花郎藤子さんのレビュー一覧

寂しい金魚 小説

花郎藤子  佐々成美 

なかなか壮絶でした。

女子高の講師をしていた八尋は、ある日、教え子とその恋人でヤクザの下っ端に騙され教え子の父親への恐喝の罪を被せられた。
教え子を取り戻そうとするが、幹部である新堂のある計画のためにヤクザにとらえられ売春婦たちと暮らすことに。
売春婦の1人と逃亡を試みた八尋は、その罰として新堂に抱かれとらわれることに…。

一教師からヤクザにとらわれるというと、表から裏へ反転するように世界が変わるわけですが、…

6

鬼火 ホラー競作集 小説

花郎藤子  吉田珠姫  峰桐皇  美樹静  波津彬子 

レベルの揃ったホラーアンソロジー

花丸文庫の中でもこれは珍しく4人の作家によるホラーアンソロジーです。
これがですね、実に出来が良いんですよ。
ホラーというテーマのチョイスがいい具合に働いていて、各作家の色と持ち味がよく出ていて、夜寝る前に1話読んで寝るにはぴったりな一冊。
文中に挿絵が一切無いんですがこれはむしろイメージを膨らませる効果に繋がっていてそこがいい!
その代りイメージフォトと各話の前に黒地に白文字で作者の言葉…

0

ウルバンの月 小説

花郎藤子  佐々成美 

うひー、面白かった

初読みの作家さんだったんですが、めちゃくちゃ面白かったです。
しっかりした文体と押さえた筆致で描かれる物語世界。プチホラーです。
BLとして考えるとラブ要素もエロ要素が薄くて、一般的なBL読者には物足りないかも知れないと思いましたが、私はこういうのかなり好きです。

冒頭の家系図を見たときに、この婚姻関係がストーリーに深く絡んでくるのかしらと思ってちょっとひるんだんだけど、ひるむ必要はなかったです…

2

セントエルモスファイア 小説

花郎藤子  円陣闇丸 

微妙

BLらしいBLというには語弊があるし、いろいろ、それでいいの、と突っ込みたくなるところが、なんだか昔の耽美なJuneっぽいかも?

こうして見ると、円陣さんもかなり絵が変わりましたね。

0

廃園の番人 小説

花郎藤子  香雨 

独特

外国人同士、しかも受けには秘密があって、トラウマがあって、BLというジャンルの中では設定も、文体も、すごく異質ですが、昔のJuneっぽい耽美系とも違うかも。

よくあるBLじゃないものを読みたい、という人には向いているかも。
わたしは好きです。
ツンデレというか、ツンツンでタカビーな受け、飄々とした大型ワンコ攻めを楽しめる人にも向いているかも。

2

黒羽と鵙目 8 小説

花郎藤子  石原理 

密かに待ってました

ノベルス版で読んできたので
文庫の版になってしまって実はちょっと残念。
本棚に並べたときの景観が損なわれます(泣)
しかし、多分文庫のほうが少しプライスダウンのはず。

文庫の刊行が始まった当初から収録はノベルスと同じ?
書き下ろしはあるの?(あったの?)
8巻はノベルスの7の続きと思ってOKなの?
等、色々疑問に思ってましたが、7の続きでOKのようです。
文庫に書き下ろし等はな…

2

禽獣の系譜 下 小説

花郎藤子  石原理 

2度は読まない類の本です。1度読めばかなり強く心に残る。

極道の組長のひとり息子として生まれながらも
闘争心がなくゲイとして育ってしまった烈。
父親の死後、抗争に巻き込まれて堕ちていくお話。

極道の世界の中で烈がゲイであることをマイナスとして
書かれているんですよね。
ちっとも報われない・・・。
憧れ、愛し続けた黒羽に抱いてもらえるようになっても烈は
どこかかわいそうに見えた。
最後まで黒羽の気持ちは、はっきり見えなくて
読んでいて…

2

禽獣の系譜 上 小説

花郎藤子  石原理 

禽獣の巣に、間違って産み落とされた小鳥

北日本を支配する木賊組の組長の死により
ひとり息子の烈が、極道の抗争に巻き込まれていく
というお話なんですが

烈は17歳。
色が白く世間に疎い美少年。
とても極道を背負うようなタイプではないんですよね。
禽獣の巣に、間違って産み落とされた小鳥のような烈は
たやすく地獄へと堕ちていくんですよね。

物語の主人公だというのに
烈に課せられたシナリオはシビアで憐れでした。
上巻…

3

黒羽と鵙目 7 小説

花郎藤子  石原理 

鵙目という男の面倒背負い込み体質は悪化をたどる一方

黒羽と鵙目・・・7巻も途中で終わっています。
♂と♂の恋愛小説だと思っていたのですが
巻数を重ねるごとに彼らの終着点がズレてきたような気がします。

ここ数巻は、黒羽組(鵙目含む)VS 警察(鳩子の父親)という
戦いが繰り広げられており・・・

ひょんなことから知り合った鳩子やマサルや祥・・・
親の愛情をまともに受けれなかった子供たちに手を差し伸べる鵙目は
児童擁護員と化しており…

2

黒羽と鵙目 6 小説

花郎藤子  石原理 

主役を取り巻く人たちのゴタゴタ

6巻では、マサルの初恋
鵙目の姉と、元旦那の子供と愛人・・・
と、なんだかひと波乱ありそうな雰囲気を残したまま
何一つ未解決で7巻へつづくといった感じでした。

鵙目がとうとう黒羽のアレをしゃぶるという
歴史的瞬間が納められているのですが
それもなんだかひっぱったわりに
けっこう軽くやってて・・・
もう少し丁寧に書いてくれてもよかったなぁと思いつつ
そこらへんの匙加減は花郎さん…

4
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