Sakura0904
鶴亀先生の『堕落家族論』がよかったので、続けて読んでみました。あちらほど攻め受け単体に最初から魅力を感じたわけではないけれど、じわじわと2人を好きになっていくような感覚でした。幼少期から年下に慕う気持ちを超えて懐かれていて、大人になって再会するというのはありがちな設定ではあるけれど。浩国がかなり深刻なブラック企業で働いているので、BLファンタジーと現実のバランスもとれていて、話がすんなり脳に入っ…
ストーリー構成というかキャラの作り込みもしっかりしていて、上下巻完結というけっして長くはない作品でありながら、最後まで引き込まれました。藤馬の育った家庭を知り、今の彼に納得。真っ当な家族に誰よりも憧れる一方で、子は親の呪縛からは簡単に逃れられず、離れたくても完全に縁を切ることはできない。ヤクザと一般人の狭間で、どちらにも両足でしっかり立つことができず不安定なまま生きていたのが彼なんですね。
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鶴亀先生の作品を読むのは初めてでしたが、絵がとても好みです。藤馬も仙太郎も顔を見ているだけで楽しい(笑)。物語は突飛な導入でしたが、ここまで振り切っていなくても、父親が分からない子供はたくさんいるんだろうなぁ。藤馬も仙太郎も安易に引き受けはしないけれど、めぐるに冷たく接する人でなくてよかったです。
めぐるも子供らしく可愛く描かれずに、既に何か悟った子供として現実的な描かれ方をしているのが…
