牧さんのレビュー一覧

彩雲の城 小説

尾上与一   

表紙が印象的なシリーズ

購入したものの、ゆっくり時間が出来たときに大事に読みたいと思い寝かせていましたが、我慢できずにあっというまに読了。
【碧のかたみ】に続き、今回もラバウルが舞台です。
ちょこっと月光ペアも出てきたのも嬉しかった。

今回は内地で婚約者に逃げられ、失意のうちに逃げるようにラバウルへとやってきた藤十郎と、同じく内地で想い人に捨てられ、左遷のような形で厄介払いされてきた伊魚の話です。
同じような…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

このペア凄い好き

【天球儀の海】のスピンオフです。
前作主人公の希のお兄ちゃんである恒編。
【天球儀の海】では、恒はラバウルで戦死、という結末になっていたので、久々のJune的バッドエンド覚悟で読み始めたのですが……。


やっぱりBLはハピエンだからBLなのだと感心しました。


それをご都合主義だとか予定調和と言ってしまったら元も子もないのですが、こんなにハピエンで良かったと思った作品も珍しいで…

6

天球儀の海 小説

尾上与一   

これ絶対に挿絵を先に見ずに読んで欲しい

尾上さんはデビュー作から何となく購入していて、例に漏れずこの作品も購入→積ん読コースだったのですが、またしてももっと早く読んどけば良かった! という展開です。

色々と話題になっていた作品ですが、戦争物です。
BLで戦争物を持ってくるだなんて、なんて勇者でしょう。
そしてこの作品を世に出してくれた蒼竜社さんの、あり得ない程にどでかすぎる懐に感謝。
不謹慎という声も聞こえてくることの多い作…

7

天球儀の海 小説

尾上与一   

生きていて欲しい、それさえも言えないなんて・・・

好きな人の身代わりに特攻に行くことを決めた希。
そんなことは望んでいない、希を死なせたくない資紀。
口に出さない(出せない)お互いの想い故にすれ違う。
読みながら、とても切なかったです・・・・・・途中までは。
のめり込んでいた為か、希が右手を失うシーンが感覚的に痛くて痛くて・・・
右手を失って命を永らえる、それでいいのか?それしかないと思えるほどに資紀は追い詰められていたのか、そう思うと…

4

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

シリーズで毎回泣かされてる気がする

【碧のかたみ】【彩雲の城】と同じラバウルが舞台です。
兄弟山盛り貧乏畳屋の息子・偵察員のカズイは、一旗揚げて内地で出世をするためラバウルに赴任したけど、そこでペアになったお飾り貴族様の搭乗員・千歳が、まさかの高所恐怖症でとんでもないチキンだった、あぁどうしよう、な話です。

腕は確かで凄まじく強いけど、搭乗の度にげーげー嘔吐してるヘタレ健気受と、俺が内地の家族を守るんだ! という意識が薄くて…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

最後までお前とペアだ

なんて美しい文章。戦争という重いテーマとblをここまでしっくりマッチさせるとは、さすが尾上さん。さすがこのblがやばい第二位を取った作品。

まあ、こんなに綺麗なはず無くて、もっとどろどろでぐちゃぐちゃな男たちがいたはずなんだけど、そこはいいです。飛行機を4度も撃墜されてそれでも生きてるというのもありえんと思うんだけど、嫌嫌そこも生きていてくれただけで良いです。六郎と恒が生きていてくれ…

4

天球儀の海 小説

尾上与一   

blと侮ることなかれ

2013年このblがやばい第3位。もう泣ける泣ける。

資紀が、希を助けるというただ一つの目的のために、父をだまし、同級生の新多を利用する。そして、希自身にもつらく当たるのは、見ていてつらかった。本当は優しいはずの坊ちゃんにつらく当たられながら、それでも坊ちゃんの求めに応じて毎夜のように身体をつなぐ希が健気だった。

やはり、戦争はつらい。死にたくない、生きていたいと、そう主張…

3

碧のかたみ 小説

尾上与一   

碧々とした空と海と、そして

タイトル、帯、そして表紙の二人の全開の笑顔を見ただけで胸にこみ上げてくるものがあります。
碧の中…空で死ぬか、海で死ぬか。
戦時下、日本を離れ常夏の最前線でペアとして戦う二人。航空機月光の沈没にマラリア…何度も生死の境をさ迷いながら、ラパウルでの穏やかな一時の日常も描かれる。戦いの切迫感と星空や小さな線香花火の元で穏やかに笑い合う二人が繰り返されるのは、まるで航空機の上と下、何十度もの気温差と…

3

彩雲の城 小説

尾上与一   

「彩雲の中に住もう」

尾上先生の戦争シリーズ第三弾。「碧のかたみ」に次ぎ、南国の最前線ラバウルで戦う航空隊のペア二人の話です。
今回も巧みで美しい文体と愛しいペアのやりとりに魅せられました。
「彩雲の中に住もう」「待ち合わせ場所は靖国の右手の柱」…生きて果たす約束ではなく死後の待ち合わせ場所を決めて、そこで会う約束を交わす。そのやるせなさと二人の確固たる恋心に胸が痺れました。
儚い彗星、未来を信じられないでいる伊…

5

彩雲の城 小説

尾上与一   

帰る場所

「天球儀の海」「碧のかたみ」に続く今作品。話題作だったのでどちらも読みましたが戦争モノは評価に悩みます。日本で戦争が終わってまだたった数十年。未だ世界には戦争している国もある中、こうしたフィクションは不謹慎ではないかという思いがあるからです。

でも戦争モノとは思わず、BLとして読んでみようと思い手に取ってみました。内容は書いてくださっているので感想を。

どうしても感情移入できませんでし…

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