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尾上与一 牧
葡萄瓜
高評価を得る作品には二つのパターンが あると評者は愚考します。 文句なくBLとしての傑作であるから 高評価であると言うのがおおむねの常道。 そして今一つは、BLと言い切ってしまうには 色々含みがあるのだけど、BLの文法を 使わないと落とし所が見つからない快作。 この作品は、評者にとっては後者にあたります。 では仮に、この作品がBLの展開を軸にして 構成されていたとしたら評者は…
ポッチ
ネタバレ
コミコミスタジオさんで購入すると特典でいただける小冊子です。A5サイズで、小説部分は7ページ。個人的にコミコミさんの小冊子がとても好きで、この小冊子が特典でついている時はなるべくコミコミさんで買うことにしていますが、「蒼穹の~」の小冊子は2段組なんですよ。特典で2段組ってちょっと珍しいなあ、と思いつつ、それだけ文字数が多いのか?と尾上先生の読者サービス精神に感動したりしながら読みました。 さ…
スノードロップ
私は悲しい物語だと思います。藤十郎と伊魚の幸せを願わずにはいられない…。二人にはそれぞれトラウマがあって出会うことで少しずつ乗り越えていくそんな健気さに目が離せません。伊魚がモールス信号で藤十郎の名前を呼んでいるのが切ないようなもどかしいような場面も印象的で好きです。冗談交じりの会話にたまに笑ってしまいます。このハッピーエンドにはどんな悲劇でも乗り越えていけるんじゃないかと思ってしまいます。 ま…
尾上さんの書かれる1945シリーズはいつもランキングでも上位に上がり評価の高い作品ですが、個人的にどうしてもツボに入らず、4作目にあたるこの作品も手に取るのをためらっていたのです。が、腐姐さま方のレビューを拝見し読んでみたくなり購入。 いや、よかった。すごく良かった。このシリーズで初めて泣きました。レビューしてくださった腐姐さま方、ありがとうございました。さて、内容はすでに書いてくださってい…
snowblack
くまざわ書店限定ペーパー。 ネタバレであらすじを記します。 : 「俺だけのものになるか」と塁に言われ、 塁とならばそうなりたいと願い、夢のように嬉しいと思う三上。 心の中でひとしきり嬉しがったあと、具体的なことに思いを馳せる。 まずは身を清めよう。そして…… 契ると言ったって塁は何をするのか分かっているのかと 心配になる。 そういう三上自身今一…
三上徹雄は、最愛の人の遺した懐中時計と一緒に暮らしている。 本編で、城戸の息子が届けてきた一通の手紙。 18年の時を超えて届いた、塁の真実の思いに 人前であることも忘れて号泣した三上の、そしてその夜。 ラバウルから大切に持ち帰り、戦後修理をして 毎夜眺めている塁の懐中時計に、月の光の中で語りかける三上。 その三上の一人で語るセリフが美しい。 戦後落ち着いた時代を迎え…
1945シリーズ、4作目にして零戦乗りが主人公。 そして、シリーズ中最も深く心に沁みる物語だった。 キュッと口を結んだ碧眼のまだ若い青年が一人の表紙。 この美しい表紙の彼は、何故一人なのか…… : 神様のいたずらか、純粋に日本人なのに青い瞳で生まれた浅群塁。 それだけでも大きなハンデキャップを背負った人生だったのに 17歳の時に一家を襲った酷く陰惨な事…
薄雲
※激しいネタバレ有り。読む予定の方は注意※ 1945シリーズ4作目。 今回は初の整備員×零戦乗り。 私は床と天井でも萌える腐り方してますが、これが実際に雲の上と地上とで離ればなれになると何とまぁ切なくて、有り体に言えば泣きすぎて呼吸困難起こしました。 毎回毎回しつこいほど泣かされてるシリーズなんですが、作者のここで泣かせるぞエヘン! みたいな意図が見えないので好きです。 物語…
冬子
尾上与一先生の待望の新刊、発売が本当に楽しみでした。 ネタバレがありますので、お気を付けください。 あらすじで塁の戦死が分かっていたので、覚悟して読みました。 もしかして?と淡い期待を抱かずにはいられませんでしたが、やはりあらすじ通りの最期です。 塁の最期の言葉に胸が締め付けられますが、それでもずっと名誉の戦死だけを望み続けていた塁が、三上と出会ったことで、三上のもとに帰りたい…
ベローナ
注意!!話の核になる部分のネタバレあります。 予備知識程度では済まないので、それでも良い方のみお読みください! 1945シリーズと名付けられたこのシリーズ。同人誌「プルメリアのころ」を含め全て読んできました。戦争関連のお話に昔から惹きつけられ、尾上先生の書くこのシリーズがとても好きです。 ただ・・・。蒼穹のローレライはハッピーエンドではなかった。塁が死んでしまった。実は死んで…