牧さんのレビュー一覧

『碧のかたみ』1945シリーズコミコミスタジオ限定連作SSフェア「とりのはなし3 琴平恒」 グッズ

浜津少佐の受難

沢口中佐がラバウル基地から内地に異動がきまったとき、くれぐれも、と個人的に浜津少佐に頼んでいったことがある。
「目を掛けてやってほしい搭乗員がいる」
何も知らない浜津少佐は嬉々としてこの願いを引き受けるのですが、この時点で読んでいるこちらはぷふっと吹き出してしまいます。
鷹居千歳の艦爆ペア、緒方伊魚の彗星ペア、琴平恒の月光ペア。
名前を聞いてますます笑いがこみあげてくる。そして「早速浜津は…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

藤十郎と伊魚のヘルブック

旧版既読。 

旧版に他のSSも収録されモリモリの文庫本となって再び会えた喜び。
まずは表紙のイラスト。第二種軍装の二人の爽やかに見せつつ淫靡な雰囲気が漂うのにはさすがの彗星ペア 
牧先生いつもありがとうございます  

中身はヘルブックとした元々の同人誌の香りが充分しつつ、伊魚の痛々しい心の内とそれに寄り添う藤十郎の男らしい愛情表現が余す所なく充分に収められて大満足です。

コミ…

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『天球儀の海』1945シリーズコミコミスタジオ限定連作SSフェア小冊子「とりのはなし2 琴平希」 グッズ

青空の下をのんびり歩く

戦後、資紀と希が街を歩きながら青空を眺め語る日常もの。
このお話の肝は、資紀がなにげなく希の飛行時間(戦闘機の飛行歴)を尋ねたことです。
希からの答えは資紀の想像を絶するほど少なく、まるで素人同然の有様でした。希が予科練に入ったころは人も燃料も足りず、練度の低い者がろくに訓練もできない状態で前線に配備させられていた時代。片道燃料で敵艦に当たる行為も、一人前に操縦ができなければ成果を上げられない…

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『蒼穹のローレライ』1945シリーズコミコミスタジオ限定連作SSフェア「とりのはなし 1」 グッズ

まさに「……鳥か」

三上がラバウル基地の配属になって、浅群塁の専用機となってしまっている機体の専属整備長を任されたばかりの頃のお話。
まだ三上と塁の信頼関係がまったく出来ていない頃、いまとなってはそんな頃が懐かしくもあるのですが、機に施されたあまりにも独特な調整を少しでもよくするために三上は日々機体の整備に勤しむ。塁は自分の機を、誰やら知らない人に触られるのがいやで、気になって仕方なく、様子を見にはくるけれど三上に…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

大ボリュームでした

まずは短編一つ目の【薄氷】
本編で藤十郎と過ごした日々の伊魚視点。
結構初めの方から好意持ってたんだな。
そんでずっとウジウジしてる。愛人させられてた事を知られたらどうしようと悩むのも好きだから軽蔑されたくないって思いだったんだな。
藤十郎はそんなやつじゃないのに、むしろ伊魚って惚れた弱みでいいようにされて挙句ポイ捨てされて被害者やんって同情通り越して怒ってくれるよ。
藤十郎を遠ざけて塩…

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『謹製ヘルブック』コミコミスタジオ限定 SS小冊子「雪女の穴」 グッズ

平和な世の中だからこそ

「謹製ヘルブック」には書き下ろしはありませんが、コミコミスタジオで購入すると書き下ろしSS小冊子が付いてきます。
A5判16pの小冊子で、本文は2段組11ページ分、数えたわけではないですが推定1万字超のお話で、とても贅沢でした。
藤十郎が商談で訪れた都心のビルで火事が発生します。藤十郎はテナントオフィスの客側なので、先に避難誘導されて一旦は外に出るのですが、訪問時にビル内でみかけた小学生のこと…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

「彩雲の城」ペアの来し方行く末

1945シリーズの番外編集第2弾。25本ものSS・短編収録で、彩雲ペアの戦争中~戦後の半生を読むことができます。
2014年から2021年に書かれた、同人誌や旧版の特典ペーパー等からの再録で、520ページ超えの文庫本。読み応えたっぷりです。(書き下ろしはないです)
藤十郎と伊魚がどうやって心を繋げて、あの気難しい戦闘機「彗星」を乗りこなし太平洋に落下しつつも南の島で生き延びて、どうにか帰った日…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

”人生”という航空機に乗るペアとして

はーーー...言葉にならないぐらい心に響く、素晴らしい一冊でした...

500P超えのボリューム、さすがに”一気に駆け抜ける”ということは
できませんでしたが、お迎えしてから毎日少しずつ読み進め、
藤十郎×伊魚の日常の日々を噛み締めました。

もともと同人誌にあったお話をこうして一冊にまとめて
出してくださったことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
(関係ないけれど...同…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

No Title

1945シリーズの番外編集です。

このシリーズが大好きなこともあって、うれしい一冊でした。

故郷から逃れた訳アリの搭乗員・谷藤十郎と、孤高の偵察員・緒方伊魚とのお話です。この作家さんの作品である『彩雲の城』で、「彗星」の操縦員をしていたふたりが、戦後、どうなったのかを描いていて、おもしろいとおもいながら、よみすすめることができました。

戦争に関するお話ということで、個人的に、「夏…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

戦後の2人の生活が!

『彩雲の城』の2人の終戦後と、戦時中の小話がたのしめます。

伊魚視点の番外編?では、伊魚の不器用さが愛おしく、読んでいてキュンキュンします!!

可愛らしい伊魚の姿をたくさん楽しむことができました!

そして、藤十郎の漢らしさに胸のときめきが止まりません!

ひとつひとつのお話が短いので空き時間に読みやすいですが、濃厚接触のシーンの挿絵があるので、出先で読む際はお気をつけ下さい。…

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