円陣闇丸さんのレビュー一覧

暁に堕ちる星 小説

和泉桂  円陣闇丸 

抑圧は体に悪いことがよく解りました

『抑圧されて育つことがどれだけ不幸を生むか』について深く考えさせられた物語でした。
それもねぇ、今作の主人公である貴郁は、養子に入った和貴に捨てられまいとするあまり自分で自分を縛ってしまっているから、他者からの力によって抑圧されているよりもたちが悪い。
そんなことを思っていて、ハタと気づいたのは、このシリーズは清澗寺家の淫蕩な血を巡って展開していますけれど、実は『家』というものに抑圧され続ける…

7

太陽は魔狼に耽溺す 小説

鹿嶋アクタ  円陣闇丸 

学習した魔狼は可愛いが

円陣先生なのでマストバイ。北欧神話ものでした。攻め受けともなぜかそんなにシンクロせず、サクッと読み終えてしまったので萌。神話の???に気を取られ過ぎたのかも。本編260P超+あとがき。

双子の姉(ソル、太陽の運び手)はスコール(狼、フェンリルの子孫)に丸のみ、双子の弟(マーニ、月の運び手)はハティ(狼、フェンリルの子孫)に丸のみ。その結果、太陽と月が消え神々の黄昏(ラグナロク)の始まり始まり…

1

暁に濡れる月 (下) 小説

和泉桂  円陣闇丸 

サーガならではの面白さ

いやー、面白かったです。
上巻の感想にも書きましたが、私はこの第2部の方が好きみたい。
弘貴と泰貴の双子兄弟が様々なすったもんだはありますが、それらを軽やかに(特に弘貴!)飛び越えていくのが小気味よかったです。

それと同時に、彼ら第3世代が飛び越えた清澗寺家の呪い(と言って良いのか?)を和貴の世代がどうして超えられなかったのかが、より良く解った様な気がするんです。
やっぱり戦前には『家…

4

太陽は魔狼に耽溺す 小説

鹿嶋アクタ  円陣闇丸 

3000年の時の果てに

今回は北欧神話の神を殺した魔狼と
北欧神話の神に命を狙われる大学生のお話です。

攻様と神の因縁に巻き込まれた受様が
攻様の番として幸せを掴むまで。

受様はごく普通の容姿で
ごくごく普通の暮らしをする大学生です。

大学入学で親元を離れ3ケ月、
人恋しさからあわよくば彼女をと
ゼミの飲み会に参加します。

しかし恋愛下手な受様の成果はいま一つ、
それでもいい気分でアパ…

3

暁に濡れる月 (上) 小説

和泉桂  円陣闇丸 

この昼ドラテイストがたまりません!

続けて読むと体力を消耗する様な気がして、だいぶ寝かせてしまっていた『清澗寺家シリーズ』。
終戦直後から始まる第二部は、私的には第一部よりも非常に好みでした。
もう読んでいる最中、ウキウキして仕方がなかった。
あとがきで和泉さんは、ここからでも読めるように書いたとのことですが、このシリーズを目一杯楽しむためには絶対第一作から読んだ方が良いと思います。
その方が「え、あの人がこんな感じで絡んで…

3

百年の恋 小説

高尾理一  円陣闇丸 

受けの人格が同じ

この作品を読んだ前日に「傲慢君主の専属契約」を読んだのですが、受けの職業が違うだけで他は全く同じだと思いました。
2作品とも完成度は高いと思いましたが、私はどっちかを読めば十分だなと、両方を読んでしまうとテンプレートかよ!と思ってしまって逆に価値を下げるような気がしました。

独特のバタ臭い表現とか、仕事に誇りを持っているところ、仕事で実力があり評価されているところ、攻めに最初は不当に酷い扱…

4

太陽は魔狼に耽溺す 小説

鹿嶋アクタ  円陣闇丸 

ハラハラドキドキする展開にページを捲る手が止められない。

作家買い。

鹿嶋さんは個人的にあまりハズレがない作家さまなのですが、今作品も超面白かった。鹿嶋さんの新刊は鹿嶋さんがお得意とするファンタジーもの。北欧神話がベースになっていますが、北欧神話についてさほど知らなくてもきちんとわかる展開になっています。

という事でレビューを。






主人公は大学生の太陽。
太陽、と書いて「ひなた」と読む。
彼は高校生までサッカーに明…

8

好奇心は蝶を殺す 小説

北ミチノ  円陣闇丸 

ラストがっ!

『寄宿舎学校で不慮の死を遂げた従兄弟の死因に疑惑を抱いたアルベールが、以前からその学園にいた幼馴染み(ジェレミーも含めた3人で大変仲の良い関係を築いていた)レイヴィスと一緒に、その真相を探る』というミステリです。

5つのカップル(1つは『カップル』と言って良いのかどうか解りませんが)と、それに絡んでくる2人の愛憎が書かれていますが、それらの関係性が『1対1が6つ出てくる』という感じなので『複…

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好奇心は蝶を殺す 小説

北ミチノ  円陣闇丸 

繊細に綴られる、少年達の恋と成長の物語

こちら、名門寄宿学校を舞台に語られる、少年達の恋や成長を描いた物語で群像劇になります。
群像劇は群像劇でも、同じ場所、同じ時間軸を舞台に、少年一人一人の視点でそれぞれの物語が語られるー。
で、最終的に一つの真実に繋がると言う形なんですけど。

視点がコロコロ変わるので読み辛く感じる方もおられるかも知れませんが、個人的にはこの手法に、大いに楽しませてもらえました。
最終的に一つに繋がり、見…

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墨と雪 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

なぜ今まで読まなかったのか…!

購入してから結構経ってしまいましたが、今年続編が出るとのことでしたので、満を持して読みました!
結果、どうしてもっと早く読まなかったのか〜〜!!!(*>Д<)
今回の主人公は甘い水で当て馬だった篠口氏です。
当て馬と言えど、ソフトな当たりとスマートな対応力に当初からかなり気に入っていたキャラでした。
そんな彼が受けで主人公なんですから、それはもう最初からポイントが高いに決まって…

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