伊勢原ささらさんのレビュー一覧

Life is Beautiful 小説

伊勢原ささら  斑目ヒロ 

「生き直し」ができた人の物語

この本を読んで思い出した二つのことがあります。
★「命の電話」のボランティアをする知人の話だと、死のうとする前に電話をかけてくるのは、死に迷いがあるからで、留めて思い直してもらう見込みは、かけてきた時の会話次第、聞き上手になることなんだそうです。

★知人の妹の場合は、死にたがりでした。死にたい一念に駆られていて、電車に飛び込んだり、手首を切ったり服薬したり未遂を重ねて、六度目の自殺で亡くな…

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「さよならガラスの恋心」電子限定おまけSS「最強のライバル」 グッズ

ゲーム開発者ってすごい

攻の副島視点。
本編の後、副島と夏季が同居し始めたことがわかります。
副島が強いている訳ではないのですが、夏季は家事も(もちろん料理も)全力で頑張っているようです。

そんな夏季の目下のお楽しみは、「ふんわりベアの農園づくり」という、副島が開発したゲーム。動物たちが農園を耕したり料理をして他の住人をディナーに招待できたりするもので、夏季はどハマりしています。ある日、副島が早く帰宅すると、夏…

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さよならガラスの恋心 小説

伊勢原ささら  麻々原絵里依 

表紙の雰囲気通りの作品

電子書籍で挿絵なし。
電子だと表紙の絵しかないので、攻の副島の顔がわからないのは残念。麻々原先生の素敵な絵柄を頭に思い浮かべながら読みました。

見た目は怖いけど懐が深いサラリーマン×あまりにも不憫な人生を送っている定食屋のバイトです。

シリアスで重たい作品。受の夏季の、「体調がすぐれず時折頭がぼんやりする」ことの真相がとても辛いです。夏季の場合は、精神的に受けたダメージがあまりにも致…

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嫌われ魔物の大好きなひと 小説

伊勢原ささら  テクノサマタ 

泣かされっぱなし

魔物の青がとにかく良い子で、子供の頃の正人との出会いからずっと泣かされてしまいました。

純真で優しくて自分に対しては無欲で、正人の幸せだけを願って記憶を消してしまう青に号泣でした。人間から酷い目にあっても決して恨まない、とても純粋な生き物である青の幸せを願わずにはいられませんでした。

地球環境の悪化によって自分の命が短いと思った青が正人と再会出来た後も、自分を犠牲にしてまで他者を思いや…

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真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

切なさで堪えきれず泣く

高槻士郎(32歳)ガラス工房勤務の元商社マン x 草薙凛(17歳)心的外傷で話せない元妻の弟

士郎は相手を労わるどころか、子供時代の経験から、人が苦手。
エリートだったが会社で嵌められ、長野の田舎で一人生活している。
そんな彼の元妻が、ずっと離れて暮らしていたワケあり弟の凛を、
半年間だけでも見て欲しいと連絡をしてくる。
いやいやながら、断りきれず承諾。
声が出なく、人形のように感…

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真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

降りしきる雪のような、静かな愛の物語

DVで声が出なくなった凛が、ガラス工房見習いの士郎と出会って変わっていく恋物語です。
でも、変わっていくのは凛だけではありません。凛との同居生活で士郎は少しずつ人間らしい情を知っていきます。

彼らが少しずつ心を通わせ合う心理描写は繊細で、丁寧で素晴らしいのですが…それ以上に、長野の山奥で暮らす彼らの生活や日々の天気の様子などが本当に美しいです。

しんしんと降りしきる雪、冷たく降り注ぐ…

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真白に綴る愛しさは コミコミスタジオ限定特典小冊子 希望のぬくもり グッズ

幸せで上書きを

本品は『真白に綴る愛しさは』のコミコミスタジオ特典小冊子です。

本編後、凜視点で姉夫婦に2人の関係を打ち明けるお話です。

去年のあの日と同じ日にまたスカイパークに行きたい

この1年に、凜は姉夫婦にあうために何度か高槻と東京に出て来ますが、
高槻に置いていかれてしまうかもしれないと思ったショックと悲しみを
思い出しそうでスカイパークに行けませんでした。

けれど、見方を変え…

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真白に綴る愛しさは コミコミスタジオ特典SSカード はじめての看病 グッズ

凜のお返し

本品は『真白に綴る愛しさは』の コミコミ特製イラストカードで、表面
が文庫本カバーのカラーイラスト、裏面に番外SSが掲載されています。

SSは本編後、高槻が風邪をひくお話です。

高槻が風邪を引いた日。38度以上の熱は生まれて初めてという高槻に凜は
はりきって作った卵がゆをレンゲで差し出します。

嬉々とした凜に『あ~ん』を強要される前にと高槻はかゆをがつがつと
かきこみ、凜は…

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真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

少しづつ近寄っていく2人にうるうるです

今回は元商社マンのガラス工房職人と話せない元妻の弟のお話です。

攻様視点で元妻に押し付けられた弟がかけがえのない人になるまでと
受様視点で恋人同士になってからの後日談を収録。

攻様は10才の時に良心の経営していた町工場が不況の煽りで倒産し、
どん底の生活の果てに両親は心中を選び、残された攻様は貧乏な
生活には二度と戻りたくないと決意し、努力を重ねます。

一流の国立大出て総…

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真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

多幸感に包まれる

伊勢原先生の投稿作品を大幅改稿したお話とのこと。波長が合ったのかお話に入り込めて、良かったので萌2にしました。スカイラウンジのシーンは読み返して涙ぐんじゃったです。健気な子はそんなに好きではないはずだったのに。伊勢原先生の雰囲気ぴったりだなあと思う繊細なガラス細工のようなお話、攻め視点本編260P超+結ばれてから10日後の受け視点SS14P。

東京での商社勤めを辞め、長野のガラス工房に弟子入…

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