YAMATO.K.WARDさんのレビュー一覧

水魚交 小説

YAMATO.K.WARD 

こんな形のカップルも

展開の意外性に引き込まれる作品だった。小さな驚きで笑ってしまいたくなる不思議な読後感。こんな形のカップルも良いかもと、新しい発見をもらえたような。危うさを保ったまま添い遂げる未来が見えてくる、面白いカップルだった。

出会いは飲食店の店員と客として。そこから手作り弁当を持って職場に押しかける海津に最初は怖さを感じたが、橘髙がひょうひょうと対応していたおかげで、徐々に海津のキャラに慣れた。

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許された男 小説

YAMATO.K.WARD 

BME、身体改造、知らない世界

二世代に渡る物語。始まりは、一人の男が好きな人の子供を実子として連れ帰るところから。犯罪的なことでなく、両親が消え、取り残された子供を引き取る流れ。それがハンスで、異国の血を持つのが明らかな風貌ゆえに苦労している。

基本はハンスと涼の両視点で、それぞれに違った人間関係が広がっているため、登場人物が多い。ハンスと涼は従兄弟で、ハンスと誠一は親子だが血は繋がっていない。いろんな人が、決まった相手…

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空は続いてる 小説

YAMATO.K.WARD 

なんだか主人公が王様に見える

誰のものにもならないと決めている医師が、とある国から来た患者の通訳に本気になりかけるお話。
タイトルから、遠い空の下……的なお別れエンドかと思ったら、バチバチの三角関係継続の様相を呈していて笑った。志摩のからっとした空気と、清水とルシュディの重い執着との温度差が何とも言えない。志摩は人生楽しそうだな、と思った。

志摩は恋愛感情のない清水とセフレを続けているし、ルシュディにも身体を許していて…

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しずくしたたりて 小説

YAMATO.K.WARD 

構成が面白く、ループ読みしたくなる

短編二本立て仕様で、一人の男を巡る現在と過去を、その相手視点で語る物語。面白い構成で、収録順に読み終わった後に再度最初の話を読み直したくなった。理彦のキャラも萌えツボにハマる感じでとても好き。

「しずく」は複雑な関係になりながらもラブラブな日々を送る春司と理彦のお話。お互いに医師としての転機を迎えても、繋がりに揺らぎはない様子。
これだけ読むとただの日常の切り取りでしかないが、後半を読むと…

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