牧さんのレビュー一覧

天球儀の海 小説

尾上与一   

この時代のBLはやはり難しいですね

巷では評価が高いので期待しすぎたのかもしれません。

どうにも、物語の肝である主人公が攻の身代わりとなって特攻に行く理由が釈然とせず。
5歳の頃、初恋とはいえたった1回だけ会った人間の為に身を投げ出せるもんなのでしょうか?
読み進めるにつれ、理解できると思いましたがそれもなく。
産み育ててくれた家族との別れもあっさりと感じました。
そこが健気と感じる人もいるんでしょうが、この時代とはい…

4

碧のかたみ 小説

尾上与一   

読み閉す

この本はここまででいいやと思って付箋を貼って私なりのラストにしました。燃料が尽きて海に落ちるのを待つだけよりは、と敵機に突撃していくシーン、p241の6行目、「不思議と心は静かだった。」まで。
正規ラストも含めるとあちゃー…と思ったんです。が、この本が私に語りかけてきてくれたことはここまででいいんだな、とここで切ることにしました。神評価です。
史実を臭わせるパラレルワールドの世界のお話と受け取…

9

碧のかたみ 小説

尾上与一   

難しいテーマ

天球儀の海の琴平希の兄、琴平恒とその相棒、厚谷六郎の物語。
希と恒の性格の違いがそのまま天球儀の海と碧のかたみに反映されたように思う。
とにかくこちらは元気が良いというか青春小説そのもので物語の背景が戦時下というのを忘れてしまうくらい明るい雰囲気に包まれている。
しかし、ついには、ふたりを乗せた「月光」は落ち恒も六郎も負傷する。
敵に必死に恒の命乞いをする六郎・・・
そして、敵国に助けら…

1

天球儀の海 小説

尾上与一   

結果を見るとBLなのかとは思うけれど

琴平希は幼い頃に助けてくれた成重資紀の身代わりに特攻へ行くことを決心します。
物語は希が成重の家に向かうところから始まっています。
幼い頃から慕い続けた資紀の身代わりとして何の迷いもなく特攻へ向かおうとする希。
そんな希に対して冷たい態度と感情を向ける資紀。
互いが互いの想いを伝えることなくその日を迎えようとしたときに希を守るために資紀のとった行動が切なすぎる。
日本にはそういう時代が確…

5

天球儀の海 小説

尾上与一   

BLと割り切った方がいいと思いつつも・・。

まず、時代背景、当時の描写が色々とツッコミどころ満載で・・・。
例えば受け様と攻め様の出会いのきっかけ、幼い頃に描かれた風景に登場する「防空壕」
本土空襲が本格的に始まったのが終戦の1年ほど前、サイパン島を米軍に奪われてからです。
10年以上前、アメリカとの戦争さえ始まっていない状況で防空壕・・・??
と、この時点でううう・・・と思ってしまったのが正直な感想。
細かいところかもしれません…

13

碧のかたみ 小説

尾上与一   

今までの3本指に入るレベルのおもしろさ

レビューを見たのがきっかけで読んだ本でした。
切ない系で戦争が絡んでくるという内容だったので、ちょっと自分には合わないかなー…と思いながら読みました。全然そんなことはなかった…‼︎
何度も死に直面しながらも、必死に生きる2人の姿に心を打たれました。悲劇的な場面が多いのかと思っていましたが、生きようとしている人達の力強さが伝わる場面の方が多かったです。BL小説としても、ただ小説という面で見てもと…

6

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

豪華同人誌

商業誌の番外編同人誌に、本編と同じ先生が表紙絵を描かれているだけでも、大変嬉しいのです。
さらにこの本は、表紙の続きの場面を描いた絵が中ほどに収められていて、読んでいる途中でそれを見つけた時には、思わぬ贈り物をもらったような気がしました。

きれいな表紙をめくると、尾上先生が作られたらしき戦闘機模型の両面ポスターが折りたたんであり、物語を読む前の気分を盛り上げてくれます。

本文も、「碧…

6

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

期待通りの作品

碧のかたみが大好きで大好きで、イラストを描いている牧さんも大好きで、これを買わずにはいられない!と販売前からソワソワしながら楽しみに待っていました。

冒頭は一にも千歳にもあまり萌えられず、時々出てくる碧のかたみの恒と六郎を楽しみに読んでいたのが正直な感想。

ところが、読み進めていくうちに千歳の異常な怖がりが慕っていたペアの上官の死によるものだということが明らかになると、自分が千歳の感情…

8
非BL作品

日本海軍菊花聯合艦隊 弐 非BL コミック

 

すごい力作

軍艦にとくに興味があるわけではなく、知識もない私が、非BLのこの漫画を果たしてどこまで楽しめるのか、このたび評判の良さに賭けてみるつもりで購読したのが、大正解でした。

たった二冊の漫画が、それを読むまでこの分野に何の関心もなかった私に、おおまかでもイメージと一定の理解を与えてくれました。

何より、面白い。

取り上げられているのはおそらく、膨大な情報を含んだ、とても複雑な出来事なの…

5

天球儀の海 小説

尾上与一   

納得の結末(ネタバレ)




読んだのがかなり前で、その時は「この結末は惜しいんじゃないか」と思っていました。

尾上先生も、本当は悲恋の物語にしたかったのではないかと失礼極まりないことまで考えていました。

私が未熟でした。

これぞBLです。

BLの名作です。



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