牧さんのレビュー一覧

蒼穹のローレライ 初回特典ペーパー グッズ

ラブレターへの返事

三上徹雄は、最愛の人の遺した懐中時計と一緒に暮らしている。

本編で、城戸の息子が届けてきた一通の手紙。
18年の時を超えて届いた、塁の真実の思いに
人前であることも忘れて号泣した三上の、そしてその夜。

ラバウルから大切に持ち帰り、戦後修理をして
毎夜眺めている塁の懐中時計に、月の光の中で語りかける三上。

その三上の一人で語るセリフが美しい。

戦後落ち着いた時代を迎え…

7

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

切なくも優しい涙が溢れる

1945シリーズ、4作目にして零戦乗りが主人公。
そして、シリーズ中最も深く心に沁みる物語だった。

キュッと口を結んだ碧眼のまだ若い青年が一人の表紙。
この美しい表紙の彼は、何故一人なのか……

          :

神様のいたずらか、純粋に日本人なのに青い瞳で生まれた浅群塁。
それだけでも大きなハンデキャップを背負った人生だったのに
17歳の時に一家を襲った酷く陰惨な事…

24

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

BL予測変換が無効な話

※激しいネタバレ有り。読む予定の方は注意※


1945シリーズ4作目。
今回は初の整備員×零戦乗り。
私は床と天井でも萌える腐り方してますが、これが実際に雲の上と地上とで離ればなれになると何とまぁ切なくて、有り体に言えば泣きすぎて呼吸困難起こしました。

毎回毎回しつこいほど泣かされてるシリーズなんですが、作者のここで泣かせるぞエヘン! みたいな意図が見えないので好きです。
物語…

34

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

恋しい気持ち

尾上与一先生の待望の新刊、発売が本当に楽しみでした。
ネタバレがありますので、お気を付けください。


あらすじで塁の戦死が分かっていたので、覚悟して読みました。
もしかして?と淡い期待を抱かずにはいられませんでしたが、やはりあらすじ通りの最期です。

塁の最期の言葉に胸が締め付けられますが、それでもずっと名誉の戦死だけを望み続けていた塁が、三上と出会ったことで、三上のもとに帰りたい…

14

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

リアルすぎた

注意!!話の核になる部分のネタバレあります。
予備知識程度では済まないので、それでも良い方のみお読みください!



1945シリーズと名付けられたこのシリーズ。同人誌「プルメリアのころ」を含め全て読んできました。戦争関連のお話に昔から惹きつけられ、尾上先生の書くこのシリーズがとても好きです。

ただ・・・。蒼穹のローレライはハッピーエンドではなかった。塁が死んでしまった。実は死んで…

13

彩雲の城 小説

尾上与一   

表紙が印象的なシリーズ

購入したものの、ゆっくり時間が出来たときに大事に読みたいと思い寝かせていましたが、我慢できずにあっというまに読了。
【碧のかたみ】に続き、今回もラバウルが舞台です。
ちょこっと月光ペアも出てきたのも嬉しかった。

今回は内地で婚約者に逃げられ、失意のうちに逃げるようにラバウルへとやってきた藤十郎と、同じく内地で想い人に捨てられ、左遷のような形で厄介払いされてきた伊魚の話です。
同じような…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

このペア凄い好き

【天球儀の海】のスピンオフです。
前作主人公の希のお兄ちゃんである恒編。
【天球儀の海】では、恒はラバウルで戦死、という結末になっていたので、久々のJune的バッドエンド覚悟で読み始めたのですが……。


やっぱりBLはハピエンだからBLなのだと感心しました。


それをご都合主義だとか予定調和と言ってしまったら元も子もないのですが、こんなにハピエンで良かったと思った作品も珍しいで…

6

天球儀の海 小説

尾上与一   

これ絶対に挿絵を先に見ずに読んで欲しい

尾上さんはデビュー作から何となく購入していて、例に漏れずこの作品も購入→積ん読コースだったのですが、またしてももっと早く読んどけば良かった! という展開です。

色々と話題になっていた作品ですが、戦争物です。
BLで戦争物を持ってくるだなんて、なんて勇者でしょう。
そしてこの作品を世に出してくれた蒼竜社さんの、あり得ない程にどでかすぎる懐に感謝。
不謹慎という声も聞こえてくることの多い作…

7

天球儀の海 小説

尾上与一   

生きていて欲しい、それさえも言えないなんて・・・

好きな人の身代わりに特攻に行くことを決めた希。
そんなことは望んでいない、希を死なせたくない資紀。
口に出さない(出せない)お互いの想い故にすれ違う。
読みながら、とても切なかったです・・・・・・途中までは。
のめり込んでいた為か、希が右手を失うシーンが感覚的に痛くて痛くて・・・
右手を失って命を永らえる、それでいいのか?それしかないと思えるほどに資紀は追い詰められていたのか、そう思うと…

4

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

シリーズで毎回泣かされてる気がする

【碧のかたみ】【彩雲の城】と同じラバウルが舞台です。
兄弟山盛り貧乏畳屋の息子・偵察員のカズイは、一旗揚げて内地で出世をするためラバウルに赴任したけど、そこでペアになったお飾り貴族様の搭乗員・千歳が、まさかの高所恐怖症でとんでもないチキンだった、あぁどうしよう、な話です。

腕は確かで凄まじく強いけど、搭乗の度にげーげー嘔吐してるヘタレ健気受と、俺が内地の家族を守るんだ! という意識が薄くて…

5
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