月夜堂さんのレビュー一覧

しけんかん 小説

月夜堂 

タイトルが重い意味を持つ話

ワケありな出自の医師・新庭が好みのノンケに出会い、愛されることで自己肯定感が高まり幸せになる。簡単にまとめるとこんな感じの話。ページ数が少なくさらっと進んだせいか、描きたいことは分かるけど……と物足りなさが残った。

一組のカップルの話の二本立て。1作目は、なんとなく顔見知りだった新庭と小淵が、ふとしたきっかけから仲を深め、お付き合いを始める話。2作目は新庭の背景に関わる話。

挨拶を交わ…

0

コンタクト・ゲージ 小説

月夜堂 

もう少し先まで読みたかった

別で出ている「コンタクト・ポイント」で叔父に失恋した聖の、その後のお話。一人に執着しているように見えていた聖が、こちらの作品ではこんなことになっちゃって……と思うところがある。キャラもストーリーも好みが分かれそう。

傷心の聖は、軽く誘ってきた芦原医師と、カラダの付き合いを始める。お互いに癒やされたり助け合ったりするにつれ、相手への好意を自覚し始める。そんな中、友人の大野の態度がおかしくなり―…

1

コンタクト・ポイント 小説

月夜堂 

リアルな生活と仕事の中での恋愛

とても良かった。表紙からドロドロ系かと思ったら、淡々とした日常系でたまにコミカル。日々の生活と仕事がリアルに感じられ、だからこそそこに加わる恋愛描写が効いてくる。1組のカップルをじっくり追える作品。

メインカプは離婚直後の整形外科医・西紀と、ゲイの内科医・籐見。3本立てで、1作目は二人がカップルになるまで。2作目は問題児な研修医が絡んでドタバタ。3作目は二人の家に籐見の甥が転がり込んでくる話…

1

そして、時は想いを運ぶ。 小説

月夜堂 

二作の繋がり方が面白い

【そして、時は想いを運ぶ。】
この短編だけだと書きたいことはよく分かるけど……と反応に困る作品。死を悟った極限の瞬間に愛を知らなかった男が誰を想うのか、っていう話にまとまっていくわけだが、そこに至る過程、二人の関係を上手く描けていない気がする。
それと随所に某作家の影響を色濃く感じた。代表作ラストのアレがやりたかったのかな、と。

大学で出会った青山と赤川は共に女性と結婚するが、友情の延長…

2

スマイル 小説

月夜堂 

いろんな人生があるよね……

【スマイル】
少ないページ数に驚くほど重いエピソードが詰め込まれていた。ネタバレになりすぎるので詳細は省くが、人によって地雷になり得る要素が満載だと思う。

主な登場人物は、子持ちのゲイである悠爾とその彼氏の北大路、悠爾の子供(実子)の崇爾、悠爾の元彼の森、崇爾の母親の律子。悠爾と北大路の日常を描きながら、登場人物それぞれの背景が語られる。

崇爾視点では母がいないことを友人に揶揄われ、…

0

きんいろのさかな 小説

月夜堂 

同時収録作がとても良かった!

つながりなしの短編二編、表題作は1/3、同時収録作の方が長く内容も好みだった。

【きんいろのさかな】
仕事で失敗した波頭がハッテン場に迷い込み、助け出してくれたゲイバーのマスターに惚れるお話。
ちょっかいを出すオネエマッチョゲイや波頭に長年片思い中の同僚医師なども出て来て、波頭は何度もふらふらヤられそうになっている。本人もわりとノリ気になっていて、お坊ちゃまらしいふわっとした箱入りタイプ…

0

ほうほけきょ 小説

月夜堂 

ラストのオチに笑うしかなかった

いいのかそれで……と笑うしかないオチにぽかんとさせられて終わるお話。歪な四角関係と言えるのかな。人間関係のごちゃごちゃ具合はリアル寄りで、たぶん一人は遊びの範囲内。一途な約一名が可哀想な気がしなくもない。

BLに絡む登場人物は四人。ベテラン医師とそのセフレ、天然御曹司な新人医師と彼に片思いする運転手。
神視点でそれぞれの内面が分かる書き方になっており、特に清水の森枝にメロメロな心理描写が笑…

0

ゆきずり 小説

月夜堂 

構成と仕掛けがとても面白い

4タイトルの短編が入っており、その全てはつながっている。構成と仕掛けが面白く、一つ一つつながりが見えてくるたびにテンションが上がった。

最初の短編「ゆきずり」はキャラ名が出ず、“男”ד彼”の話として語られる。タイトル通り一夜限りの関係を持つお話。
続く「アッシュ」はその後の登場人物の紹介を兼ねたもの。ここまで読んだだけではまだ何も見えてこない。

「ふたたび」で、ゆきずりの関係だった…

0

ラブ・プレパラート 小説

月夜堂 

しんみりできる良い話

設定が少しだけ華やかな作品だった。元バンドマンの医師と子犬のような小柄な医師。そのバンドのファンだった受けが、バンドメンバーでファーストキスの相手でもある攻めと再会するという、キラキラしたお話。それがやっぱり淡々と綴られる、この雰囲気が大好き。

加茂と大木は仕事で関わりながら、少しずつ交流を深めていく。転機は加茂の正体がバレてから。意外にも大木がぐいぐい迫り、加茂はさらりと拒む。かと思えば加…

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日向水 小説

月夜堂 

哀愁ハイスペオジサンの短編二作

両方歯科医師が出てくるが、つながりはない二作の短編。表題作がめちゃめちゃ良くて萌えまくった!

「日向水」
職安での出会いから、春田が院長を務める歯科医院の受付となった笛吹。年齢は40を超え、哀愁漂う心理描写から枯れたオジサンなのかと思っていたら、驚きのハイスペだった。

仕事ができるのはもちろん、声が魅力的で料理も美味しく、さらにはキスが上手すぎるテクニシャン!春田のセフレ?もころっと…

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