木春菊
前巻で少し関係が拗れてしまっていた由紀夫と大和。今作は大和が孤独を紛らわすため藍を呼び出すところから始まります。藍に居場所を与えてやりたくても、そもそも自分だって居場所を持ってないんだと自虐する大和の背中がとても小さく見えました。後日、意を決して大和の部屋に上がり込んだ由紀夫が大和の父の死に切り込んだことを皮切りに、2人はようやく互いの本心を晒し合います。そこで濡れ場に至ったので、想像より早い段…
◆赤と黒(表題作)
こちらはまだまだ先が気になる展開といったところです。『ROUGE』で藍が崇拝していた大和と、側近の由紀夫の物語。『ROUGE』では大和よりも無表情なことが多く何を考えているか分からなかった由紀夫ですが、今作では主人公であり内心に秘めている大和に対する想いを饒舌に語ります。大和は自分の弱みや心の奥底の感情は誰にも見せてはくれません。でも本当に深いところでは背負うものの重さに悲…
◆ROUGE(表題作)
後に発行される『赤と黒』シリーズの原点となる作品ですね。高校2年で一番強い長門が、過去に輪姦されていた同級生の藍の心を溶かしていくストーリー。絵に描いたような不良高校ではありますが、長門自身が特に喧嘩が好きで他人を自分の配下にしたいと考えているわけではないので無駄に抗争はなく、長門と藍の関係に集中できるところが良かったです。藍は強姦される日々から解放してくれた3年の大和…