みみみ。
『それでも恋する迷探偵』にも登場した谷が攻めとなって登場し、警部補として登場した川野の弟の総悟目線で、彼が谷への想いを募らせていく様子が描かれていました。谷はずっと瞬を好きだったようで、それは総悟と深く付き合うようになってからも変わらず、最後の方までかなり切ない物語となっています。谷は瞬では埋まらない寂しさを総悟で埋めているわけではないし、ちゃんと総悟には総悟の魅力を感じて付き合っているのだろう…
ストーリーのテンポも良く、メイン2人の掛け合いも可愛さが溢れていて、読み応えも萌えも十分得られる1冊でした。ワンコ年下攻め×強気年上受けということで、攻めの松田が受けの榎本に厳しい言葉をかけられるシーンが何度かあるものの、榎本の厳しさは彼が自分に対して何かを戒めていて、その余裕のなさから来ているんだろうなというのはもう序盤でなんとなく感じ取れます。逆に、松田は何度凹んでも、常に余裕が残っているよ…
中盤まではありがちなストーリーかなぁと思ったんですが、中盤以降の展開に思わず悶えるほど萌えを感じて一気に評価が上がりました。それこそ宇宙人のような行動の読めなさと屈託のない明るさを持っているゲイのジョージ。コインランドリーで彼と遭遇してしまったノンケの瑛人は、自分の部屋の隣に越してきて、しかも彼氏もいるという彼に振り回されながらも、時折見せる健気さや寂しそうな表情とのギャップに惹かれていきます。…
終盤からの怒涛の展開は、きっと読者によっていろいろ解釈できるものだと思います。最初に読んだ時は感情を整理するのが難しかったけれど、今は希望や温かさが溢れている作品だったなぁと感じています。凪の父が話してくれたことの真偽は、正直私にはまだよく分かりません。完全なファンタジー作品だと捉えるなら本当なんだろうけど、そういうジャンルの話だと感じたわけではないので、私はすべて鉄太が作り出した世界だったんじ…