金ひかるさんのレビュー一覧

そのわけを 小説

榊花月  金ひかる 

できればもっとじっくり、深く。

別に「好き」に理由は必要ないと思う。何か惹かれる。それで充分だが、この「そのわけを」は全体的に物足りない。登場人物が多い所為かもしれないが。

まず当て馬というか横恋慕&復讐を企んでいた志野原弟の存在が中途半端。倉方の暗い過去のひとつであるはずの志野原兄のが弟にも増して中途半端。どうして倉方が他人を信じられなくなったのか、その一旦を担っていて、過去の男でもあるはずなのに、最後のほうにとってつけ…

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紅蓮の炎に焼かれて 小説

愁堂れな  金ひかる 

人間の醜さ

隆一の狡猾さゆえの滑稽さがあるものの、醜さ、不気味さが勝っている。和希のことを「好き」という気持ちよりもただの所有欲、略奪欲でしかないと思える。
表面上は清己の凄さを賞賛するような態度を取り、周囲の人たちに「出来た人間」とアピールしているが、その奥ではコンプレックスを刺激され、清己を見返すために真っ直ぐに努力すればいいものを捻くれて清己の大切な者、弟の和希に手を出したり、激昂した清己に刺されたと…

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蠱蟲の虜 小説

六青みつみ  金ひかる 

痛いのが嫌いな方には、苦手かも・・

中世風のファンタジーです。奴隷として売られた物の病気になり砂漠で捨てられていた、リーン。死にかけていた所を、スパイ活動をして諸国をまわる遊兵のカイルに拾われカイルの手厚い介護のもとなんとか一名をとりとめます。
はじめて優しくされ命を救われたリーンはここで絶対的な信頼感と、母親に求めるような深い愛情をカイルに抱きます。
しかし、危険な諜報活動に子どもを連れて行くわけにはいかないと、大人になったら…

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