葛城ちかさんのレビュー一覧

海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

どこか懐かしい匂いのする三作品

三作収録。全部心穏やかにハピエンを迎える話ではなく、一対一の関係ではなかったりと、万人受けはしないかも。だがどれも心に刺さるものがあり、とても良かった。表題作がすごく好き。復刊しないかな……。

「海に眠る」
依存の連鎖から解放までの流れが切なくて、強く印象に残る作品。特にラストの急展開からが素晴らしい。もうそれしかないという追い込まれた状況で、静かな二人きりエンド。タイトルへ向かう怒涛の描…

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海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

耽美の雰囲気が味わえます

独立した3作品が収録された短編集。
小説の短編集は珍しい。
以前にBLニュースでおススメされていたのを見つけた。
何というか、やっぱり時代を感じる。
文庫化されたのは10年前だけど、その時点で、BL以前の耽美の香りを持った過去の作品を集めて書籍化されたらしいので、初出はさらに10年前後遡る。
平成も終わろうとしている今のBLの基準や気分からは、表題作の設定も結末も、まず、各方面から許して…

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海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

「心の有り様」についての3編

表題作+短編2編が収録されています。
挿絵は、えすとえむ様!
表題作は、扉絵+挿絵5点。短編の方はそれぞれ扉絵のみ、となっています。

「海に眠る」
キリスト教系孤児施設で2人の男性職員(調理員と牧師)から性的虐待を受けていたリュウは、16才で退所する前夜、その2人を虐殺し、逃亡する。
罪悪感もなく、捕まるかもという怯えもなく、窃盗を繰り返しながらある海辺の町に行き着いたリュウは、忍び…

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海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

心に響きました

答姐トピでオススメ頂いて読みました。手に入れたものの、初読みの作家さんだったことと、どう転んでもネガティブなあらすじと表紙絵からページを捲るのを躊躇していましたが、読み始めると、静かながら迫力のある筆致と破綻のない展開、なにより心に響く物語の重さのようなものにグイグイ惹き込まれて一気読みしました。

関連しないお話が三篇収録されているので、作品集という感じの一冊です。

・孤独な二人の青年…

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海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

眠れる名作

5ミリ程度の期待で読み、完全にやられました。
「海に眠る」、2007年に発行されたものですね、表題作他三編が収められていて、それぞれ「小説イマージュクラブ」という雑誌にかなり前に掲載されたようです。
まず、「海に眠る」。攻めのリュウは孤児であり、自分を性的に虐待してきた牧師など二人を殺害して、海辺の町に逃げてきました。そこで受けの祐介と出会います。
祐介は心臓が弱く、繊細なガラス細工のような…

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海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

大人のビターな味わいを・・

昭和の香りなつかしい、耽美小説を精力的に復刻しているKAREN文庫です。独特の文体は携帯小説世代にはまどろっこしいかもしれないですが、静謐で、しかも泥臭さとあざとさも同居し独特の世界を醸し出しています。
そしてエンディングが、一般的なハッピーに収まりきらないというのも、特徴かもしれません。「ある意味、二人にとってもこれは幸せだよねえ。。」とあまりに悲しいエンディング。
主人公リュウは、ゴミ箱に…

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