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1/1(合計:9件)
月夜堂
renachi
ネタバレ
【そして、時は想いを運ぶ。】 この短編だけだと書きたいことはよく分かるけど……と反応に困る作品。死を悟った極限の瞬間に愛を知らなかった男が誰を想うのか、っていう話にまとまっていくわけだが、そこに至る過程、二人の関係を上手く描けていない気がする。 それと随所に某作家の影響を色濃く感じた。代表作ラストのアレがやりたかったのかな、と。 大学で出会った青山と赤川は共に女性と結婚するが、友情の延長…
【スマイル】 少ないページ数に驚くほど重いエピソードが詰め込まれていた。ネタバレになりすぎるので詳細は省くが、人によって地雷になり得る要素が満載だと思う。 主な登場人物は、子持ちのゲイである悠爾とその彼氏の北大路、悠爾の子供(実子)の崇爾、悠爾の元彼の森、崇爾の母親の律子。悠爾と北大路の日常を描きながら、登場人物それぞれの背景が語られる。 崇爾視点では母がいないことを友人に揶揄われ、…
つながりなしの短編二編、表題作は1/3、同時収録作の方が長く内容も好みだった。 【きんいろのさかな】 仕事で失敗した波頭がハッテン場に迷い込み、助け出してくれたゲイバーのマスターに惚れるお話。 ちょっかいを出すオネエマッチョゲイや波頭に長年片思い中の同僚医師なども出て来て、波頭は何度もふらふらヤられそうになっている。本人もわりとノリ気になっていて、お坊ちゃまらしいふわっとした箱入りタイプ…
いいのかそれで……と笑うしかないオチにぽかんとさせられて終わるお話。歪な四角関係と言えるのかな。人間関係のごちゃごちゃ具合はリアル寄りで、たぶん一人は遊びの範囲内。一途な約一名が可哀想な気がしなくもない。 BLに絡む登場人物は四人。ベテラン医師とそのセフレ、天然御曹司な新人医師と彼に片思いする運転手。 神視点でそれぞれの内面が分かる書き方になっており、特に清水の森枝にメロメロな心理描写が笑…
4タイトルの短編が入っており、その全てはつながっている。構成と仕掛けが面白く、一つ一つつながりが見えてくるたびにテンションが上がった。 最初の短編「ゆきずり」はキャラ名が出ず、“男”ד彼”の話として語られる。タイトル通り一夜限りの関係を持つお話。 続く「アッシュ」はその後の登場人物の紹介を兼ねたもの。ここまで読んだだけではまだ何も見えてこない。 「ふたたび」で、ゆきずりの関係だった…
設定が少しだけ華やかな作品だった。元バンドマンの医師と子犬のような小柄な医師。そのバンドのファンだった受けが、バンドメンバーでファーストキスの相手でもある攻めと再会するという、キラキラしたお話。それがやっぱり淡々と綴られる、この雰囲気が大好き。 加茂と大木は仕事で関わりながら、少しずつ交流を深めていく。転機は加茂の正体がバレてから。意外にも大木がぐいぐい迫り、加茂はさらりと拒む。かと思えば加…
両方歯科医師が出てくるが、つながりはない二作の短編。表題作がめちゃめちゃ良くて萌えまくった! 「日向水」 職安での出会いから、春田が院長を務める歯科医院の受付となった笛吹。年齢は40を超え、哀愁漂う心理描写から枯れたオジサンなのかと思っていたら、驚きのハイスペだった。 仕事ができるのはもちろん、声が魅力的で料理も美味しく、さらにはキスが上手すぎるテクニシャン!春田のセフレ?もころっと…
いろいろと特殊設定・珍エピソードがてんこ盛りだった。 まず商業ではなかなか許されないブサメン攻め。このブサメン真也の一人称で語られるお話は、随所で周囲の人々がブサメンであることを肯定する。どうにかすれば実は美形……なんて逃げ道はなく、最後まで徹底していた。 受けの野理は顔は可愛く仕事のできる医師だがストーカー。真也だけでなく元彼にもやっていた筋金入りで、逮捕歴まであるらしい。嫉妬深く独占欲…
小田島と江田の人生を淡々と切り取った作品。起承転結等はなく、それぞれの人生が流れるように綴られている。二人の道が交差するまでは、別の相手と付き合ったり別れたりする様子も描かれていた。 詳細な背景を知りながら出会ってからの二人を追っていけるため、感情移入しやすくなっていて良かった。 アニメの影のヒーロー“ほねほねマン”に憧れる5歳の小田島は、道で見かけた江田をほねほねマンと思い込む。その後何…