高遠琉加さんのレビュー一覧

成澤准教授の最後の恋 小説

高遠琉加  高永ひなこ 

恋を知り、淋しさを知る…成澤恵という男

『欲しいものはなんだって手に入る。』
大学でプルーストを論じ、気まぐれなベッドの中でヴェルレーヌを暗唱する、そして全てに退屈して…若く美しく、それゆえに傲慢なハイスペック男成澤恵。
退屈しのぎに、純愛を隠しているらしい平凡な編集者蒼井に興味を抱く成澤。愛も恋も夢も信じない成澤は「純愛」を見てみたいと思う。
大学出たてのガキで世界も狭い、と見下していた男を自分が誘惑したのだ、と思っていた。それ…

5

溺れる戀 小説

高遠琉加  今市子 

表紙と扉絵が美しい。

昭和初期を舞台に描かれる帝大同窓生同士の恋物語。タイトルや豪華客船の出港シーンで始まる冒頭から、それはそれは期待に胸高鳴らせて読み始めました。今市子さんがイラストだと無条件に吸い寄せられてしまうので、高遠先生の積み本の中で時代物をお初に選んでしまったのがいけなかったのか…。他のレビュアーさま方による、「和製タイタニック」という表現は大変的を射ていて、全く思い至らなかったので目から鱗でした。

0

美女と野獣と紳士 ~愛と混乱のレストラン 2~ 小説

高遠琉加  麻生海 

皿に命が載る

文豪の本を読むと、その繊細で緻密な表現に『自分には作家は到底無理だ』と思わされますが、高遠先生の作品を読む際も毎回こう思わされます。
文章がキラキラ輝いていて、すごく切ない。
短い言葉一つ一つに感動させられて、本当に文字通り胸が痛くなります。

このシリーズは、3冊とも素晴らしいんですが、中でもこの2冊目が好きでした。
特にジビエの調理シーン。
理人とは違い、私は割りと食事に対して嫌悪…

7

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

雨の夜に二人は・・・

「世界の果てで待っていて」第二作、今回は前作にも出てきた、円山芸者さんの以知子の弟の事件を軸に、黒澤の謎の部分がより深まる展開になります。
前作の双子は中学生でどこか現実離れした、いい意味でおとぎ話のような事件でしたが、今回の以知子の弟、三崎双葉は高校生でぐっと現実的になり、、よりシビアな展開になっていきます。
というかですね、今回は本当にセックスの場面はありません。なのにエロさは前作よりも増…

4

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

奈落に堕ちた夜に何があったのか

 高遠先生は文章力はいわずもがな、タイトルセンスが非常に洗練されていると思います。私が好きなタイトルはプルーストの「失われた時を求めて」なのですが、このタイトルも同じくらい好きです。
「世界の果てで待っていて」。簡潔であり様々なイメージを想起させる、一行の詩のようなタイトルではないでしょうか。
 この作品の主人公は黒澤統一郎、元刑事で今は探偵。渋谷区神泉に探偵事務所を構えています。
櫂谷雪人…

3

狼と狐の夜 小説

高遠琉加  ヨネダコウ 

謎は謎のまま

お話自体は起承転結がハッキリしていて緊迫感があって面白かったのですが、BL的萌えポイントがよく分かりませんでした。飴屋と零の関係も最後まで明かされなかったし、他にも回収されなかった伏線がチラホラ。シリーズ物なのかなと思ったのですが、そうじゃないようで…。

司郎視点で描かれているから当然といえば当然ですが、零の感情の機微も掴めなかった。クーデレということなのかな。

これから司郎は、得体が…

1

君は僕の初恋の人 小説

高遠琉加  小椋ムク 

初恋の人

朝倉視点の現在パート(27歳)→棚橋視点の過去パート(16歳)→再び朝倉視点の現在パート(27歳)、という面白い構成の作品です。この仕掛けがとても効果的で、二人が抱えるそれぞれの思いが切なくて堪りませんでした。

最初のパートでは、無愛想な数学教師の朝倉と何やら因縁がありそうな棚橋との関係が少し不穏なムードで描かれています。二人の過去に何が…?

過去パートでは一転、二人の出会いから蜜月、…

4

捨てていってくれ 小説

高遠琉加  金ひかる 

神様のいない夜、にやられた

いやぁ、本当に面白かった。
何が面白かったって、沖屋のキャラクターが!
これぞツンデレというくらい、ものすご~くとがっていました。
捻くれ者、天邪鬼、意地っ張り。
そういうキャラが好きな人には、これはたまらない人物かも?

沖屋は、弱小出版社の官能小説雑誌編集長。
若いのにとても切れ者なので、かなり口が悪いのに、周囲には一目置かれています。
実は部下思いの優しいところもあったりして…

5

Chara Collection EXTRA 2012 グッズ

満足~~~!

これは手に入れて良かった!
「美女の憂慮」(法医学者と刑事の相性 番外編)愁堂れな
こちらはちょっとした推理モノのお話から、冬城がちょっと嫉妬的なラブ的濡れ場有り。

「エゴマのゴマはゴマじゃない」(毎日晴天! 番外編)菅野彰
あーかわいい。世の主婦の方は感じるであろう金銭感覚の相違のお話。
秀が怒って、明信は秀の気持ちが心底わかる。
でも大河と龍はまったくわからない。
龍はしかし…

0

壁の中の嘘と秘密 小説

高遠琉加  小椋ムク 

後半で急展開

全寮制男子校に通う、人気者でチャラ男の香司と優等生の昴という正反対の二人。
香司が合コンで知り合った女の子を寮の屋根裏部屋に誘ったところを昴に目撃され、それを黙っている代わりにと交換条件を出されたことで二人だけの秘密が始まります。

真面目な昴は負担は全く心を開かないのに、大好きな星の話をしている時だけは生き生きと饒舌になります。
そんな自分にしか見せない顔に香司はどんどん惹かれていきます…

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