榎田尤利さんのレビュー一覧

交渉人は諦めない 小説

榎田尤利  奈良千春 

痛くて苦しくてツライ


【交渉人は嵌められる】と前後編になっているお話。
前作からレビューを書こうとしたのですが、平常心で書く自信がなかったもので(笑)
以下、感想中心になりますがご勘弁願います。

芽吹がどんな人間であろうと自分には関係ないし、決して手放さないと言っていた兵頭があっさりと彼を手放した。
一人の大切な人間と大事な組を天秤にかけた結果、組の方に傾いちゃったのでしょうか…心では理解しているのにそ…

8

交渉人は振り返る 小説

榎田尤利  奈良千春 

自己陶酔と自己暗示


他人であろうと善人でも悪人でも“信じられる”と自己暗示をかける主人公・芽吹と、そんな彼が聖人君主であろうと極悪非道であろうと“芽吹章”である限り手放す気はない攻め様・兵頭のお話。
物語の中盤からどんどん雲行きが怪しくなり、今までの作品よりもどんよりと重い雰囲気を纏う本作。
芽吹の過去のしこりが少しずつ明らかになりつつも、そんなものはどうでもイイと吐き捨てる兵頭。
振り返る芽吹の顔を前に向…

1

交渉人は疑わない 小説

榎田尤利  奈良千春 

『芽吹、ホストになる』の巻


【交渉人シリーズ】二作目でございます~!
交渉人、またの名をネゴシエーター、ネゴ屋(ネコ屋ではない)を営む主人公・芽吹とそんな彼に執着する極道者の攻め・兵頭のお話。
うううん今回も相変わらず面白い!

冒頭はあるホストくんの一人語りかと思いきや…あれ?あれれ?あれれれれ?となってしまうほど場違いな会話を自称25歳の芽吹ホストが繰り広げてるじゃないですか(笑)
最初の数ページでここまで…

1

交渉人は黙らない 小説

榎田尤利  奈良千春 

面白い。とにかく面白い。


交渉人、またの名をネゴシエーター。

ごく一般的な生活をしていれば馴染みのない職業である受け・芽吹がこの作品の主人公。
お話は遡って高校生時代、先輩後輩関係であった二人が極道者と交渉人という、以前よりもずっと近い関係で再会してから…というものです。

芽吹にとって攻め・兵頭は過去に自分を犯した男。
ゆえに二度と会いたくないと思っていたのですが、そんな意思とは裏腹に、兵頭は芽吹に妙に…

5

はつ恋 小説

榎田尤利  小山田あみ 

やり直した人生

 31歳でやり手の弁護士、久我山は、高校の同級生で今は歯科医の本城から、高校2年生のときの担任だった曽根の訃報を聞きます。

 久我山が夢を見ていると思ったら、彼が居る場所が今はもうないはずの実家、自分の家、なのです。そして、17歳のころにタイムスリップしていると自覚してしまうのです。

 もう一度17歳をやり直すことになった久我山ですが、大人の彼もすごく冷めているのに、今更なにかときめく…

3

愛とは言えない(1) 小説

榎田尤利  町屋はとこ 

一度コミックを読んでいても

 英と平が出会ったクリスマスイブの日、橘高と彼の後輩である目も偶然再会します。
橘高の経営するレストランで一人で食事をする目を、橘高は気になって仕方がないのです。
 
 父は実業家、母は高貴な家の出自ということで、何もかもが完璧すぎる橘高が、唯一落とせなかったもの…。それが目であり、今夜はこうして彼が目の前に居るのです。そして、契りを交わすのです。

 目はこの夜のことを「魔が差した」と…

1

erotica 小説

榎田尤利 

読むつもりはなかったのですが…

 元々この手の話はかなり苦手なので、手にする気はありませんでした(笑)

 しかし、たまには自分が苦手とか、好きではないと思っている作品に手を出すのもいいのかもという思いあり、読んだ1冊です。『書生の戀』以外は生々しいエロティックな雰囲気や行動ばかりで、これは正直好きになれませんでした。

 『書生の戀』では、廿楽の書いた『土蔵の蝶』を読んだという、松岡からの手紙から始まります。廿楽の作品…

6

永遠の昨日(新装版) 小説

榎田尤利  紺野キタ 

願いが叶ったその先

 女性のような顔立ちでどこかつんとしている満。そして、その彼がとても大好きなのが浩一です。

 浩一は、満に万が一のことがあるといけないからと、いつも車道側を歩いていたのですが、その万が一が本当に現実になってしまうのです。車にひかれて、普通だったら即死の状態ですが、なぜか浩一は普通に歩いたり、話したりすることができます。体は血だらけだし、一部裂けてしまっているのになぜかまるで生きているかのよう…

7

夏の子供 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

つながる命

前作で色々と足りなかった部分を得た魚住はそれによって苦しみとも対峙し、自立していきます。
久留米との関係も進展します。
ジタバタ悩んでいたはずなのに久留米の節操のない求め方にちょっと驚きました。
「夏の塩」「夏の子供」とも登場人物がとても魅力的で印象に残ります。
命は生まれ落ちたときからたくさんのものとふれあい、いずれ消えていく。
そのふれあいの中で伝わることは確かにあってその繰り返しが…

1

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

ジャンルはBLでくくらなくても良いのでは

魚住くんシリーズの存在は知っていたのですが文庫版の新装版が単行本ということで本が高いです。
なかなか手が出せないでいました。
榎田さんは2作目です。もしかしたら良い順番で読ませて頂いたかも。
この作品はBLというジャンルでくくらなくても良いような気がしました。

「命」は必ず「死」を迎えます。
作中でもたくさんの「死」が語られ「生きている」登場人物の中に作者の真摯な視線を感じます。

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