海老原由里さんのレビュー一覧

屋根裏の猫 小説

火崎勇  海老原由里 

王子様な猫と健気な会社員

セレブ臭はしても地味目です。
キラキラ王子様な会社経営者と会社員の恋、ではありますが身分違いの恋の行方的な話とはちょっと違う気がします。

以前火崎さんの作品で、元は犬だったけれどどういうわけか人になったという『恋愛ビースト』を読んだことがありますが、今回のは本当に猫だったと言うんじゃなくて、忙しい仕事から逃れるために何も持たない猫になった気持ちが過ごしたかったというだけでちゃんとした人間で…

1

この恋が終わるまで 小説

いとう由貴  海老原由里 

悪人になりきれない受けが切ない

2010年に木下けい子先生のイラストでプラチナ文庫で新装版が出版されています。光春が恨みを持つことになった高校時代の経緯が書かれた「初恋の人」が収録されているので、これから購入するならそちらの方が良いかもしれません。

ただ、内容の印象では、ほんわりした絵柄の木下先生より、こちらの海老原由里先生の方がイラストのイメージは合っていると私は思います。雑誌掲載時のものなのか、作者様のあとがき後にある…

3

白銀の虜囚 小説

剛しいら  海老原由里 

現在から過去、そして現在へ

丸ごと1冊表題作です。

警視庁の国際窃盗犯担当刑事である前川が、かつての同僚である杉浦を失った3年前を回想するところから物語は始まります。
捜査に来たところが、杉浦はマフィアのトップ・ユアンに気に入られ、死んだことにされて捕らえられてしまいます。
そして3年後、再びロシアを訪れた前川の前に、ユアンの片腕かつ愛人として杉浦が姿を現します。

という内容です。
前川(現在)→杉浦(過去…

1

傍若無人なアナタ 小説

火崎勇  海老原由里 

本当に傍若無人な攻め

丸ごと1冊表題作です。

婚約者に男と逃げられて呆然としていた小野瀬(受け)。そこへ、仕事の相手先である鹿波(攻め)に別荘へ連れて行かれて口説かれます。ちょっとときめいていたところに、鹿波の弟が、婚約者の男だと知ります。小野瀬が問い詰めると、鹿波は弟が入籍したと連絡をしてくるまで、小野瀬が邪魔をしないように足止めをしていたと言った後、突然襲い掛かり…という話です。

評価は中立寄りの「萌」…

2

滴る蜜の淑やかな誘惑 コミック

ふゆの仁子  海老原由里 

王道すぎて物足りない

ふるの仁子さんの小説「滴る蜜の甘い情熱」のスピンオフ作品のようです。
小説未読でも読むのに支障はありませんが、他の2カップルについて、何やらストーリーがどこかであるんだろうなというのは、冒頭部分で感じます。

この作品が気に入ったなら、そちらも読もうとは思ったのですが…、うーん、ちょっと王道すぎて物足りませんでした。

最初、ソムリエ祐真(攻め)目線から入ったので、主人公は祐真なのかなと…

1

徒花は炎の如く 小説

名倉和希  海老原由里 

ヤクザなのに可愛い攻め

スピンオフとして、夏樹の部下である竹内の「ひそやかに降る愛」が出ています。私は先にそちらを読んで、竹内の「あの二人のすごいってところは…」というセリフに惹かれて購入しました。

すごかったです、いろいろと(笑)一気に読み終えました。

「徒花は炎の如く」「徒花は夜に咲く」の中篇2本立てです。
「炎」は、夏樹目線が主人公。欣二との馴れ初めと二人が同居するまでの話です。
「夜」は欣二目線が…

3

真昼の月 下 小説

いおかいつき  海老原由里 

天然のタラシ

《真昼の月4》中巻からの続き。秀一が東京に行って情報収集して一気に解決。真崎の件で「辰巳ひどっ」と思ったけど、辰巳自身、自分自身を囮にしてしまうあたり、自分の命もそんなに重くないというか、生への執着がないのかなと。秀一が思わず辰巳を助けてしまった自分に舌打ちするのがツボ。
《真昼の月5:最終話》秀一が刑事を辞める原因となった元相棒の東郷が現れて秀一を拉致監禁する話。辰巳が焦るわ怒るわもう大変。そ…

2

真昼の月 中 小説

いおかいつき  海老原由里 

少し残念

《真昼の月3》初めての調査依頼で殺人事件に首を突っ込むの巻。高遠息子と辰巳の過去の因縁はいいとして、暴力団追放運動は余計だった気がする。それより、組長が高遠父にどんな非道なお返しをしたかが読みたかった。辰巳が、ヤクザ物でよくある冷酷に見えて人情に厚い舎弟思いな任侠の人でないのが新鮮。かなりヒドイ人なんだけど、暴力が快感とかいうのでないからかな、さほど嫌なかんじはしない。
《真昼の月4》関東のヤク…

2

真昼の月〈上〉 小説

いおかいつき  海老原由里 

思ったほどシリアスではなかった

思ったより軽め。リアルヤクザを求めると外すけど、痛快娯楽系としては十分面白い。
《真昼の月1》元マル暴の刑事、神崎秀一が、祖父から遺産相続した雑居ビルの店子が引き起こした事件に絡んで、桐山組若頭の辰巳剛士に見初められるというか、目をつけられる、2人の始まりの話。いろいろストーリーの都合がうかがえる不自然さが気になったが、勢いで乗りこなした感じ。
《真昼の月2》秀一くん、今度は麻薬密売に首を突っ…

3

ヘンゼルと魔王の家 小説

鳩村衣杏  海老原由里 

筋の通り具合が気持ちが良い

ラブ+家の売買の話に、上手いこと「ヘンデルとグレーテル」を入れ込んでいます。

不動産会社に勤める辺善(ヘンゼン・受け)は、小説家である興津真法(まさのり・攻め)の家を担当することになります。興津は一軒家の物件でトラブルを起こしており、不動産業界内で「魔王」と呼ばれていました。辺善も、興津の傲慢さに最初は断るものの、最終的には興津の信頼を得て、その一軒家は「魔法使いの家」というケーキで有名な、…

4
PAGE TOP