門野葉一さんのレビュー一覧

理想の肖像 小説

ベッキー・ブラック  門野葉一 

傷だらけのヒーロー誰でも(…古い)

海外BL短編。

恋愛ものというより、生きる事のほろ苦さについての物語だと思った。

主人公は、地方紙の記者・ポール。
ある晩、編集長に叩き起こされて事故現場に駆けつける。
そこでは大きな自動車事故が起きていて、まだ少女の救出中だという。
固唾を飲んで待っていると、一人の救命士が少女を抱きかかえて出てきた…

ポールはヒーローとしての救命士・ドリューを記事にしようと家に追加取材に…

2

夜の眼 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一 

ソファの上のテント

モノクローム・ロマンス文庫の作品は、長編だけでなく短編も大変面白い。残念なのはあっという間に終わってしまうことだ。短編なんだからそりゃそうだ。

表紙真ん中の不敵な笑みの男がリッキー・バブアー。思いの外、年嵩のビジュアル。まぁね、刑務所に10年はいたから。
表紙下がスタッグ警部補。刑事ってなんでこうもセクシーなのか。
表紙上がこの作品の悩める主役、パーカー。一人称は僕。

作品に対して…

2

理想の肖像 小説

ベッキー・ブラック  門野葉一 

翌朝の会話がなんか好き

記者と取材対象になったヒーローの短編。
隠れゲイのポールが、カミングアウトしていない男とは付き合わないドリューに惚れてしまい、変わろうとするところまで。恋愛色はあまりなく、関係を持つためにどうしていくかを現実的に考えていく感じだった。

ポールの事情は、仕事も家族もカミングアウトできない条件が揃っている。対するドリューは正反対で、全てを受け入れてくれる環境を築いていた。
このページ数でさら…

2

モネ・マーダーズ 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一  冬斗亜紀 

ラストシーンが最高!

シリーズ二冊目。相変わらず渋い!
作中時間は前作から八カ月後で、悩むケネディから関係を切られるところから始まる、切なさ・辛さがいっぱいの一冊。新たな登場人物、シプカがとても好きだった……。

なぜかケネディのいる現場に呼び出されるジェイソン。前作で語られた事件以来の再会で、その間ずっと電話だけの遠恋状態だったらしい。なんつう可愛いことを!と萌える間もなく、ケネディは関係の終わりを示してくる。…

3

マーメイド・マーダーズ 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一  冬斗亜紀 

またこんな終わり方する~(萌)

ジョシュ・ラニヨンさん、三シリーズ目を読んでみた。今回は挿絵の雰囲気も相まって渋い!特に相手役のケネディが鉄壁ガードな無表情男で、二人がどうやって近付いていくのかさっぱり見えなかった。

主人公のジェイソンは、過去に撃たれた経験からトラウマ持ち。出世欲が凄いらしいが、ギラついた感じはなく、繊細さも持ち合わせている。ちょっと頑固で人の話を聞かないところがあり、浮かんだ考えにすぐ飛びつく癖がある。…

3

夜の眼 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一 

この雰囲気がたまらない

特殊な状況におかれた警察官と保護対象者の短編。

脱獄した元恋人が殺しに来るかもしれないという、緊迫感の中で一夜を過ごす二人。主人公・パーカーの過去はかなりワケあり。そこが徐々に明かされていく過程が面白く、話にぐいぐい引き込まれた。
またその過去の諸々は、護衛役のヘンリーとの関係を微妙なものにしそうなのに、ヘンリーはしっかり中立的な考えを示していたのが良かった。

初対面の二人は、辺境の…

3

クリスマスの航路 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一 

メンドクサイ大人たち

とても面倒な大人二人のすれ違い話。こうなるに至った理由に必然性を持たせる職業設定が良かった。

シェインはプライド高めなドジっ子に見えるFBI捜査官、ノートンは元保険調査員。二週間ばかり共に過ごして運命を感じたはずが、ノートンが突如姿を消す。シェインは傷付いて引き摺り、二年後に再会してからも疑心暗鬼に駆られている。

大人の駆け引きとは到底言えない、微妙なバランスでクリスマス前を過ごす二人…

2

海に魚はたくさんいても 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一 

海底描写が◎、ダイビングBL

幼馴染みの、ちょっとベタなすれ違いもの。短編。

お互いに肉体的な経験だけは豊富そうな二人が、初心な恋心を持ってぐるぐるしている。ブレアーはかなり夢見がちで、いろんな男に出会っては別れてを繰り返している。フィンは心だけはブレアーに一途だが通じていない。二人の矢印が行き違ってしまったきっかけは、若さゆえのとある出来事。

均衡が崩れたのは、二人でダイビングに出掛けた中でピンチに陥り、共に脱出…

0

理想の肖像 小説

ベッキー・ブラック  門野葉一 

舞踏会に誘う王子様を見た気分

自らの危険を顧みずに少女を救った消防士と、彼を取材する地元紙の記者である主人公の短編ラブストーリー。

主人公はゲイである事を隠し、厳しい親元から離れて地方紙の記者をしています。が、いずれは全国紙の記者になって親から認められたいとも思っています。
そんな彼にとって、地元の英雄の話は大きなネタ。
なので追加取材を試みるのですが、ハンサムな上に勇敢で、しかもヒーローぶらない誠実な消防士に主人公…

5

マジシャン・マーダーズ 小説

ジョシュ・ラニヨン  門野葉一  冬斗亜紀 

次巻も正座待機

前巻のアンビバレンツから一転、心のままにジェイソンを過保護するケネディに対して反発を覚えるジェイソン。私からみるとケネディ(にして)は出来得る限りジェイソンに配慮しているように思えるのですが…。ケネディはジェイソンが感じている予感についてどこまで気付いているんでしょうね。
母を守りたくて怒り狂う健気なケネディ少年のエピソードは胸が詰まった。そんな彼は今は正義の為に日々悪意に自身を晒している。

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