高星麻子さんのレビュー一覧

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

とてもやさしい物語

母親をなくして、中学二年生の有理は父と弟の三人で暮らしていた。
やがて三人は父親の友人である高宮の家に身を寄せることになる。
高宮は彼らをあたたかく迎えてくれた。そして、そこには有理と同じ年の息子、怜人がいた。
無邪気に怜人に懐いた弟をよそに、彼に反感を感じずにいられない有理だったが……

心情で読ませてくれるよいBL。
一人称で昔を懐かしむように語られる物語は優しいです。
中学二年…

5

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

繊細な雰囲気にうっとり

入院生活を続ける儚げで病弱な母親を思いながら、
父親と小さな弟と暮す有理。母親の不在を寂しく感じながらも、
華やかな父親と可愛い弟と過ごす楽しい毎日の描写が心温まります。
親子仲が良くて、貧しいながらも幸せなんですね。
そんな幸せ家族を見ていると、
こちらまでほこほこして癒されるのですが。

母親の病状悪化に伴い、家計が困窮。
切羽詰った父親が子供達を連れて身を寄せたのは、
大学…

5

全寮制櫻林館学院~ロマネスク~ 小説

雪代鞠絵  高星麻子 

あの人が、おグレに!!(でも、こっちの方が好みです)

「全寮制櫻林館学院~ロマネスク~」
ソルトラム2年・羽倉穂高×健気な1年・桜井千聖
今回は「ゴシック」に登場した春実が2年になった代の生徒会長争奪子羊狩りのお話。

新入生の千聖は実は穂高の父親と愛人の間にできた子供で、穂高を追って学院に入学してきた。
ただただ穂高に会いたい一心でここまで来た千聖だったが、穂高は「知らない」と言い千聖を相手にしない。
その様子を見かねた春実が何かと面倒…

3

全寮制櫻林館学院~ルネサンス~ 小説

雪代鞠絵  高星麻子 

犠牲の伴う愛。

「全寮制櫻林館学院~ルネサンス~」
ソルトラム2年自由奔放・奥園蓮×ソルトラム2年冷静沈着?・白伊香月
幼馴染みな2人の物語。
何をするのも自由人な蓮と型にハマりっぱなしというかカタブツな感じの香月。
今回の「子羊」はそんな蓮に想いを寄せている1年の真琴。
蓮は真琴のロザリオを手に入れ、それを使って香月を手に入れることに。
手に入れるといってもそれは恋愛のようなものではなく。
ただ香…

1

全寮制櫻林館学院~ゴシック~ 小説

雪代鞠絵  高星麻子 

負の伝統をどうするか…。

「全寮制櫻林館学院~ゴシック~」
ソルトラム所属3年・朝水志貴×訳あり転校生1年・村生春実
ソルトラムってのはいわゆる各学年10人しかいない成績優秀・眉目秀麗集団で、生徒会と風紀委員を兼ねているようなエリート集団。
その中でもトップスリーに入り、特に異才を放っている志貴。
そんな彼が偶然、礼拝堂で出会ったのが春実。

春実は親戚の和真がこの学院にいるため会うのを楽しみにしていたのだが、…

0

真夜中の学生寮で 小説

桜木知沙子  高星麻子 

サブキャラが気になって・・・

桜木さんは作家買いの作者さんです。
中立評価はちょっと厳しいかと思ったのですが、学生もので、わたしの好みからはずれているのがマズかったです。
永実の怖がり設定にもちょっとばかり無理がある感じだったのでね。
また、嵯峨はカッコイイし、永実は可愛いので、そこはまぁいいんですが、お話の世界観とイラストの雰囲気が私の頭の中でどうにも一致しないし・・・絵を隠しながら読むことになっちゃったし。
空手部…

1

くちびるの封印 小説

うえだ真由  高星麻子 

流れが…

ストーリーの流れが少しだらだらしていた気がします。
恋愛模様より親子の愛情について書かれていたように思います。
攻めも受けも親子関係に苦労していて、お互いにそのことを話した訳じゃないけど雰囲気などから「似た境遇だ」と感じとり、惹かれていきます。
大人びて見える悠紀ですが父親に自分への興味を持ってほしくて悩んでいます。その葛藤が私にはちょっとだらだらしすぎに感じました。特に進展もなかった気がす…

1

くちびるの封印 小説

うえだ真由  高星麻子 

デビュー作の文庫化

絶版となっていた、
うえだ真由さんのデビュー作の文庫化です。
11年前の作品ということで、
文章をちょこちょこ直されたそうですが。
ストーリーは全く変えていないそうです。
11年前のノベルズ版をお持ちの方は、
今回の文庫版と読み比べてみるのも
面白いかもしれません。
私は残念ながら、
ノベルズ版を持っていませんが……


ストーリーは高校生とサラリーマン。
年の差恋物語です。
親の愛情に飢えている…

0

プライベート・レッスン 小説

桜木知沙子  高星麻子 

学生物の傑作

学生物の中でも大好きな作品で、何度も読み返すお気に入りの話です。
切なく揺れる片思い物が好きな方にも、自信を持ってお勧めします。

思いを揺らされる笹渕先輩も男前でカッコよく、陸が好きな親友対木も硬派でいい奴で、なにより受けの陸自信が真面目で素直で可愛い。
無理矢理に肉体からという展開でもなく、精神的な気持ち重視で進むので、繊細な心理描写がとてもよかったです。
登場人物に、悪い奴は登場し…

1

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

杉原さんの一人称にとても惹かれます。

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:めちゃオススメ)
抒情的で優しい文体はどこか危ういものを孕みながら、静かなトーンで作品を紡ぎだしています。入り込むというより引き込まれるという感覚が近いかもしれません。
家庭の事情を抱える二人の少年の恋、14歳から19歳までの思春期を淡々と瑞々しく描いた物語です。

おとぎ話のような話をしようか――と、19歳の有理の回想で始まる第一部。
母に迫る死への不安に無理…

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