高遠琉加さんのレビュー一覧

捨てていってくれ 小説

高遠琉加  金ひかる 

遊び人が隠した純情

セフレが数人・本命は面倒だから作らない。
後腐れのないつきあいが一番。そんな遊び人沖屋が。
実は過去の辛い恋を引きずって、本気の恋に飛び込めない臆病者。
この「実は……」な、ギャップに弱い私は、沖屋にメロメロです。

年下の男の将来を考えて、自分の気持ちをセーブし、
距離を置こうとする沖屋が健気過ぎて泣けます。

そしてデキる年上の恋人と肩を並べたくて、テンパる隆之。
沖屋もたい…

2

ホテル・ラヴィアンローズ 小説

高遠琉加  北上れん 

じんわりとして、泣ける

収録されている三作品全てに、
過ぎ去ってしまった美しい時間に対する愛惜の念を感じました。

どれだけこの時に留まりたいと思っていても、
時間の流れは止められません。
後悔や、忘れられない恋。
どうしようもない思いが交差する様子に、胸を衝かれます。

個人的にお話としては「赤」が一番、好きなのですが。
少し泣いてしまったのが「青」「薔薇色の人生」。
特に「青」は、いつか旅の終わり…

4

ホテル・ラヴィアンローズ 小説

高遠琉加  北上れん 

じんわり

中篇が三つ収録されてますが、一作目の「青の部屋」の話がめちゃくちゃ良かったです。
読みながら息苦しかった。
どこにも行き場のない高校生二人の逃避行。いつか終わることが決定されているなかで、脆くて儚い時間を二人で過ごしている姿に、ホロリ。
軽いどんでん返しも良かったです。
高遠さんの描く世界は、私にはなぜかセピア色に感じる。青い部屋の話も、赤い部屋の話も、私の脳裏ではすべてセピアだった。郷愁を誘うよ…

4

溺れる戀 小説

高遠琉加  今市子 

タイタニックだ

和製タイタニックBL風味、って感じでしょうか。
時は大正時代。
前半の学生時代のエピソードは神でした。高遠さんの静かな筆致で、ギュッと胸を絞られるようなセピア色のシーンが連面と続いていく。
雨のなかでのキスが最高。さらっと書かれたたった二行のキスシーンを、舐めるように読んだ。くどくど描かないこの焦らすような書き方、大好き。
前半の神っぷりに対し、後半の船上エピソードではちょっと失速したように感じま…

1

世界の果てで待っていて 小説

高遠琉加  雪舟薫 

繊細な大人のドラマ

激しい濡れ場や愛の言葉が無くても、
溢れんばかりの思いは語ることができると教えてくれる良質な作品。
雪舟薫さんの挿絵も小説の雰囲気とバッチリで、素敵でした。

一度だけの甘い記憶を、あえて忘れたふりをしている二人。
過去と現在が交錯する中、人の情が絡み合い、
なんともいえない芳醇な雰囲気を醸し出しています。
BLというより、JUNEを感じさせる作品ではないかと思いました。

情報…

5

世界の果てで待っていて 小説

高遠琉加  雪舟薫 

自然な不自然

刑事・櫂谷と元・刑事の探偵・黒澤の話です。
今回は3年前に失踪した双子の兄を弟と一緒に探す話で、まぁこちらの展開は読んでいく内に読めましたけど(笑) 兄・律の心情や潔さは心にしんみり来ました。
二人の関係性が自然だけど不自然な関係で、4年前にこんな事があった、2年前にこんな事があった。3歩進んで2歩下がる様な関係で不思議でした。自然な流れで合意の上に抱き合ったけれど、今はそれにも触れないし決し…

4

世界の果てで待っていて 小説

高遠琉加  雪舟薫 

せ、せつない…

ストイック萌え。
オジサン萌え。
二組のカップルが登場するんですが、断然主人公の探偵と元同僚のコンビに萌えました。
過去のたった一度のセックスをお互いに大事に心のなかにしまい、今は友人として付き合ってます。
オトナの葛藤ってなんでこんなに胸を熱くさせるんでしょうか。
続編が読みたい。
あー、木原さんに傾斜しまくってる私ですが、高遠琉加さんも超好きだー。

9

美女と野獣と紳士 ~愛と混乱のレストラン 2~ 小説

高遠琉加  麻生海 

美女と野獣と紳士

楽しみだった愛と混乱のレストランの続編!!
ああぁぁーやっぱり好きだぁぁ(*´Д`*)
とある高級フレンチレストランのシェフ×総支配人のお話です!
一筋縄にいかないところがもどかしくもおもしろいポイントですな。
次でとりあえずこの二人の話は完結だって~
ラブラブになれる日がくるのか想像もできないけど笑
今回はいろいろ進展もあったし、ラストが気になるところで終わっているので続きが早く読み…

2

王子様には秘密がある 小説

高遠琉加  南国ばなな 

王子様には秘密がある

高遠さん最近特に好きなので、買っちゃった!
しかし南国ばななさんは久しぶりだ…
今日買って帰りの電車で半分くらい読めました。そのぐらい軽い話~☆
二話入ってて、それぞれ違うカップルです。
大学で周囲から「王子様」と呼ばれて完璧な先輩…が、実は性格歪んでて?っていう…
この受けが可愛いんだよ~
あたし好きな相手を押し倒しちゃうくらい積極的な受けも大好きなので、好みでしたvv
そんな後輩…

2

天国が落ちてくる 3 小説

高遠琉加  祭河ななを 

君の体の中には天国がある。

シリーズ最終巻で、カオルの過去が明らかになります。
それは秋広や読者が思っていた以上に、ダークで重い過去でした。
高遠さんが書くトラウマは、胸に突き刺さって、痛いです。

秋広の前から姿を消すカオル。
カオルを追いかけられない秋広。
そんな秋広の背中をそっと押してくれた優しい女の子。

臆病な二人が向かい合い、
手を取り合う姿には胸が熱くなりました。

「君の体の中には天国が…

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