Sakura0904
エイプリルフールにつかれた嘘を1年も信じ込む、というなかなかないであろうきっかけから始まる恋なんですが、京山先生の手に掛かると不思議と非日常的、夢物語的な空気が一切ない、とても現実味のある作品になるんですよね。1年間音温が自分に気があると信じていた間の雷悟の心情、それが嘘だったことを知ってからの心情、そして、1年間雷悟が自分に狙われていると思いながらもあからさまに態度を変えなかったことを知った音…
大学生になった今井と、高校最後の年を迎えた引田。定期的に今井が引田に会いにきてくれるので、思ったより距離的にすれ違うことはなくて。でも、野球部員として憧れだった同性の先輩と付き合ったことで、引田は様々な感情を抱きます。どんどん逞しくなっていく今井の背中を見て、自分も追いつきたい、男らしくなりたいという気持ち。その一方で、今井に甘えたい、包まれたい、女の子みたいになれればいいのにという気持ちもある…
前巻はBL面が主でしたが、こちらはBL要素にこの年代ならではの葛藤や野球部らしいきらきらした青春もしっかり絡んでいる印象が強かったです。あれからキスや軽い触り合いはするようになったけれど、大きく関係性が変わるということはなく。夏は甲子園を目指して今井も引田も野球一筋で突っ走る。引田視点ではこの時もけっして野球のことばかり考えていたわけではなく、今井と接することが減った寂しさを覚えていたことが語ら…