久我有加さんのレビュー一覧

頬にしたたる恋の雨 小説

久我有加  志水ゆき 

芽吹いた新芽が花開くまで

なかなか笑いをとれず伸び悩んでいた落語家が、席亭に万歳(昔はこういう字だったんですね…)への転向を命じられ、紆余曲折を経て、漫才師として才能を開花させるまでのサクセスストーリー。
私は久我先生の関西弁キャラがすごく好きで、これはもう、自分が萌え転がるだろうことがわかっていて読んだのだけど、期待通り。堪能した。

関西弁での情事のシーンって、なぜこんなに色っぽくて艶っぽいのか。自分が関西圏の人…

5

七日七夜の恋心 小説

久我有加  北沢きょう 

京都舞台どすえ

久しぶりに久我先生の芸人シリーズ!めっちゃ良かった・・・京都花街を舞台に落語家と太鼓持ちのしっとり恋話で、「雑誌掲載分150pほど(攻め視点)+その1年後の受け視点のお話80pほど+あとがき」です。関西弁読むのが大丈夫な方でしたら是非!久我先生の芸人もので「頬にしたたる・・」が神なので、それと比較すると萌2になりました。

落語家として独り立ちして3年目の守博(もりひろ)。地味な語りで今一つパ…

4

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

腐って8年、吾一生の悔いなし

個人的に明治時代のあの雰囲気が好きなので思わず買ってしまいました。(うまく言い表せませんが、あの時代の男子学生達の国を支えなければいけないという使命感(進学できるのはほんの一部のエリートのみですからね)、西洋文明化によって入ってきた新たな思想である合理性に振り回され悩み惑う感じが大好きなのです、、、)表紙も明治期の小説の表紙のようで惚れ惚れしてしまいます。背景の印刷のかすれ具合が上手く再現されてい…

9

七日七夜の恋心 小説

久我有加  北沢きょう 

しっとり切なく読ませてくれます

叶わぬ想いを抱き続けている美人受けと、そんな彼を真っ直ぐ慕う年下攻めによる、切なくもしっとり優しいお話になります。

で、こちら、芸人シリーズで現代ものになります。
今作だけで問題無く読めます。
ちなみに、先輩落語家として真遊がちょこっと登場しますが、彼も色々悩みつつ、頑張ってるんだなぁって印象。
このシリーズを読むと毎回思いますが、悩んだり迷ったりしながら芸の道に邁進する若者達が、とっ…

11

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

バッテリーは、君と

いやぁ、野球はいいですよ!って
ルール全てを把握しているわけではないのですが
やっぱり高校野球は応援したくなりますよね。
明治時代の男子高校生ってこんなに志が高くて大人なんだなぁと
感心しきりでしたし
仲間意識もとても素敵でした。

男気があり子どもにも優しい庄野のまっすぐさに好感を持てました。
しかも運動能力が高くて何でもこなせるなんてかっこいい!
武家華族出の朝妻が惹かれるの…

4

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

ワクワクが止まらなかった

作家買いです。プラス麻々原さんのイラストも素敵。設定が明治時代、男子寮、野球部と萌え満載の上に舞台が大阪。関西弁!これは珍しい。久我さんならではですね。BLの明治浪漫風は大好きだけど東京中心のものが多いから貴重です。

凛々しい青年が困っている子供を助ける場面から始まるのですがこれがまた映画の始まりのシーンみたいで印象的。こっちは「この子は受けなの?攻めなの?」とそっち方面でもドキドキワクワク…

4

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

ベースボール事始め

明治時代中期、設立されたばかりの全寮制男子校を舞台にした青春浪漫活劇。
留学経験のある華族の子弟の朝妻と、地元で起こした問題のせいで無理矢理入学させられた下士の息子庄野が寮の同室となり、当時、日本に入ってきたばかりのベースボールの部活動を始めます。

いつも思うけど、久我先生の作品は本当に時代設定が絶妙。
自由を謳歌する若者たちの自制と矜持。
古い関西方面の言葉もいい。
健やかで男前な…

3

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

目がつ~ぶ~れ~る~~~!

明治時代の全寮制男子校を舞台とした、キラキラ眩しい青春ものです。
個性豊かな寮生の面々が集まって、当時ではまだ珍しい「ベースボールを始めようぜ!!」みたいな。
恋に友情に野球にと、全力投球で頑張る彼等が眩しい・・・っ!!
眩しすぎて、目がつぶれそうですよ。
いや、若いって素晴らしいね。

あと、久我先生ではお約束の、受けにメロメロな攻めの「ぼくの恋人は世界一可愛い」的なノロケ描写も楽し…

9

簡単で散漫なキス 小説

久我有加  高久尚子 

浮気で始まる関西弁

 周平は血の繋がっていない兄に一目惚れし、伝わるわけにはいかない想いと欲を持て余していた。
 ある日、バイト先に現れたのは、その兄とよく似た声と鉛を持つ穂積。
 穂積は「やりたあてたまらん顔をしている」と周平に「セフレ」の関係を持ちかける。
 自分の想いに限界を感じていた周平はその提案を受け入れ、週に一度会い、体を重ねる関係を続けている。
 ところがある日、穂積から別れを告げるメールが来て…

0

あどけない熱 小説

久我有加  樹要 

シンプルで優しい話、でもずっしりと重い

公園で偶然出会った謎のお兄さんに恋してしまった中学生、と言ってしまうと淡い初恋を描いた可愛いお話を想像するが、このお兄さんの背景が重苦しくて、心にズシンと来る。
主人公はなにかしてあげたいと思いつつも、中学生なのでなにもできないまま離ればなれに…そして十年後、という流れ。
淡々としていて、年齢差もあるせいかなかなか恋愛も進まない。自由のない閉塞した環境で、家族が毒でどうのこうの、というお話はや…

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