yocoさんのレビュー一覧

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

恋する想いは脳が作った幻なのか

ちょっと変わったお話でした
小学校から高校まで一緒の幼馴染の一方がいつしか恋心を募らせやや強引に手に入れるのですが、一方は友情としては好意がありながらも恋だの愛だのの想いは持っていなかったというところから始まります。
それでも体を許したのだから段々と恋する思いが育って行く物語なのかと思いました。
攻めの背景からして資産家の家とか親の会社の後継問題とか多難そうな障害を乗り越えて行く展開とかあり…

4

堕ちた天使は死ななければならない 小説

吉田珠姫  yoco 

主人公の生き方が健気

こちらの作品はミステリーです

主人公レイモンドは母親に虐待されて育って
たぐいまれなる美貌ゆえに4歳で修道院というカルト団体にさらわれ
解放された時は7歳だったという非常に困難な人生のスタートでした

解放されても引き取る母はすでに亡くなって
施設に入っていたところ母の友人リサが後見人になってくれて
モデルの仕事をして細々と収入を得ているけれど
ほとんど引きこもりの生活

6

堕ちた天使は死ななければならない 小説

吉田珠姫  yoco 

翻訳もののように感じられるうまさ

まるで翻訳小説のような地の文。
吉田さんには大正昭和初期のような文体で書かれる作品もありますので、舞台によって変えられているのだとすると本当にすごい作家さんなのだなと感じます。
わたしは翻訳物が好きなのですが、苦手な方はもしかしたらこちらダメかもしれません。
ただミステリー系がお好きな方には楽しめると思いますよ。
そこまで犯人を伏せているわけではないので謎解きという点を楽しむのではなく、雰…

3

パブリックスクール-群れを出た小鳥- 小説

樋口美沙緒  yoco 

2冊続けて読むべき。

1冊目の『パブリックスクール-檻の中の王-』より、この2冊目の方が断然面白かった。1冊目がイマイチだと思った人も、とりあえず2冊目まで読んでから判断して欲しいと思う。

キャラについて。
 礼の成長ぶりは好ましかった。オーランドに背中を押されて狭く薄暗い世界から自分の足で飛び出して、日本に帰国してからは自立して、可愛いコマドリちゃんもそれなりに逞しくはなっているけれど、やっぱり好みじゃなかっ…

7

パブリックスクール-檻の中の王- 小説

樋口美沙緒  yoco 

樋口さん作品は読み応えある

 以前から選民意識を持つ貴族階級のイギリス人が嫌いで、そのせいでイギリスという国自体が好きじゃなくて、でも芸術や文化はまた別物だと思っているからイギリス映画やイギリス文学には親しみがあって・・・という私は、基本的にはパブリックスクールものにも興味が持てないため、この作品も避け続けてきた。
 ところが!『パブリックスクール -ツバメと殉教者-』のスタンの表紙イラストに胸を撃ち抜かれて、読んでみたら…

4

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

大人腐女にもオススメ

いい作品です。私のような年齢を重ねた女子たち(笑)にも、確かな読み応え。
読後感は、まるで文芸書のようなほろ苦さ。
苦手な方もいらっしゃるでしょうが、すごく好きな方も多いのではないでしょうか。
あちらこちらに美しい比喩があって、うっとりします。
続編があればいいな、なさそうだけど。

17

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

はじまりのキス、いろんなキス

一穂先生の作品はどれも好きなんですが、個人的に今作が一番好きかもしれない…というのが読後一番の感想。
以下、あらすじ無視な感想で失礼します。

まず苑の子供時代の不憫さが悲しくて辛かった…。
諦める事を早々に覚え、波風起こさず毎日過ごすだけの苑にただ一人構う明渡。
そんな明渡との長い付き合いの話なんですが、明渡から向けられる好意に対し苑は、最初は罪悪感をも伴い惰性的で流されているだけなも…

10

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

攻め視点もほしかった!!

 評価が二分されているようですが、私は好きな作品です。
 一穂先生の作品の中では、『ナイトガーデン』に一番雰囲気が近いかなと思いました。

 親からほぼネグレクトに近い育てられ方をしてきた苑と、ずっとその近くにいた幼馴染の明渡。お坊ちゃま気質でマイペースな明渡に絆され、頑なだった苑の心が徐々にほぐれていくのですが、苑が自分の気持ちを自覚した直後に不幸な出来事が二人にふりかかるんですね。

4

パブリックスクール -ツバメと殉教者- 小説

樋口美沙緒  yoco 

読んで損はなかった

 たくさんの素敵レビューがあるから今更の投稿を迷ったけれど、まだ読んでいない人に「ともかく読んでみて欲しい」と訴えたくて、僭越ながらレビューしている私。

 話題になっていた人気シリーズ作品のスピンオフは価格が高い単行本。パブリックスクールの話は特に好みって訳じゃなかったし、絵師さんが苦手だから、決して手に取ることはないだろうと思っていたのだけれど、書影を見た瞬間に心臓を鷲掴みにされてしまった…

2

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

非常に重いストーリーだけれど

作家買い。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。




この作品は攻めの明渡のことが好きになれるかなれないか、で評価が分かれそうだなと思いました。

ネグレクトされ、親から愛されずに大きくなってきたがゆえに、愛情というものを知らない苑。そんな苑を、大きな愛情で包み込むのが攻めの明渡。

自分に自信を持てず、半ば投げやりに生きてきた苑は、明渡の愛情を持て余しながらも…

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