木村ヒデサトさんのレビュー一覧

マリアボーイ コミック

木村ヒデサト 

ぶっ飛んでいるヨシキの感情は実は誰でも持ちうるのでは

 表題作の主人公ヨシキがなかなか見ないタイプの受けで、斬新な作品だなぁと思いつつも若干理解の及ばぬところもあり。重いトラウマを抱えているとか、両親にまったく愛されなかったとかいう分かりやすい心の闇ではなく、そもそも寂しがり屋で誰かが傍にいてくれることに安心を見出してしまう孤独な心。誰でも陥りそうなリアルな感情だなと感じました。こんな関係は不毛だと分かっていても抜け出せないもどかしさとか。ヨシキの感…

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マリアボーイ コミック

木村ヒデサト 

えぐみを突き抜けた後の爽快さ

個人的には読後感最高の木村ヒデサト先生の作品。表紙通りのえぐみも痛みも作品の中にはあるのですが、狂気と喜劇のバランスが絶妙で、何故か清々しさが残ります。

登場人物になんらかのラベルを貼って読み進めているとドカドカ裏切られる作品です。ただその辺一切説教臭くはない。

◾︎町田なおと(モテる 夢は美容師)×岡本しゅう(金髪から黒髪に)
しゅう君は、幼馴染に片想いするちょっと影のある奴かと思…

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おれ、被害者 コミック

木村ヒデサト 

BLの中のUMA

本当に心休まるBLが1本も入ってないよ!木村先生!!
どろっとした短編ばかり詰まっています。凄まじいえぐみと狂気。萌では決してないのですが、萌という評価ボタンしかないので仕方ない。
一つ一つの作品に言及したい気持ちはあるのですが言葉にし辛く、自分は好きですけど人には勧められない作品です。キッツーと漫画うまいなぁーと2つの感情が湧き上がる。
BL漫画なんですけど、BL漫画読んでるっていうより一…

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鬼は笑うか コミック

木村ヒデサト 

来年の事を言えば鬼が笑う

表紙と中身の雰囲気が違う気がするので、表紙が理由で買ってない方はぜひ

木村ヒデサト先生のえぐみにじわじわと侵食されながらも確実にBL漫画的萌もある作品です。

強姦から始まるラブなBL漫画を何本も読んでおいて何言ってんだって話ではありますが、未成年への性犯罪者が出てくる作品には精神が疲れますね。
中学生ぐらいまでしか感じないような性への何かとか、高校生ぐらいまでしか感じないような性への…

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きみはいつか、ぼくの声をきく 小説

中庭みかな  木村ヒデサト 

光なのか闇なのか

中庭みかな先生、初めて読みました。

高校生の男女四人が、それぞれに親密な繋がりを求め合う物語。

真幸は心因性による発話障害があって、学校では居場所がない。小学生の頃から幼馴染みだった純太がずっと真幸を守ってくれていたけれど、純太に美由紀という彼女ができると、その子が真幸に嫉妬して友人関係が拗れていきます。更に真幸を構ってくる転校生の実波が加わり、今度は純太が実波に嫉妬して泥沼化していく…

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おれ、被害者 コミック

木村ヒデサト 

万人ウケはしないbl

基本的には明るい感じ(絵柄のおかげもあるかもしれませんが)の話が多い短編集ですが、少し毒がある話なのではという話が多かったです。ていうか私的には昨日の話と今日の話以外はそんな感じに思えました。
未確認の証明は後味が最悪ですし、おれ、被害者の首吊りのシーンはゾワっとしました....
メリバ好きかつ明るいタッチの話が好きな方は好きだと思います。
私も好きなのですが、人に勧める本かと言われるとうー…

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鬼は笑うか コミック

木村ヒデサト 

反芻したい本

「生理」というテーマで描かれるBLに初めは全く予想することもできませんでしたが、途中からは何度も泣きながら読み進めていました。

大事なところは他の方が先に書かれていると思うので、私が気になったところだけ書きます。ネタバレ含みます。




ファミレスで柏瀬とお父さんが話す場面。
店員さんがソーダフロートを柏瀬に、ホットコーヒーをお父さんへと自然に置き、それを二人がまた自然に置き換…

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きみはいつか、ぼくの声をきく 小説

中庭みかな  木村ヒデサト 

重量感ハンパないっす!

萌×2や、萌という感じではなく、この感じは何だろう。
神なのかも。。。
みたいな感覚で、評価をつけました。
BLとしてでは、物足りなさもあります。でも総合的に考えると、良い作品です。

あらすじは、上記を読んでください。
私はあらすじを読まずに、本作品を読みました。
だからか、純太の八方美人な態度に、攻なのに?!と思ったり、実波のイタズラに腹を立てたり、美由紀の態度にもイラっとしまし…

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おれ、被害者 コミック

木村ヒデサト 

読んでビックリ

表紙の印象からほのぼのラブラブなお話なのかなと思ったので読んでビックリしました。
カバー下の背表紙を見たら「心休まるBLなんて一本も入ってない」とありなるほど納得です。
会社員の上司と部下の「昨日の話と今日の話」は唯一心休まるお話だと思いますけど、スリリングな心境下で読んでいたので結果的に心休まってなかったです(笑)

個人的に分かりにくく読みづらい部分があったことと、好みの問題で中立にな…

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おれ、被害者 コミック

木村ヒデサト 

病み系だけど面白い

アンソロなどの短編を単行本にまとめた1冊。
サイコものやSMなど、少し病んでる系の短編集ですが、そこまですさんでいなくて、基本的には甘い恋愛ものです。短編としてどれもよくまとまってて、最後にきちんと落ちもある。やはり力量のある作者さんだと思いました。
もっと新作をどんどん発表して欲しい。

表題作がトリですが、暗い雰囲気を補うためか、後日談が2つついています。これはやはり本編だけで終わって…

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