栗本薫さんのレビュー一覧

終わりのないラブソング(1) 小説

栗本薫  吉田秋生 

辛い時に歌う愛の歌=終りのない二葉の「生き地獄」

感想:心情の流れを理解するのが難しい作品だった。
★妖精のような美少年
二葉君のキャラは、表紙や挿絵とイメージ違う。風と樹の詩の「ジルベール」と似ています。
和版ジルベール=二葉君が「終りのない愛の歌」を歌いながら、著者に苛められる物語と解釈したら腑に落ちました。

★社会適合を求めて悩む美少年二葉君、阻むのは実の親。
★無意識に、妄想で現実の痛みから分離した精神状態にして、自我を保っ…

2

ムーン・リヴァー 小説

栗本薫 

栗本薫さんの最後の作品

長編なので、終りから読みました。

著者も、癌で亡くなっていて、登場人物も癌で亡くなる。
そして、この作品が最後の著書。
著者の冥途の道連れは、作家となった島津だったのかも。

でもこれが本当の最後の一冊ではなく、未発表本に続きがあって、その後の透が書かれているらしいです。

小説としては分かりくい構成なので、先の読者のレビューを道標にしないと、早読み出来なかった。皆さんのレビュー…

1

朝日のあたる家 Ⅰ 小説

栗本薫  石原理 

「やおい」と栗本薫さんの「戦略としての耽美」

「朝日のあたる家」の1巻だけ入手できました。
教えてねえさんで 杏仙さんに教えて頂いた、お薦めの1冊です。栗本 薫さんは、受賞歴多い作家でかなり評判が高い作家なのに、私は知らなかった。
(コメント欄に、既に購読済みなので書きこまず終了して、後から訂正出来ない事を知り、改めてここでお礼とお詫び。一番先に読みました。)

中古本を買いました。調べると電子版もあり、電子版の全集が充実しているよう…

1

コイシラズ YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS コミック

定広美香  栗本薫 

栗本薫x定広美香=シビレる

原作は栗本薫氏の「東京サーガ」より。
と言っても私は未読なのですが、天才ジャズプレイヤー矢代俊一の人生を描くシリーズ作品の中の、いわゆる「第3期カルテット」時代を切り取ってのコミカライズ、だと思います。

すでに天才の呼び声高いスターサックスプレイヤーの矢代俊一。
(原作では多分40才くらい。このコミックス版ではせいぜい30代前半に見える美形です)
あるセッションで野生的なドラマー・勝又…

1

朝日のあたる家 Ⅴ 小説

栗本薫  石原理 

愛の軌跡

いろいろな思い入れのある栗本薫先生。
グインサーガ、魔界水滸伝等

朝日のあたる家はBLという言葉がひろまってなかったころから追いかけて
いったんは捨てたんだけれども

再びBLに舞い戻ってきたので…
トピで完結してると知ったので
10年ぶりに手にとって読みました。

文章はなんか冗漫なんですよね
主人公の独白と、第三者視点の語りが多すぎて
それになれると最後のカタルシスは…

5

翼あるもの 下 小説

栗本薫 

少女がヤオイを愛する理由、私が栗本薫を愛する理由

 「芸能人萌え」も「男娼萌え」もないので本編は合わなかったんですが、あとがきに感銘を受けたのでレビュー (いいよね、栗本先生はあとがき作家を自称してるしw)

 栗本先生曰く、ヤオイは女性性のからの逃走であると
 少女たちは、女性性を欠落と考え『<大人になれば>世界と関わっていける少年』になりたいと望んでいる
 栗本先生は長い間ヒロインを登場させることができなかったそうです。私は未だに現代…

3

タトゥーあり 小説

栗本薫  定広美香 

“呪われた知性の徒”とは?

表紙からしてあまり期待していなかったんですが久々にぞくぞくするような興奮を味わえました。そもそも強姦から始まり、傷が癒えないうちにまた犯されるというサディスティックなところが好みですし、そこから徐々に話の核が内面の精神的な倒錯に移っていくんですが、この作家なので読みごたえはあるし、かと言って小難しくもない、退屈しない程度の俗っぽさで引き込まれてしまう。絶対的に美しく気高く貴い存在を汚す快楽を描く作…

1

元禄無頼 下之巻 小説

栗本薫 

栗本先生は元禄がお好き

作家さんにとってかなり人気のある時代ですよね
(あと江戸時代では、吉宗時代と化政と、なんといっても幕末ですかね)
統治者サイドでは有名な綱吉&柳沢、水戸黄門……
文人は井原西鶴、近松門左衛門、松尾芭蕉; 理数は『天〇明察』の渋川春海に安井算哲……
忠臣蔵もこの時代ですね
私も元禄スキーなので嬉しいんで・す・が、これかなりイタイ話なんですよ……
強姦シーンもさることながら、主人公が姉の夫…

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紫音と綺羅(下) 小説

栗本薫  岸裕子 

読み終えてホッとしています

JUNE作者陣のリレー小説の上巻の続き、下巻は栗本先生お1人です。

(上下巻おおまか)
芸術の神に愛でられた美しい双子の綺羅と紫音。
綺羅は、日本舞踊の家元の養子になり、家の名を守る為の後援者の玩具として育つ。
自分を淫乱と自認し公言し性を求めているけど、抱かれたい相手には恨まれ憎まれている。
紫音は、財閥の会長家に貰われる。ピアニストとして将来有望だったが、養父は亡くなり、同系会社…

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紫音と綺羅(上) 小説

栗本薫  江森備  野村史子  吉原理恵子  森内景生  榊原史保美(榊原姿保美) 

相関図が必要です^^;

某サイトのレビューがそう良くもなかったので、実力派作家陣なのに何で?と読みたくなった作品です。

罪な出自の、芸術の神に愛された美しい双子がタイトルの2人。
生き別れた二人は其々セレブ(紫音は財閥の御曹司に、綺羅は日本舞踊の家元本家)の養子で育つのだけど、さすがJUNE!
幸せって何?的な美少年が周りの大人達に甚振られ食われ捲ると!

冒頭、紫音が片割れの綺羅に逢うべく転入してきた高校…

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