牧さんのレビュー一覧

碧のかたみ 小説

尾上与一   

ペア

先生買い。良かった。しんどいし泣くけど、良かった。神一択。戦争辛いの大丈夫な方はもちろん、そうではない方も戦争の欠片ぐらいは体感できるはずなので是非!沢山の方に読んでいただきたい。今までの3冊の中で一番好き。本編290頁+後日談4編+牧先生によるコミック数頁と挿絵+あとがき。攻め受けのペアだからこその味わいがサイコーに好き。

最前線のラバウルに配属された六郎。着任早々、航空隊員たちの喧嘩に遭…

1

碧のかたみ 小説

尾上与一   

穴の空いた月

戦時下という特殊かつ過酷な現実の中で、懸命に今を生きる人々を描いた1945シリーズ。
今までに刊行された新装版で描かれていたどの人生も山あり谷ありのドラマティックさで心惹かれてやまないのだけれど、中でも全編攻めの六郎視点で語られる今作・碧のかたみの心理描写の細やかさが本当に素晴らしかった。
読んでいてなんだか胸がいっぱいになってしまいました。

小柄な容姿とは裏腹に、愛機を巧みに操り敵機を…

1

碧のかたみ 小説

尾上与一   

笑顔の彼らが愛おしい

旧版既読。

今まで読んだ数多くのBL作品の中で最も好きな作品の一つ。

1945シリーズ作品として登場するペアの中でも一番のやんちゃな恒が六郎と出会い、共に生き共にあの空で死のうと誓い合う二人が愛おしくてたまらない。
華やかだったラバウル着任時から戦況厳しい戦争末期の困難な中でも楽しみを見つけ、仲間と喧嘩し、それでも笑顔溢れる彼らの日々がまさに煌めきを帯びて見える。

一番になりた…

1

碧のかたみ 小説

尾上与一   

空でも陸でも最高のペア。まさに唯一無二の存在の2人。

ラバウル基地はパプアニューギニア北の方の島にあって、第二次世界大戦時は、南方作戦の一環として日本軍の重要拠点基地の一つとされた場所。そんな場所で出会った、航空隊所属の戦闘機操縦士と偵察員の激動の愛の物語……めちゃくちゃ沁みました!

時代背景やストーリーの設定的に、どこか死と隣り合わせな世界観に胸がヒリつきますが、過酷な状況下だからこそ彼らの間に芽生える想いにグッと惹きつけられました。
偵察…

4

碧のかたみ 小説

尾上与一   

命を懸けた青春の思い出

1945シリーズ 復刊 第3弾。
ありがとうございます。

こちらは旧版で拝読していたのですが、第2弾までと同じく書き下ろしが40ページほどありまして、名編ですので旧版既読の方もぜひ。
(把握していないだけで既出の短編でしたら申し訳ありません)

書き下ろしの2編は
『鳥が還る日』・・・『雨のあと』の前日譚。
『青のかたみ』・・・『鳥が還る日』の後日譚。
の2編で、個人的に『青の…

5

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

「聞け。ローレライの声を。」

1945シリーズ、復刻の第1弾。蒼穹のローレライは本当に浅群塁の生きた証そのものだと思います。
ずっと家の名誉のために戦果を挙げて死ぬことだけを目標に生きてきた塁。
そんな塁にとって三上との日々がかけがえのないものとなり、最後は名誉のためにでは無く三上を守るためにあの選択をしたことに三上が気づけた、これだけで救われます。
『月と懐中時計』も文庫版に収録されてたのも嬉しかったです。
生きて欲…

2

天球儀の海 小説

尾上与一   

「海に映さなければ本当の形を知ることができない」

1945シリーズ、復刻の第2弾。
命の恩人資紀の身代わりに、特攻隊として出撃することとなった希。再会しお礼を言う希に対して資紀は冷たく拒絶してきて。でも時折見せる優しさに触れ、その態度の裏にある想いを知った時には……。
天球儀の海、海に希の右手を映すとオリオンとなりそれを辿った先にシリウスがいる。お互いがお互いのシリウスなんですよね。
そして、海に映さなければ坊ちゃんの本当の心を知ることが出…

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天球儀の海 小説

尾上与一   

モチーフの使い方が秀逸

地元の名家成重家の跡取り息子、資紀(坊ちゃん)と、
天文学者の四男、琴平希(ゆき)。
希は成重家の要請で戸籍上成重の次男となり、ひっそりと屋敷の離れに迎えられる。
ごく幼い頃に坊ちゃんに助けて貰った恩を胸に、彼の代わりに「特攻」の出撃命令を待つために。

シリーズ新装版2作目。
帯や裏表紙に書かれていること以外前情報なく読んだ。



まず驚いたのは、「助けて貰った思い出」のさ…

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『天球儀の海』1945シリーズコミコミスタジオ限定連作SSフェア小冊子「とりのはなし2 琴平希」 グッズ

ずっと自問自答しながら生きていくんだろう

小冊子付きで買いたくてこのシリーズはコミコミスタジオさんで毎回注文する事に決めてます。

文庫本の付録SSですが、コミコミさんのSSってA5サイズです。大きくて読みやすいですが、一緒に保管したい派なのでサイズ揃えて欲しいななんて思ったりします。

さて内容ですが、こちらは本編終了後の資紀視点です。戦後10年と言っているので2人が再会してからさらに2年が経過してますね。
あの時の判断は間違…

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天球儀の海 小説

尾上与一   

ときに優しさが痛い。

幼い頃、自分を助けてくれた坊ちゃんのためならば、特攻隊の身代わりとして命を差し出せると考えていた希。
しかし、再会した坊ちゃん(資紀)からは冷たい態度を取り続けられて、、、
という始まり。

出逢いから丁寧に描かれており、すぐさまググッとお話に惹き込まれました。

が、度重なる坊ちゃんの希への荒ぶりように、なにかその感情に思惑がある! と分かっていても辛く苦しくて、、、
しかもその荒…

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