています。表紙も挿し絵も同じなので、どちらを購入されても問題はありません。シリーズ3冊すべて比較をしているわけではありませんが、書き下ろしもなさそうです。

1冊目「沈黙の狼」と同様、男だらけの2時間刑事ドラマ再び、という感じです。催眠がキーワードになります。

主人公は、教育取締官の月島(攻め)。問題のある教…

2
PAGE TOP